国内最大級のユーザーインタビュープラットフォーム uniiリサーチ(ユニーリサーチ)
導入事例

インタビューで得られた“ひらめき”と自信 ユニーリサーチが新規事業成功に欠かせない行動量アップに貢献

インタビューで得られた“ひらめき”と自信 ユニーリサーチが新規事業成功に欠かせない行動量アップに貢献
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 丸山美生/山本浩太
xfacebookline

三菱UFJフィナンシャル・グループは、銀行、信託、証券などあらゆる金融ニーズに応える日本最大手の金融グループのひとつです。

邦銀初のスタートアップアクセラレータ・プログラムを設立するなど、他社に先駆けスタートアップ支援やオープンイノベーション創出に力を入れてきた同社ですが、2022年にはグループ横断でのボトムアップ型新規事業創出プログラム「Spark X」を立ち上げました。「Spark X」は、パーパスである「世界が進むチカラになる。」を実現するため、顧客課題・社会課題を起点としたビジネスアイデアをグループ社員から募集し、事業化への挑戦を後押しするプログラムです。

第1回開催では650件を超える起案があり、グループ全体を揺り動かす大きなムーブメントとして結実している「Spark X」において、ユニーリサーチも主に事業アイディアの磨き上げのために活用されています。今回はデジタルサービス企画部 DX室 山本浩太さんと丸山美生さんにユニーリサーチ導入の目的や活用状況などをお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2023年8月15日時点のものとなっています

「世界が進むチカラになる。」を掲げる日本最大手の金融グループ

デジタルサービス企画部 DX室 丸山さん デジタルサービス企画部 DX室 丸山さん

― まずは御社事業とお二人のミッションについて教えてください。

丸山さん: 三菱UFJフィナンシャル・グループは、銀行、証券、信託などあらゆる金融の機能を備えることで、総合的な金融ニーズにお応えしている金融グループです。同時に邦銀としては初のアクセラレータプログラム「MUFG Digitalアクセラレータ」を実施するなど、既存事業だけでなく新たなビジネス機会の創造に力を入れています。

私たちが所属するデジタルサービス企画部 DX室では、新規事業創出や先進的な技術を持つベンチャー企業との協業に向けた取り組み、そして社内に向けた「挑戦する文化」の伝播をミッションとしています。ユニーリサーチを活用中の新規事業創出プログラム「Spark X」もその取り組みの一つです。

650件超の起案を集めたボトムアップ型新規事業創出プログラム「Spark X」

― ありがとうございます。「Spark X」について具体的に教えてください。

丸山さん: 「Spark X」は、グループ社員が普段お客さまとの接点や生活の中で感じる「社会の“不”(=不便、不満、不利など)」を起点に、新規事業を創出するボトムアップ型のプログラムです。「予測不能な未来(X)に向けて、果敢に挑戦し、新しい時代をリードする火付け役(Spark)となる」という思いを込めて、名付けました。

昨年の第1回開催では、募集開始前から新規事業開発をより身近に感じてもらうためのワークショップや勉強会を開催し、グループ横断で延べ4,000名の社員が参加。結果650件超の応募が集まりました。一次審査で20件にまで絞り、二次審査での執行役員向けのピッチを経てファイナリスト6件を選出。最終審査で採択されたのは3件でした。彼らは今年4月にDX室に異動・出向しており、今後3年程度での事業化を目指し活動しています。

顧客と向き合う部分は起案者が裁量をもって自走していますが、新規事業開発をスムーズに進めるための社内の仕組みづくりや、予算枠の確保、それと何か困りごとがあった際の解決サポートを事務局が行なっています。

― 650人はすごい数ですね。「Spark X」設立にはどういった背景があったのでしょうか?

山本さん: ありがとうございます。想定の3倍以上の応募数だったので、事務局にとっても驚きでした。

以前よりオープンイノベーションに力を入れてきましたが、スタートアップの皆様との協業シーンにおいて、“観点のズレ”を感じることがありました。ゼロイチを作る経験を持った人材を社内で育成しなければ、という課題意識が生まれる中、実践に勝るものはないということで「Spark X」が発足しました。

また、当社では中期経営計画で「企業変革」を戦略の3本柱の一つに掲げており、カルチャー改革が社内で進んでいます。2021年に施行された改正銀行法で金融機関が取り組めるビジネス範囲が拡大したことも契機となり、「チャレンジ」という言葉を社内でよく聞くようになりました。「チャレンジしていないことが恥ずかしい」と思われるくらい、身近なところから空気感が醸成されてきた中での「Spark X」開催でした。

