国内最大級のユーザーインタビュープラットフォーム uniiリサーチ(ユニーリサーチ)
導入事例

新規事業開発に欠かせないユーザーインタビュー リピート機能活用で仮説をより確かなものに

新規事業開発に欠かせないユーザーインタビュー リピート機能活用で仮説をより確かなものに
キユーピー株式会社 竹内綾子/與田昭一
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1925年の発売開始以来、「キユーピー マヨネーズ」は多くの方にとって毎日の食卓に欠かせない存在となっています。キユーピー創始者の中島董一郎氏が海外でマヨネーズに出会い、その美味しさと栄養価の高さに魅了されたことが誕生のきっかけでした。

「お客様の健康を願う想い」はそのままに、今ではサラダとタマゴの魅力を多種多様な商品を通して提供する同社ですが、新規事業開発にも力を入れています。

社内での公募プログラムは2012年に始動。以来、形を変えアップデートしながら継続し、2022年も開催されました。プログラムの中でユニーリサーチは、事業開発に欠かせない顧客理解のためにご利用いただいています。

今回は社内公募プログラム事務局を担う経営企画部事業企画チームの竹内綾子さんと、実際に起案しユニーリサーチをご利用いただいた研究開発本部 食創造研究所の與田昭一さんにお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2022年9月21日時点のものとなっています

新規事業を生み出すだけでなく「挑戦する風土」醸成にもつながる「Kewpie Startup Program」

キユーピー株式会社・竹内様

― 竹内さんが所属する、事業企画チームのミッションを教えてください。

竹内さん: 事業企画チームはキユーピーグループの成長戦略を描きながら、グループの挑戦する風土を醸成するための企画を推進しています。

異業種や出資先との連携を行うほか、社内の新規事業アイディア公募プログラム「Kewpie Startup Program」においては、テーマ設定や勉強会、起案者のサポートなど、全体運営を行う事務局を担っています。

― 「Kewpie Startup Program」について、教えてください。

竹内さん: キユーピーの社内公募プログラムとしては、2012年に「Try Kewpie!」という名前でスタートしたのが始まりです。選定基準やプラン検証のステップ等、制度設計を見直しながら継続し、2017年に「Kewpie Startup Program」と名前を変えました。その後もチューニングを続け、2022年は3年ぶり6回目のプログラム開催となりました。

本プログラムは、新たな事業創出はもちろん、社員それぞれの「こうしたい!」を実現するためにあります。今回実施するにあたって、説明会等でも改めて会社への提案や提言に留まらない、「自分たちの手で想いを成し遂げる」場であることをしっかり伝えました。

食に関心の高い社員が多いキユーピー、起案者の想いが実現

― 10年ほど前からの取り組みなのですね。過去のアイディアで実現したものがあれば教えてください。

2022年5月29日、埼玉県深谷市にオープンした「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」は、2012年の「Try Kewpie!」をきっかけに生まれました。マルシェとレストラン、農園などが併設され、野菜の魅力を体験することができる複合型施設となっています。

起案者は当社グループの惣菜工場で働いていた方です。様々な方を仲間にしながら、今も中心的に関わっています。実現までに10年かかってしまいましたが「野菜の魅力を知ってもらいたい!もっと野菜を食べてほしい!」という想いが形になりました。

― 「Kewpie Startup Program」には、どんな方が参加されるのでしょうか?

竹内さん: 当社グループの社員であれば、誰でも参加可能です。2022年は設定した食関連のテーマに対して、50件の応募があり、様々な職種の方から個人だけでなくチームでのエントリーも多くありました。食は身近なテーマなので、原体験があり、関心も高く、実現したい何かを持っている方が多いのだと思います。

ユーザーインタビューで課題と解決策のフィット感を探る 行動力向上も期待

― 「Kewpie Startup Program」において、ユーザーインタビューはどんな役割を持つとお考えでしょうか。

<Kewpie Startup Programについて>
2030ビジョンを達成するために、グループの成長を担う新規事業を生み出す1つの手段として、社内新規事業アイデア公募「Kewpie Startup Program」を実施。一人ひとりの「こうしたい!」という想いの実現と、グループの成長につながる新規事業の本格検討ができる社内制度。

キユーピー株式会社・Kewpie Startup Program2022 参考)Kewpie Startup Program2022のプログラムフロー概要

竹内さん: 特に今回からは書類審査通過後、口頭審査前のステージでユーザーインタビューを重視しました。

口頭審査では、プランのビジョン、起案者の想いはもとより、お客様が解決したい困りごと(課題)は何なのか、それはお金を払ってでも解決したいものなのか。そして、仮説レベルではあっても、その困りごと(課題)に対する解決策の確からしさが選考する上での重要な観点でした。ユーザーインタビューを口頭審査の前に行うことで、これらのポイントを鑑みたプランの磨き込みが行われることを期待しました。

また、実際のお客様の声を聞くことで、起案者に実現に向けた強い想いをもってもらうことも狙いでした。書類審査通過後、実際に走らせるとなると行動力が課題になりがち、ということは過去のプロジェクトで学んだことでしたので...。

