国内最大級のユーザーインタビュープラットフォーム uniiリサーチ(ユニーリサーチ)
導入事例

高難度条件でも募集当日に40件の応募 圧倒的スピード感で短期間に2回のリサーチプロジェクトを実行

高難度条件でも募集当日に40件の応募 圧倒的スピード感で短期間に2回のリサーチプロジェクトを実行
株式会社グッドパッチ 米田真依/岩田悠
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グッドパッチは、「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」をビジョンに掲げるデザインカンパニーです。大企業からスタートアップまで、さまざまな企業のビジネス課題をデザインの力で解決しています。

同社では、新規事業創出やサービス改善に繋げる探索型リサーチ「Insight Research(インサイトリサーチ)」を提供。「人」起点のリサーチやサービスデザイン領域に知見を持つデザインリサーチャーとクライアントが並走し、リサーチ設計から分析、その後の事業創造や改善に繋がるアクションまでを導き出していきます。

今回は、「Insight Research」でユニーリサーチを導入し、新たな洞察(インサイト)を得られたという同社デザインリサーチャーの米田真依さんと、デザインストラテジスト岩田悠さんにユニーリサーチ導入で起きた変化などをお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2023年5月26日時点のものとなっています

クライアントのビジネスをデザインで「前進」させてきたデザインカンパニー

― 本日はありがとうございます。まずは、御社の事業について教えてください。

岩田さん: 当社は「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」をビジョンに掲げるデザインカンパニーで、デザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業の2事業を展開しています。

デザインパートナー事業では、新規事業の立ち上げや既存事業のリニューアルなど、クライアントのさまざまな挑戦を支援しています。大企業からスタートアップまで、クライアントの本質的な課題に向き合い、デザインの力で解決していきます。私と米田も、デザインパートナー事業部内の「Insight Research」を提供する部署に所属しています。

そしてデザインプラットフォーム事業では、オンラインホワイトボード「Strap」やデザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」などといった自社プロダクト・サービスを提供しています。デザインカンパニーが自社事業を展開するのは珍しいかもしれませんね。

クライアントと並走し、次のアクションに繋げる「Insight Research」

株式会社グッドパッチ・米田様

― 「Insight Research」について、詳しく教えてください。

米田さん: 「Insight Research」は、2022年から本格的に提供を開始した、探索型リサーチサービスです。「人」を起点とし、リサーチの目的設計から分析、アクションへの落とし込みまでを当社のデザインリサーチャーがクライアントと一緒に実施します。

1つ目のポイントは、並走型という点です。受託型のリサーチでは、リサーチ会社が依頼を受け、リサーチを行い、レポートを納品するという形式が一般的ですが、「Insight Research」ではグッドパッチが行う既存のクライアントワークと同様、並走しながらのリードを担当させていただいています。また、「リサーチをしてみたが、次に繋がらない」というのはリサーチあるあるです。2つ目のポイントとして「Insight Research」では、次のアクションに繋げることを重視しています。

クライアントと共にリサーチのゴール設計から始め、リサーチ、分析、最後のアクションに繋げるまでを一連の流れで実施していきます。ご担当部署だけでは効果的なアクションに繋がらない場合は多いので、他の部署の方も巻き込んだ、1日がかりのワークショップを実施することもあります。

岩田さん: 並走型では、洞察を得る部分にクライアントにも直接関わっていただけるので、結果を咀嚼し、クライアント自身が自分の解釈を得られます。最初はあまり発言のなかった方も、実施する中でどんどんアイディアが浮かび、自分の言葉で語ってくださるようになるのです。

ユニーリサーチでクライアントの事業解像度を引き上げ、ビジネスをさらに前進させる

― ユニーリサーチを「Insight Research」で導入いただいています。具体的にどのような場面で使っていただいたのでしょうか?

米田さん: 一つ事例として挙げると、再生医療サービスを提供されているクライアントの案件で活用しました。

今回対象となったのは膝の軟骨がすり減ることで痛みが生じる「変形性膝関節症 」の患者様向けのサービスで、医療機関から預かった患者の血液を加工して再び医療機関に配送するという仕組みになっています。

本来的には医師と患者様、両サイドに接点のあるサービスなのですが、これまで医師へのインタビューは実施していた一方で、患者様やご家族へのお話を聞く機会がなかったとのことでした。そこでユニーリサーチを利用して、「変形性膝関節症」の患者様、ご家族様へのインタビューを実施することになりました。

岩田さん: 順調に事業成長されていて、サービスに価値があることはわかっていました。しかし、さらにサービスを最も価値ある形で伝えるにはどう言語化し、社内外に浸透させるべきなのか。改めて事業解像度を引き上げ、その定義に応じた戦略を立てていきたいというニーズがある中、医師だけでなく患者様とそのご家族の両視点から分析するべきだ、となったのです。

1回目の結果に応じて2回目のリサーチ設計を柔軟に変更 リサーチの機動力が高まった

― ユニーリサーチを実際に利用いただく中で、良かったと感じていることはありますか?

