ユニーリサーチ
導入事例

「答えはお客様の中にある」ユニーリサーチが新規事業案の精度向上と検討サイクルのスピードアップに貢献

「答えはお客様の中にある」ユニーリサーチが新規事業案の精度向上と検討サイクルのスピードアップに貢献
株式会社 明治 八尋恒隆/吉田良

明治は乳製品や菓子など、明治グループの食品事業を担う企業です。明治グループの誕生は1916年にまで遡りますが、「栄養報国」(栄養をもって社会に貢献する)という創業精神は現在も受け継がれ、「健康にアイデアを」という新たなグループスローガンのもと人々の健やかな生活を支えています。

食や健康のあり方が複雑化する中、明治グループでは新たな価値創造につながるビジネスアイディアを創出し、育てるためにイノベーション事業戦略部を創設。社内公募メンバーにより課題解決型の事業創出を目指すプログラム「mBD(meiji Business Development)」と、スタートアップ企業を支援して価値共創を図る社外創発プログラム「明治アクセラレーター」の2つの創発プログラムを実施しています。

今回は、「mBD」運営事務局としてユニーリサーチをご評価いただいているイノベーション事業戦略部 八尋恒隆さんと吉田良さんに導入後の効果などをお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2023年12月19日時点のものとなっています

「栄養報国」の創業精神を受け継ぐ明治が挑む、新規事業創出

明治・八尋様1 イノベーション事業戦略部 八尋恒隆さん

― 御社製品は、多くの方にとって馴染み深いものばかりだとは思いますが、改めて御社について教えていただけますでしょうか。また、お二人が所属するイノベーション事業戦略部についても教えてください。

八尋さん: 食品と医薬品の提供を行う明治グループにおいて、当社は食品セグメントを担っています。牛乳やヨーグルトなどの乳製品、お菓子やアイス、チルド、冷凍食品、ニュートリションと呼ばれる分野ではプロテインなどのスポーツ栄養商品まで、幅広い製品を提供しています。生活者の方から少し見えにくいところでは、大手のカフェに卸すような業務用食品事業や中国や北米を中心とした海外事業も展開しています。

イノベーション事業戦略部は、コロナ禍中の2021年に創設された比較的新しい組織です。グループスローガンである「健康にアイデアを」を実現するためには、過去の成功体験に縛られることなく、新規事業を創出していくことが重要。そこでイノベーション事業戦略部では、社内創発プログラム「mBD」と社外創発プログラム「明治アクセラレーター」の2つの創発プログラムを主導しています。

― ユニーリサーチも多くの機会でご利用いただいている、「mBD」について教えてください。

八尋さん: 「mBD」は、明治の若手や中堅社員が主体となってイノベーティブな事業の立ち上げと人材育成を目指す、社内の事業創出プログラムです。我々は事務局としてプログラムの設計や、参加者の選出、そしてプログラム遂行に伴う支援などを行なっています。「mBD」では3〜4人で1チームを組成し、例年3チームほどが研修やワークショップを通して事業アイディアを形にしていきます。

吉田さん: チーム体制としているのは、「mBD」の特徴かもしれませんね。チーム組成も事務局が担当し、営業やマーケティング、研究開発などチーム内で職種のバランスをとって、スキルを補い合えるように組み合わせています。スキル以外にも狙いがあり、事業を形にするにはさまざまな部署のサポートが必要になるので「社内の誰に聞けばよい」「社内のこの人を紹介できる」といった社内ネットワーク活用がしやすくなる点でもメリットがあると思います。

八尋さん: 初年度参加者の起案でスタートした第1号テーマは、2024年春予定のローンチに向けて現在準備中です。今年で3年目のプログラムですが、例年よりも「顧客の存在」を感じさせる事業案が数多く生まれています。今回からユニーリサーチを導入し始めた効果ではないかと、感じています。

インタビューが不十分で、審査プレゼン時にも自信を持ちきれなかった

明治・吉田様1 イノベーション事業戦略部 吉田良さん

― 過去のプログラムにおいて審査通過を阻む、共通の課題はありましたか?

