ユニーリサーチ
導入事例

“爆速”のリサーチで高める顧客理解 サイバーエージェントの提案力を支えるユニーリサーチ

“爆速”のリサーチで高める顧客理解 サイバーエージェントの提案力を支えるユニーリサーチ
株式会社サイバーエージェント 吉澤茉里奈/佐々木健眞
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株式会社サイバーエージェントは、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのもと、インターネット広告事業、「ABEMA」をはじめとするメディア&IP事業やゲーム事業など、多彩な領域で事業を展開しています。各事業が相互にシナジーを生みながら成長し、その知見と技術・開発力はクライアント支援の現場にも活かされています。

DXコンサルティング本部はインターネット広告事業本部内に属する組織で、クライアント企業のデジタルサービス開発を支援する部署です。自社事業で培ったプロダクト開発のノウハウと、デジタルマーケティングの知見を掛け合わせ、リリース後の“グロース”まで見据えた支援を強みとしています。

サービスを伸ばし続ける鍵は、高速のPDCAの中で「顧客の声」をどう捉えるか。DXコンサルティング本部では、ユニーリサーチを活用したハイスピードなリサーチにより、顧客理解にもとづく提案と開発を加速させています。

今回は、UXリサーチャーとして活躍する佐々木 健眞さんと吉澤 茉里奈さん に、ユニーリサーチの活用方法や導入メリットなどを伺いました。
※本記事の内容は取材日2025年9月29日時点のものとなっています

数々のヒットサービスを生み出してきたサイバーエージェント流グロース支援

― DXコンサルティング本部のミッションや特徴について教えてください。

吉澤さん: 私たちが所属するDXコンサルティング本部では、クライアント様のサービス開発やグロース支援を行っています。「ABEMA」など数々のサービスをヒットさせてきた事業会社としての側面と、国内有数のデジタルマーケティングの実績を持つ支援会社としての側面。サイバーエージェントが持つこの両面を活かして顧客支援を行っていることが大きな特徴です。

特に力を入れているのは、リリース後の“グロース”の領域。サービスを出して終わりではなく、継続的に成長を続けるための支援に注力しています。


吉澤さん DXコンサルティング本部 UXリサーチャー 吉澤 茉里奈さん

佐々木さん: "グロース"というと、ユーザー規模の拡大や販促活動をイメージする方が多いと思いますが、私たちは、ユーザーに長く愛される体験をつくることに主軸を置いています。UI/UX改善を通じて「喜んで使ってもらう」ための施策を提案するのが、私たちの役割です。

ものづくりを真摯に行うためには、ユーザーファーストが大前提。広告事業では定量的なアプローチが中心という印象があるかもしれませんが、その中でも私たちは、よりミクロな視点で動く組織だと感じています。


佐々木さん DXコンサルティング本部 UXリサーチャー 佐々木 健眞さん

吉澤さん: サービスグロースには、顧客理解が欠かせません。実際に開発やUI/UX改善のPDCAを回す中で、ユニーリサーチをかなり活用しています。既存ユーザーの声はもちろん、これから狙うべきユーザーの声を拾うこともできる。かなりクイックに動けているのは、ユニーリサーチのおかげだと思います。

― ありがとうございます!UXリサーチャーとして、案件にどのように関わっているのでしょうか?また、ユニーリサーチはどのような場面で活用されていますか?

佐々木さん: クライアントの業界は、人材、不動産、金融、エネルギーなど多岐にわたります。

幅広いユーザー像を理解したうえでの提案が求められるので、「デザインでどう素晴らしい体験をつくるか」「デザインの力でどう競合との差を生むか」「デザインを通じて企業らしさをどう伝えるか」といった観点から、常にユーザー体験の本質を探っています。

手法としては、プロジェクトの進捗やビジネス要件に応じて、ニーズヒアリング、対面でのユーザビリティテスト、競合リサーチなどを組み合わせています。ユニーリサーチを柔軟に使わせていただいていますね!

活用の場面としては提案活動におけるリサーチと、受注後プロジェクトのためのリサーチが主となります。

“爆速”の1週間リサーチで提案を推進

― 提案の準備期間はどの程度あるのでしょうか?その中で、リサーチャーはどのように活動するのでしょうか?