米田さん: まずはスピード感です。以前と比較して機動力が大きく上がり、結果的にリサーチプロジェクトの質が向上しました。

募集した当日に40件くらいの候補が集まってびっくりしました。「変形性膝関節症に悩まれている方」という特定疾病の患者様というセンシティブな条件だったので、正直「一桁集まればいいな」と思っていました。すぐに候補者リストから調査対象者の方を決定し、翌週にはリサーチを実行できました。

「Insight Research」では、少なくとも2回、リサーチと分析を実施しています。1回より2回行う方が、質が向上することは当然として、リサーチに慣れていないクライアントも1回目でおおよその流れをご理解いただけるので、2回目はさらに積極的に関わっていただけるメリットがあるのです。

以前、調査会社のパネルを利用していた際にはリクルーティングに2〜3週間かかっていました。そのため1回目の調査結果を受けて2回目のリサーチ設計を変更する、ということが難しい状況だったのですが、ユニーリサーチのおかげで、1回目のリサーチが終わってから、2回目のリサーチ設計をし直す時間が得られました。

特に今回の場合は1回目で勝ち筋を得られていたので、2回目は当初の想定質問をガラッと変え、見えた勝ち筋の検証を行うことができました。


株式会社グッドパッチ・岩田様

岩田さん: 約1.5ヶ月で各回10名、合計20名ほどの方へのインタビューと分析を行いました。

探索フェーズでお手伝いする「Insight Research」では、あえてリサーチ前に「仮説を立てない」というアプローチをとっています。前提となる仮説がないので、リサーチを進める中、その場その場で考えて、次のアクションに繋がる道筋を検討していきます。リサーチ結果に応じて、次のリサーチに向けた問いを柔軟に変えることは、必要なプロセスです。

― ありがとうございます。機能面で便利に感じた点はありますか?

岩田さん: 従来の調査会社を利用していた時は、日程調整が手間でした。候補者ごとの空き時間を調整するのに、調査会社の担当者を挟んでコミュニケーションしなければならず、四六時中メールを見て空き状況を更新するといったような二度手間三度手間が発生していました。

ユニーリサーチでは、候補者の方と直接連絡を取れるので楽になりました。当日の急な連絡やちょっとしたお声がけもできるので使いやすいと思います。

ユーザーリサーチから新たな洞察を得られ、課題解決に繋がるアクションを実行

― ユーザーリサーチの実施で、クライアント内に変化はありましたか?

米田さん: 「医師側も、患者様側も自分たちが想定していなかった考えを持っていたことがわかった」とのコメントをいただきました。戦略を考える際、外部からのヒントが刺激になる新鮮さを、感じてくださったようです。また、これまで一つのことを一緒に考える機会をあまり持てなかった他部署間とのコミュニケーションが、滑らかになったとお伺いしています。

岩田さん: これまで「こういう感じのお客様が...」とボヤけていた部分が、「あの方が...」と具体的な顔を思い浮かべられるようになり、私たちとの間の会話もスムーズになっています。また、リサーチ中にはクライアント自身にも質問していただくことで、ご理解の度合いも深くなっていらっしゃいました。

― 具体的には、どのような施策につながりましたか?

米田さん: アウトプットの一つとして「診断シート」の作成を行いました。

クライアントの再生医療サービスは、自由診療になってしまうため治療費が保険適用のものと比較して高くなってしまいます。そのため、医師側としては紹介をためらっていた。でも患者様には「高額でも、保険適用外と示した上で早い段階で治療メニューに並べて欲しい。その方が信頼できる」という想いがあったのです。

紙の「診断シート」に記載があれば、医師側も気兼ねなく紹介でき、患者様の意向を踏まえた上で有意義な相談ができます。医師の悩みと患者様の悩みを同時にリサーチして得られた結果に基づいた施策になったと思います。

「デザインの力を証明する」ために、社外にリサーチやデザインの価値を伝播していく

― ありがとうございます。最後に、今後の展望について教えてください。

米田さん: 「Insight Research」は2〜3ヶ月のプロジェクト期間で実施することが多いのですが、今後はより長い期間で並走させていただきたいと考えています。また、その中でリサーチ文化がクライアント内でも根付く意識づくりや、リサーチ部署が自走していくようなお手伝いをしていきたいと、岩田ともよく話しています。

岩田さん: そうですね。私たちは、デザインに関わる業界全体が良くなることが、ミッションである「デザインの力を証明する」ことに繋がると考えています。リサーチやデザインの価値を、社外にも伝播していければと思っています。また、同じ方へ継続的にリサーチをすることで、一緒に進化できるようなデザイン共創にも魅力を感じています。ユニーリサーチには、リピート機能があるので今後は活用していきたいと思っています。

― 米田さん、岩田さん、本日はありがとうございました!当社もリサーチの価値を多くの企業様にお届けできるよう、イベントや情報発信も含めて貢献できればと思います。

株式会社グッドパッチ
会社名
株式会社グッドパッチ
業種
サービスデザイン/ソフトウェア開発
社員数
235名
正社員 2023年2月末日時点 連結
導入事例
CASE