国内最大級のユーザーインタビュープラットフォーム uniiリサーチ(ユニーリサーチ)
導入事例

大規模リサーチプロジェクトを契機に根付いたユーザーリサーチ文化 継続を阻むオペレーション、集客、バイアスの課題を解消

大規模リサーチプロジェクトを契機に根付いたユーザーリサーチ文化 継続を阻むオペレーション、集客、バイアスの課題を解消
株式会社マイベスト 村本馨/横田泰広

マイベストは「インターネットで、最高の選択体験を実現する」をミッションに掲げ、商品比較サービス「mybest」を開発・運営しています。「mybest」は、創業7年で月間ユニークユーザー3,000万人以上が使うサービスとなり、現在は日本以外にも8つの国と地域で展開中。徹底した自社検証と専門家の声による公平な選択基準に基づいた独自のレーティング評価を設計・開発し、一人ひとりのベストな”選択”をサポートしています。

2023年7月に「mybest」のリブランディングを実施した同社ですが、リブランディングに先駆けて行われたのが、「mybest」の根本である「選択」とは何なのかを探索するデザインリサーチプロジェクト「UX Discovery」です。ユニーリサーチを活用し、30人以上の様々なライフスタイルを持つ人々に対してインタビューを実行。その後も、ユーザーリサーチの文化は同社に根付いています。

今回は、同社デザイン部 横田泰広さん、プロダクト部 村本馨さんに「UX Discovery」および現在どのようにユニーリサーチを活用しているのかを具体的にお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2023年9月8日時点のものとなっています

「最高の選択体験」の実現を目指す、“選択”領域に特化した情報サービス「mybest」

デザイン部・横田様1 デザイン部 横田泰広さん

― 御社事業について教えてください。

横田さん: マイベストは、生活のあらゆるシーンにおける「選択」にフォーカスしたBtoCのスタートアップです。「インターネットで、“最高の選択体験”を実現する」というミッションを掲げ、商品比較サービス「mybest」を運営しています。あらゆる商品を取り寄せ、徹底的な自社検証と専門家の声をもとに公平な選択基準を示すことをモットーとし、ユーザーにとって一番よい選択とはなにかを追求した評価方法の設計と開発、検証を行うことでユーザーに「最高の選択体験」を提供しよう、というアプローチをとっています。

「mybest」ではコスメ、雑貨、生活家電から金融サービスまで幅広い領域を扱っており、また創業翌年より海外へもサービスを拡大。現在はアメリカ、インドネシア、台湾など8の国と地域で展開中です。2023年にはiOSアプリの提供も開始しました。

デザインリサーチプロジェクト「UX Discovery」、約200のエピソードから「選択体験」を類型化

― 御社ではユニーリサーチを通して数多くのインタビューを実施されています。これまで、どのような目的で実施されてきたのでしょうか?

横田さん: 「mybest」は2023年7月にリブランディングを行いました。このリブランディングに向けて実施したデザインリサーチプロジェクト「UX Discovery」では、前年12月頃より企画を開始し、「mybest」の利用状況に関わらず30人以上の方に対してインタビューを実行しました。

「UX Discovery」の目的は、「mybest」の根本である選択の体験のあり方を探索することにありました。「選択」は、非常に複雑かつ多様で、ユーザー像は幅広く、さらに同じ方であってもコスメを探す時と家電を探す時では別の体験と言えます。

一方で、私たちがサービス開発を行う中で、想像するユーザー像がバラバラだと議論がなかなか収束しないという課題がありました。そこで、「選択」のコンテキストを類型化できれば、それぞれの体験に名前をつけ、指差し確認しながら議論できるのではないか、と考えました。

バリューの1つを「ストイックにやろう」としてるのですが、やるなら徹底的にやるのがマイベスト流です。30人以上の方に1時間のインタビューを実施。約200のエピソードを収集し、そこから2段階の抽象化を経て13の選択ニーズ類型を構築していきました。全社共有したレポートは100ページ近いボリュームとなりましたが、印象的なコメントやユーザーストーリーなども掲載し、読みやすい設計となるよう工夫しました。また、インタビューを通して衝撃的なインサイトの発見があり、新たな体験ベースで議論するための共通言語をつくることができました。


ドキュメント 作成したドキュメントの一部。選択ニーズを類型化し、インタビューで得たエピソードが記載されている。

無事プロジェクトが完了したので、「UX Discovery」チームは解散しましたが、ユーザーインタビューは業務プロセスの一環として社内に浸透しました。私にとっては、ユーザーインタビューを組織に根付かせることが裏テーマだったので、うまくいったなと思っています。

現在は、プロダクト開発やデザインなど各チームごと、仮説に基づいた検証として実施していることが多いですね。

― ユーザーインタビュー文化の浸透を目指されている会社様は、多くなってきたと感じます。しかし、なかなか進捗しないこともあるようです。御社ではなぜ上手くいったのだと思いますか?