「かゆいところに手が届く」シンプルに必要な機能を満たしていた

― ユニーリサーチの導入は、事務局から起案者の方へ紹介いただく形で進めていただきました。その経緯を教えてください。

竹内さん: 起案者自身の人脈や社内に頼ってのユーザーインタビューには限界もあると考え、社外の方にアプローチができるツールを探すことになりました。

調査設計サポートやレポーティングを伴う他のリサーチサービスもありましたが、今回のステージにおいてはフルスペックなものより、「話を聞きたいお客様に早く出会える」という必須要件を満たす、シンプルなサービスを求めていました。

ユニーリサーチは、コストや工数をかけすぎずに最短当日というスピードで候補者に出会える点、そして同じ方に繰り返し聞き、深掘りできる点が良いなと思い、起案者へ紹介しました。

ユニーリサーチ自体も、LIFULLさんの新規事業開発から誕生したと聞いて納得感がありました。実務担当者にとってはバランスの良い、まさに「かゆいところに手が届く」サービスだと思います。

― ありがとうございます!

「リピート機能」でのインタビューも行い、ペルソナ像を確かなものに

キユーピー株式会社・與田様

― ここからは、実際にユニーリサーチをご利用いただいた與田さんにお伺いします。今回、どのような流れでユーザーインタビューを行ったのでしょうか?

與田さん: 私たちのチームは、「乳幼児向けの商品アイディア」を起案しましたので、大きくは「お子さんを持つ親御さん」が想定ターゲットです。

社内を含めて、トータル50名近くの方に聞きました。

課題設定が荒く、煮詰まっていない初期段階において社内インタビューはとても有用で、全体感を捉えることができました。回答結果から可能性を感じた4つの異なるペルソナ像まで絞り込みました。普段はインタビューする機会がないのですが、聞き方のコツもここで掴めたと思います。

ユニーリサーチは4つのペルソナ像をより深掘りするために活用させていただきました。

14名の方の話を聞いて、さらに注力して聞きたいセグメントの4名の方にリピート機能を活用して2回目のインタビューをお願いしました。より確かな仮説を持ったうえで深堀りが出来たと思います。

社内インタビューで仮説構築 → ユニーリサーチで深く検証

― 社内インタビューとユニーリサーチを組み合わせてみて、気づきはありましたか?

與田さん: 社内メンバーは食への関心が高い人が多く、インタビューにも協力的で大変助かりました。しかし、社内だからこそ言えない本音があったり、仲間意識で気をつかわれてしまったり手応えの弱さを感じることも。

フェーズが進むと客観性も必要になるので、先入観のない意見を社外の方に聞くことで、説得力あるデータを得られると思いました。

社内インタビューを通して最初の仮説を固めた上で、ユニーリサーチで検証してみるという流れは良かったと思います。

― 得られた結果に手応えはありましたか?

與田さん: 口頭審査の基準にあるように、課題の確からしさと、ビジネス性、課題と解決策の結びつきが十分であるかを確認できました。

また私の起案チームはメンバー6名と最も人数が多いチームでした。部門やスキルの異なる人が集まる分、アイディアや意見は出るのですがベクトルを揃えるのが難しい。ユニーリサーチの回答結果を見ながら話すことで、チームとして同じ方向を向くことができたと思います。

先日、口頭審査会を無事通過できましたので、現在は、次のステップに向けてさらなる磨き込みを行っています。

一括管理できる「日程調整機能」が便利 請求処理はチーム機能で

― ユニーリサーチの機能で便利だと感じるものはありますか?

與田さん: 使う前は、応募者一人ひとりとの日程調整が大変そうなイメージがありました。でも「日程調整機能」を使えば、一度カレンダーを送ることで複数名との日程調整が完了するのでとても簡単でした。変更がある場合も「メッセージ機能」でサクッとやりとりでき、スムーズでした。応募者の方のレスポンスも早かったです。

また、個別に支払いとなると手間のかかる作業となりますが、「チーム機能」で、経費処理を事務局で一括管理してもらえたのはありがたく、インタビューに集中できました。

お客様の声が、アイディア実現に向けた後押しに

― 今後について、お二人から一言ずつお願いします!

竹内さん: このプログラムを通じて、新しい取組みや事業をもっと生み出して、今後も社員それぞれの想いを形にするために“挑戦する文化”を根付かせていきたいです。また、お客様の声を直接聞けることは、本プログラム以外にも日々の商品開発や営業活動等でもいろいろとニーズがあると感じます。社内で必要としている人にユニーリサーチを紹介していこうと思います。

與田さん: ユニーリサーチでご協力いただいた方からは、「本当に困っているんです。商品ができたら早く教えてくださいね!」という言葉を頂戴しました。困っている方が本当にいることが分かり、いち早く形にしてお届けしたいと想いを強くすることができました。今回のユーザーインタビューを通して自分自身も成長できたと感じていますので、他の人にも、もっとお客様の声を聞くことを勧めていこうと思います。

キユーピー株式会社
会社名
キユーピー株式会社
業種
食品
社員数
10,719人(連結)、2,394人(単体)
2021年11月末時点
導入事例
CASE