佐々木さん: 案件によって様々ですが、短いときで1-2週間で提案という場合もあります。 その場合、調査設計からインタビュー後の示唆出しまで含めて1週間ほどで実施することになります。

吉澤さん: ユニーリサーチの募集期間を見ていただくと分かると思いますが、募集開始から3日後には締め切りというスピード感で進行していますね。

佐々木さん: ときには提案のスピード感も重要になるので、そのような時には“爆速”でリサーチを進めています。
ユーザー理解の深さによって提案の質はかなり変わります。提案準備期間に関わらず、深い顧客理解を前提としたデザイン提案力は、わたしたちの強みであり、他社に引けを取ることはまずないと思っています!

3段階の検証をそれぞれ1週間で実施 デザイナーも同席し、即座に改善

― 受注後のプロジェクトでは、どのようにユニーリサーチを活用されていますか?

吉澤さん: 案件によって多少異なりますが、例えばプロダクトリリース前の検証であれば、基本的には3段階で検証を行います。

まず1回目はコンセプト探索。紙芝居のような資料でコンセプトをお見せし、フィードバックをいただきます。2回目はモックアップのユーザビリティテスト。そして3回目には、改善後のモックアップを使って再度テストします。それぞれ1週間ほどの期間をかけ実施しています。


ステップ 各ステップを1週間で実行し、顧客理解を開発に即座に反映

せっかくUXリサーチャーとUI/UXデザイナーが同じ組織にいるので、インタビューにはデザイナーにも同席してもらい、得られた声を即座に改善へ反映しています。このスピード感が、DXコンサルティング本部らしい強みだと感じています。

内製のリサーチチームで”伝言ゲーム”を避け、チームで気づきを共有

― リサーチを内製で行うことには、どんな価値があると感じていますか?

佐々木さん: 質とスピードの面で、非常に重要だと感じています。

ユーザーの声というのは、人を挟めば挟むほど”伝言ゲーム”のように解釈がぶれてしまい、施策の方針を見誤るリスクがあると感じています。だからこそ、私たち自身が直接ユーザーの声を聞き、その場で気づきをチームに共有することを大切にしています。

― ユニーリサーチ導入以前は、どのように対応されていたのでしょうか?

吉澤さん: 導入前の話を前任者から聞いたところ、当時は低コスト・短納期でのインタビューが難しく、短納期であれば定量調査を行ったり、定性調査を行うにはどうしても時間がかかってしまっていたそうです。導入後の現在は、スピードが上がったことで活動の質が向上し、PDCAをより実践的に回せるようになったと感じています。

佐々木さん: UIUXデザイナーがいる組織である以上、顧客の声を“定量的な平均値”としてではなく、目の前のユーザー体験から磨き込むべきだという考えは以前から持っていたと思います。その意味でも、クイックに定性調査を回せるユニーリサーチの仕組みは、私たちの考え方と非常に親和性が高いと感じています。

「ユニーリサーチを使うことは前提」スピードと対象者の多様性を両立する欠かせない存在

― 現在、ユニーリサーチは御社にとってどんな存在でしょうか?

佐々木さん: DXコンサルティング本部では、現在は、ユニーリサーチを使うことを前提に提案フローを設計しています。

もしユニーリサーチがなかったら、調査会社に依頼する方法もありますが、その場合はスケジュールの引き方がまったく違ってくるはずです。

たとえばコンペ準備段階でのリサーチは現実的に難しいと思います。また、社内で募りヒアリングを行うこともできますが、自分たちに近い属性の人だけに偏ってしまうリスクがあります。そうした中で、スピードと対象者の多様性を両立できるユニーリサーチは、私たちの活動を支える欠かせない存在です。

対面調査も実施 接点のない業界や地域のユーザーの「リアルな声」を拾えた

― ユニーリサーチで得られたインサイトや成果のエピソードがあれば教えてください

佐々木さん: ある金融業界のお客様がアプリのリニューアルを検討されていました。今あるニーズではなく、将来のユーザーニーズを見据えるにあたり、都心だけでなく地方在住の方々の暮らしぶりや考え方を理解する必要がありました。

一般論としては理解しているつもりでも、東京生まれの私にとって、地域社会で暮らす方々のリアルな感覚は、想像でしかありません。ユニーリサーチを活用することで、全国のさまざまな地域・世代の方々にインタビューを実施し、暮らしの実感や意思決定の背景を多面的に捉えることができました。

