ユニーリサーチ
導入事例

プロダクト開発に伴走するメルカリグループのUXリサーチチーム ユニーリサーチのメリットはオペレーション削減とスピード

プロダクト開発に伴走するメルカリグループのUXリサーチチーム ユニーリサーチのメリットはオペレーション削減とスピード
株式会社メルカリ 草野孔希
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メルカリグループは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」をグループミッションに掲げ、フリマアプリ「メルカリ」、BtoCマーケットプレイス「メルカリShops」、スマホ決済サービス「メルペイ」および空き時間おしごとサービスの「メルカリハロ」などの事業を展開しています。

MAU約2,300万人(2024年6月時点)というCtoC基盤を活用し、多様なユーザー体験を提供し続けるメルカリグループ。同社では以前よりお客様の声を重視する文化が根付いていましたが、2018年11月にはメルペイでリサーチ専任組織であるUXリサーチチームが発足しました。

今回は1人目のUXリサーチャーとして入社し、同社のリサーチ文化を牽引する株式会社メルカリ デザインディビジョン UXリサーチチーム 草野 孔希さんに、ユニーリサーチの導入メリットなどをお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2024年10月18日時点のものとなっています

メルカリグループ横断で伴走する、UXリサーチ専門のチーム

― 御社にはUXリサーチ専門のチームがありますが、発足の背景や現在の体制について教えてください。


草野様1

草野さん: メルカリグループには以前より「お客様の声をちゃんと理解しよう」というカルチャーがありました。UXリサーチチーム発足以前も、PM(プロダクトマネージャー)やデザイナーが中心となってユーザビリティ調査やインタビューなどを行っていたのですが、サービスが急成長する中での兼務は負荷の高いものとなっていました。

そこで、当時としては先駆けの2018年11月にメルペイにUXリサーチの専任組織が立ち上がり、私はその1人目UXリサーチャーとして入社しました。

UXリサーチチームでは、専任のリサーチャーがグループ横断の組織として株式会社メルカリ、株式会社メルペイ、株式会社メルコインなどのプロジェクトをサポートしています。足元のリサーチ実査だけではなく、デザインの議論に参加したりプロダクトやマーケティングチームに伴走して中長期目線で新たなリサーチを提案したりと、活躍の場は幅広いです。

取組み例としては、「ウィークリーリサーチ」を行っています。毎週4人のお客様にお願いし、インタビューなどの実施機会を設け、ルーティンとしています。数年継続していますが、今でも毎週3,4プロジェクトから相談がきています。

不確実な要素が多いサービス開発 プロトタイプを活用したUXリサーチを実施

― UXリサーチの、よくあるケースについて教えてください。

草野さん: たとえばサービスリリース前のデザインに活かすケースが多いですね。サービスリリース後には行動データなどインタビュー以外にも学びを得る場が増えますが、開発前はさまざまな要素が不確実で他のデータも取得しにくいため、インタビューやアンケートなどの手法が有効です。

インタビューをするだけでなくコンセプトやUIのプロトタイプをご覧いただき、お客さまの感想を伺う場合が多いです。時にはリモート操作できる環境を用意し、プロトタイプをお客様自身の端末で触ってもらいながら話を聞くこともありますね。

― リサーチによる具体的な改善事例を教えていただけますか?

草野さん: 一例ですが、規約同意に関するお客様体験の改善に活かしました。

規約同意の際に、複数サービスをパッケージにしてご同意いただくことがあります。その際、規約内の文言と利用開始タイミングで通知する文言が一致しないと、不安に感じたお客様からの問い合わせが増える可能性がありました。

本件では、UXリサーチだけでなくカスタマーサクセスに寄せられた声やデータアナリストの行動データをもとにした知見も組み合わせて検討しました。これにより、リリース前に一連のお客さま体験の一貫性を確認しながら改善案を作成し、ユーザービリティ調査を通してお客様にも実際にご覧いただきながら施策を進めていきました。結果的に、お客さまの体験としても申込率についても、両方に対して良い結果を得られた事例でした。