吉田さん: 審査通過のポイントで重要なのは「顧客課題が本当に存在するかどうか」「その課題と解決策がマッチしているか」だと考えています。しかし、過去のプログラムにおいては、その仮説検証のために必要なユーザーインタビューの実施が不足していたと感じています。

私自身も、2021年には起案者として参加したので経験があるのですが...特に初期の段階では、自分たちの事業案が唯一無二の解決策であるかのように、思い込みがちです。しかし、ユーザーインタビューをしてみると「他にも代替があるので、十分」という答えになることも。「お金を払ってでも欲しい」と思ってもらえるくらいの製品であるかを、顧客に繰り返し問う必要があったと思います。

八尋さん: 審査員側も、通常業務なら食のプロフェッショナルとしての肌感覚で「正解」を持ち合わせていますが、新規事業となると確証がありません。提案資料の出来がどんなに良くても、「本当にそうなのか?」「本当に言われたの?」と審査員から指摘があった際に、実際の声を聞けていないと起案者は自信をなくしてトーンダウンしてしまっていました。説得力のあるプレゼンには顧客の声が重要でした。実際にユニーリサーチを導入後は、起案者が自信と確信を持って、顧客を語る場面が増えてきました。

― ユニーリサーチ導入の経緯や決め手を教えてください。

八尋さん: ユニーリサーチは、弊社が事業開発の支援を受けている企業の方から紹介いただきました。そして、その翌日に浜岡さん(株式会社プロダクトフォースの代表)に偶然会えて、サービスをプレゼンいただきました。ぜひ導入したいという温度感になったので、普段の導入手続きをスピードアップして、3回目である2023年度の「mBD」に間に合わせました。

吉田さん: 過去開催時にも「顧客の声を聞くことが重要である」と、事務局から伝えていました。でも「どうやって、インタビュー先を探せばいいのか?」という課題に対して十分な手立てを用意することができませんでした。私が参加者だった際には縁故で探していたため、話を聞くよりも、探すこと自体に時間と労力がかかっていました。

しかしユニーリサーチでは、手間をかけずにターゲットに当てはまる人がすぐに見つかります。スピード感があって、話を聞きやすい。これなら感じていた課題を解決できると思いました。

事務局が“手放し”でもクイックなインタビュー実施が可能に 事業検討も早くなった

― 数か月で約100件のインタビューを実施いただきましたが、ユニーリサーチ導入後の効果を教えてください。

八尋さん: ユニーリサーチでは打ち合わせ後に発注を決定し、掲示板に募集内容を記載したらすぐに応募が集まります。以前は「それぞれで知人を当たりましょう!」からスタートして、本当に会えるかわからない不確実なやりとりを1〜2週間かけて行なって....となっていたものが、早ければ当日のインタビューも可能になりました。驚きに近いくらい、導入して良かったと感じています。

起案者からは「わかりやすい」という声をもらっています。直感的なインターフェースで使い勝手が良いので、事務局もいい意味で“手放し”ですね。実は2期目の起案でPoCを実施中のチームもニーズ検証を行うために、ユニーリサーチを使っています。彼らからは「早く知りたかった」と言われてしまったのですが(笑)。

吉田さん: 事業案の検討スピードも上がったと思います。チーム内だけで煮詰めすぎず、顧客の話を直接聞いて判断の「決め手」をもらうことができるので、ピボットが必要な際に、素早い判断が可能となりました。

八尋さん: 教科書的にも「顧客の声を聞きましょう」とありますが、通常業務でユーザーインタビュー経験のない参加者にとっては、なぜ重要なのかの実感値がなかったと思います。しかし、ユニーリサーチでのインタビューを通して顧客の悩みの解像度があがる。さらに顧客の声を束ねてみれば、アイデアもブラッシュアップされる。そんな効果の実感が、参加者の言葉の端々から聞こえてきます。普段、顧客の生声を聞く機会が少ない部署のメンバーにとっては、特に大きな気づきを得られる体験になっているのではと思います。人材育成の面でもメリットですね。

成功を生み出すためには、“前向きな失敗”を早めに経験することが重要

― 今後の展望について教えてください。

八尋さん: 重要に感じているのは「仲間集め」です。第1号案件を社内報などで周知したことで、新規事業への期待感が社内に生まれていると思います。今後はプログラム参加者を増やすだけでなく、彼らの活動を自分のスキルでサポートしたい、という仲間になってくれる方を増やすことが必要です。事務局として、新たなチャレンジに積極的な企業風土を、広げていきたいと思っています。

吉田さん: 全員が最初から成功できるわけではないので、成功には早めの失敗経験が必要だと考えています。

そこで「答えはお客様の中にある」と考えて話を聞くことができれば、自分たちだけで成功や失敗を決めるよりも、“前向きな失敗”を早めに経験できるのではないでしょうか。前向きに失敗することは既存事業にとっても重要なので、取り組みを社内全体に広げていきたいですね。そして新規事業においては、検討サイクルを早めその成功確度を上げるため、やはりスピード感を持って取り組んで欲しいと思います。

― 顧客の声を聞くことが、起案者の自信につながり、決裁者の説得材料となるというお話はまさに新規事業の核心であると感じました。そんな明治様では今後沢山の事業が誕生することかと思います。引き続きよろしくお願いします!

株式会社 明治
会社名
株式会社 明治
業種
牛乳・乳製品、菓子、食品の製造販売等
社員数
10,501人
2023年3月31日時点
導入事例
CASE