特に大きな発見だったのは、都市部の消費者にはないライフステージの変化による価値観・行動の変化が見られたこと。これによって自分自身のバイアスを取り除きながらプロジェクトを前に進めることができたと思います。「世代」や「地域」だけでは説明できない、“生活者のリアル”を理解するきっかけになりました。

吉澤さん: 人材業界のお客様の案件で、対象者の方に実際にお越しいただき、試作品のプロダクトを触ってもらいました。

対面テストを行う際には社内メンバーへ協力を依頼することもありましたが、どうしても身近な属性に偏りが生じてしまいます。しかし、特に人材系のサービスは業界や職種を問わず多様なビジネスパーソンが利用しますので、より幅広い声を聞くことが重要。

ユニーリサーチを活用することで、普段接点のない業界の方々からもフィードバックを得ることができ、多様なユーザー層から“リアルな声”を拾い、これまで見えていなかったインサイトを掴むことができました。

― クライアントも一緒にインタビューに参加されたのでしょうか?

吉澤さん: クライアントにはオンラインで同席いただき、インタビューの様子を見ていただきました。

クライアント自身も、「自分たちで集めたユーザーとは全く違う」という反応でしたね。どうしても企業側で募集すると、自社サービスを好意的に捉えているユーザーが集まりがちです。しかし、実際のリサーチでは必ずしもそうではなく、時には手厳しい意見をいただくこともあります。

― クライアントと、意見が割れることはなかったのでしょうか?

吉澤さん: 目の前でサービスを触ってもらい、ユーザーの発言を直接見聞きすることで、クライアントもすぐに納得されていました。

「なるほど、リアルはこうなんですね。では、これでいきましょう!」といった会話が生まれたのも、大きな変化でした。

リサーチの場が、クライアントとのコミュニケーションを深め、認識を揃える“共通言語の場”としても機能していたと感じます。

スピード、コミュニケーション、回答の質に満足 「ユニーリサーチでできないなら、どうしようもない」

― ユニーリサーチを実際にご利用いただいて、特に気に入っているポイントはありますか?

吉澤さん: 気に入っているポイントはたくさんありますが、最初に思い当たるのはスピード感です。必要なときにすぐ聞けるので、提案スピードを緩めずに進められる。これは私たちの仕事にとって欠かせない要素だと感じています。

対象者の方とのやりとりもスムーズです。LINEで通知が届くので、コミュニケーションが非常に円滑。タイトな日程でもすぐにレスポンスをいただけます。対象者との距離感が近いのは、他サービスにはないメリットだと感じています。

また、対面調査ができるのも、ありがたいポイントです。


LINE 調査協力者はLINEを使って案件やメッセージの通知を受け取る

佐々木さん: 運用の柔軟性にも助けられています。たとえば調査の中で「地方在住の若い方」「地方在住で年齢層が上の方」「都市部在住の方」といった複数のセグメントを分けたいとき、一般的には事前調査の設問で分岐させてスクリーニングを行うことが多いと思うのですが、ユニーリサーチではセグメントごとに募集を簡単に立てられるので、非常に管理が楽です。

集まったリストをクライアントに見せながら「このセグメントではこういう方が集まっています」と共有できるのも便利ですね。

また、提案前には出現率を確認して、最低限のサンプルが確保できるかを見てから進めています。「募集してみたら誰もいない」というリスクを避けられるのも、ユニーリサーチならではの安心感だと思います。

それに、ユーザーの質がとても高い。スピード重視でリクルーティングを行っていても、事前調査の回答が丁寧なので精度が高く、ミスマッチがほとんどありません。以前から活用させていただいていますが、パネル規模の拡大とともに、ユーザーの回答内容が具体的で深くなっている印象です。皆さんが真摯に向き合ってくださるので、本当に信頼できるパネルだなと感じています。

ニッチなサービスのリクルーティングでも実施できていますし、コストも抑えられる。スピード感、対象者の質、どれを取っても満足しています。正直に言うと、「ユニーリサーチで対象者がいないなら、もうどうしようもない」というくらいに考えています。

― 貴社のお客様理解を高めるお取り組みについてお話をいただき、ありがとうございます。ぜひこれからも、取り組みのご支援をさせていただけますと幸いです。

株式会社サイバーエージェント
会社名
株式会社サイバーエージェント
業種
インターネット広告事業、メディア&IP事業、ゲーム事業
社員数
7,720名
2024年9月時点
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