既存ユーザー向けの調査にも活用 オペレーションやスピード感にメリット

― ユニーリサーチをご導入いただき、メリットに感じていることについて教えてください。

草野さん: オペレーションの工数削減やスピードアップには大きなメリットを感じています。

ユニーリサーチは、オペレーションが標準化されていて、リサーチの専門家でなくても簡単に使いこなすことができます。また、午前中に募集開始したら夕方には候補者が集まるので、翌日から日程調整して話を聞き始められます。

弊社のサービスをお使いのお客さまに直接インタビューをお願いする場合には、アンケートを設計して自社で配信・回収しなければなりません。全体で1週間程度かかることもあります。ユニーリサーチに比べるとどうしてもリードタイムは長くとらなければならないのです。

また、ユニーリサーチではインタビュー協力を前提に登録している方を対象に調査ができるので、応募者の方のモチベーションが高く返信スピードも早い。スケジュールが非常に組みやすいのも利点です。

ユニーリサーチは、メルカリをお使いのお客様にも、そうでないお客様向けのリサーチにも活用しています。リクルーティングには、さまざまな選択肢の中から課題に応じた最適な手段を都度採用していますが、特にスピード感を持ってクイックに進めたい時には非常にありがたいサービスだと思っています。

秘密保持の事前同意や便利な日程調整機能 使い勝手の良さが継続のポイント

― ありがとうございます。ユニーリサーチの気に入っているポイントがあれば、教えてください。


草野様2

草野さん: まずオペレーションの観点で、基本的な秘密保持の同意を事前に得られていることは、とてもありがたいです(※)。秘匿性が高いものを除けば、追加の同意取得や管理の煩わしさがなくて助かります。インタビュー調査の手前で、しっかり担保してくれているのは、当社のように大量のリサーチを行う会社にとっては手間を減らしてスピードアップができる嬉しいポイントではないでしょうか。

機能面では1日に組めるインタビューの件数や、インタビュー前後のバッファの時間を設定できるのが、地味に便利です。こうした細かい部分まで満足度が高いのは、また使いたいと思う要因ですね。

※ユニーリサーチでは調査における守秘義務について、利用規約や応募の都度の同意取得など対策を徹底。

リサーチは意思決定そのものではなく、議論を尽くすための材料を提供する

― 草野さんが、リサーチにおいて大事にしていることはありますか?

草野さん: 仮説を生み出すためのリサーチを別にすれば、仮説の明確化がとても大事なことだと思います。レポーティングにおいても、仮説と結果が対になるように報告することを心がけています。仮説が曖昧だと報告や調査目的も曖昧になってしまうので、きちんと言語化していくことが大切ですね。

もちろん、仮説の外側にも面白い発見はあるので、バイアスにとらわれないように、想定外の発見をいかに取りこぼさず抽出するかは、別の観点で大事だと思います。

― 1プロジェクトあたり、何回くらいのインタビューを行うのでしょうか?

草野さん: 回数や人数に決まりはありません。

私自身は「リサーチだけで意思決定をするものではない」と考えています。最終的な意思決定は、あらゆる情報を統合して、さらに自分たちの情熱も含めて行うもの。「リサーチは考えぬき議論を尽くすための材料を提供するものだ」というイメージです。

議論を尽くすために必要な回数は、目的や調査の内容によって異なります。回数の基準を設けてしまうと、そこを見誤る可能性があると考えています。

― 最後に、今後の展望について教えてください。

草野さん: リサーチの実査だけでなく、状況理解から設計、そして報告までといったリサーチサイクル全体を早めることは今後の挑戦ですね。質を向上しながら事業やプロダクト開発のスピードに決して乗り遅れないようにしていきたいです。

また、良いマインドセットやプロセスなどを浸透させて、属人性を引き下げることも必要だと感じています。それができれば、日々のユーザビリティ改善から大きな意思決定に向けての探索に至るまで、よりMOVE FASTにできるはずなので、仕組み化に向けての施策に取組んでいきたいと思います。

― 国内でも先駆けてリサーチ体制の強化に取り組まれているメルカリさんだからこそのお話を沢山お聞きすることができました、ありがとうございます!貴社のリサーチの更なる仕組化をユニーリサーチとしてもご支援できるように、サービス改善を続けていきたいと思います。

株式会社メルカリ
会社名
株式会社メルカリ
業種
情報・通信業
社員数
2,080名
2024年6月時点
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