現業を抱える起案者の負担なくインタビューを実施可能に 事業アイディアの磨き上げに貢献

デジタルサービス企画部 DX室 山本さん デジタルサービス企画部 DX室 山本さん

― ユニーリサーチ導入のきっかけや、魅力に思われた点を教えてください。

山本さん: ユニーリサーチは、外部の新規事業開発アドバイザーの推薦で知りました。

自らの経験において、特に新たなビジネス推進の場では市場規模や成長予測などデスクトップリサーチが中心で、肝心の顧客の声を十分に聞けていないことを課題と感じていました。そこで「Spark X」では、ユーザーインタビューを強化したいと考えていたのですが、現業もある起案者が独力でインタビュー対象者を見つけるのは難易度が高い。そこでアドバイザーに相談したところ、ユニーリサーチの名前があがりました。

効率的に対象者に出会えるので、ニーズにぴったりでした。また事務局目線でも請求書で支払いをまとめられる機能は、手間がかからず大変助かっています。

― ありがとうございます。実際、ユニーリサーチはどのようにご活用いただいているのでしょうか?

丸山さん: 一次審査を通過した20チームには予算が与えられます。予算枠内での使い方は自由ですが、多くのチームがユニーリサーチを活用してお客様の声を聞いています。毎日のように使っているチームもあるようです。

一次審査での狭き門を通過したチームですのでベースの事業案は固まっている場合が多く、ユニーリサーチは事業案の検証や方向性を確かなものとするために使うケースが主流ですね。生の声を聞くことは、お客様理解の解像度を高め、課題解決に繋がるソリューションのブラッシュアップに貢献しています。

インタビューの経験から“ひらめき”と自信が得られ、積極的な行動をとれるようになった

― 実際にご利用いただいた起案者の方からは、どんな声がありましたか?

山本さん: 昨年の参加者にプログラム全般に関する感想を聞いたところ、「ユニーリサーチ、神」と答えた人がいましたね。

採択に至ったその方によれば、何度かインタビューを重ねるうちに共通して聞かれるキーワードを発見でき、その瞬間にひらめきが生まれたということです。「今まで頭の中をぐるぐるしていたアイディアがまとまり、前進することができた」と話していました。

その方は今年の参加者にも、ヒアリングの重要性を説き「まずは聞いてみて」と推薦されているので、本当によい機会だったのだと思います。

丸山さん: 他の方からは「見つかると思っていなかった対象者が見つかった」という声もありました。厳しい対象者条件を設定していたため半信半疑だったようですが、インタビュー実施に繋がったとのこと。幅広い方にインタビューできることは起案者にとっても魅力的だと思います。

山本さん: インタビューには、たくさんのstepがありますよね。まだ自信がない段階で、最初から最後まで起案者自身がやり切るのは、なかなか難しいと思います。しかし、「まずはユニーリサーチを使ってみてください」と事務局からおすすめすることで一気にインタビューまで進みます。

起案者もインタビューを通して自信がついて、より積極的な行動をとれるなど、気持ちの面でも第一歩を踏み出す場になっているのだと思います。

また「インタビュー対象者の方が心地よく聞いてくださっているので、話が弾む」と楽しそうに話していた人もいました。インタビューの場で直接お客様の課題を聞くことで、その期待に応えたいというモチベーションが高まり、行動力に繋がっているようでした。

最終審査で採択された案には、やはり行動量に裏打ちされた説得力があります。約6ヶ月間のプログラムにおける伸び幅には、いかに積極的になれるかの差が反映されると思いますので、モチベーション貢献という点もユニーリサーチのメリットの一つだと考えています。

挑戦する人をリーダーに 新事業が次々に立ち上がるチャレンジングな組織へ

― ありがとうございます。最後に、今後の展望について教えてください。

丸山さん: 「Spark X」は新しいことに挑戦する、自発的に行動する人材を育てることが大きな目的です。事業化案件が増えることで「挑戦することが評価される」というメッセージをグループ全体に伝えることができれば、感化されて自分も挑戦したいという人が増え、組織全体がよりチャレンジングになれると思います。一歩一歩だとは思うので、草の根活動的にやっていければと思います。

山本さん: 銀行員といえば、保守的で慎重なイメージをお持ちではないでしょうか?金融独特の規制もあり、どうしても守りのマインドに傾きがちということは実際にあったと思います。

しかし、カルチャー改革を推し進めるためにも、新しいことをよりチャレンジングに形にできる人がリーダーになれる、という道筋を発信するべきだと考えています。

新しい事業が次々に生まれて、失敗する可能性はあるけれど、それでも生まれ続ける。そうした組織に必要なリーダー育成やロールモデル作りを仕掛けることは、「世界が進むチカラになる。」というパーパスを体現するためにも必要だと思いますので、これからも積極的に、施策を提案していきたいですね。

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
会社名
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
業種
金融業
社員数
約127,120名
2023年3月末時点、海外を含む連結会社全体の従業員数
導入事例
CASE