横田さん: 「ユーザーファースト」がマイベストの企業理念として共有されていることは大きく、「ユーザーを知る」ことに対する全社的な関心の高さは土台にあると思います。

その上での工夫としては、プロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアなど各部門から特に熱量の高いメンバーを集めて「UX Discovery」のチームを作りました。ひとつの部門ではなく全社横断的に、かつ約1ヶ月で30セッションの実施という短期集中型で実施したので、メンバーが大変さに慣れたというのは、要因の一つだと思います。またインタビュー実施を通して、実際に「mybest」ユーザーがいることを肌で実感できたり、意外な事実が発見されたりと、さまざまなインスピレーションを得られたことは、プロジェクト完了後にも各部門で継続できた大きな要因かなと考えています。

「インタビューを通じたUXの探求は、プロダクトに大きなインパクトもたらす」という代表の考えも後押しになったと思います。

SNS経由のインタビューは、「オペレーション」「集客」「バイアス」に課題があった

デザイン部・横田様2

― ユニーリサーチの導入背景を教えてください。

「UX Discovery」を具体的にどうインタビューを実施しようかと考えていた際に、社内のメンバーから紹介されたツールが、ユニーリサーチです。

実は以前、「mybest」のSNSを活用してリクルーティングを実施していたのですが、主に3つの点で非常に大変でした。

1点目はオペレーションです。募集し、日程調整を行い、実施して謝礼をお送りする、という個人情報の扱いも含めセンシティブな対応を手作業で行う必要があり、実施規模の割に負荷が非常に高かった。さまざまなツールを使うなどの工夫はしましたが、業務負荷を考えると、継続は困難だなと思いました。

2点目は集客。正直なかなか集まりが悪かったです。SNS運営を担当するチームと、いつどのような投稿を行うか協議して、「人数が集まらなかったので次回は...」という都度の調整が大変で負担になっていました。

最後にバイアスの問題です。「mybest」のアカウントをフォローしている方にお願いしている以上、当たり前ではあるのですが、インタビュー序盤で「SNSに慣れ親しんだり、発信に積極的な人が多い」という偏りを感じました。「選択」は誰の生活の中にもあるので、普段SNSを全くやらない方の話も聞くべきだと思いました。

最終的にすがったのが、ユニーリサーチというわけです。今は当社で実施するインタビューは、ほぼ100%がユニーリサーチ経由。件数でいえば月10人ほどの方に聞いています。

社内に浸透したユーザーインタビュー文化を支えるタスクフォースチーム

プロダクト部・村本様1 プロダクト部 村本馨さん

― 現在は、どのような場面でユニーリサーチを活用していますか?

村本さん: 各チームが、それぞれの仮説に基づいたユーザーインタビューを行っています。

「UX Discovery」は男女比などのデモグラも可能な限りばらけさせ、日本の縮図となるような形でインタビューを実施していましたが、現在はより、個別具体的なシーンにおける、意思決定の精度を上げるための検証がメインです。

たとえば私が担当しているプロジェクトでは「SNSで物を購入する人はどういう属性で、どのようなインサイトをお持ちなのか?」というSNSの購買行動をテーマに、インタビューを実施しました。商品に魅力を感じ、安心して購入いただくには、何が必要条件で、どんな不安を払拭するべきかなどを明らかにして、サービスのUIUXに落とし込んでいくアプローチです。

なお、テーマの持ち寄りは各チームが行いますが、インタビュー実施をする際にはタスクフォースチームのサポートがあります。テーマに対してアドバイスを行ったり、インタビュースクリプトのフィードバックを行ったりと、壁打ち相手の様な役目を果たしてくれるので助かっています。

横田さん: 今の体制は、ほぼ思い描いていたようになっています。UXリサーチャーが専任になってしまうと、構造的にインタビューを任せきりにしてしまいがちです。課題を探して解決するためには、所属部署に関係なくリサーチに参加するのが、あるべき姿だろうと考えていました。

オペレーション工数が大きく削減、募集条件の自由度の高さとスピード感も魅力

プロダクト部・村本様2

― ユニーリサーチをご活用いただいた感想はいかがでしょうか?

横田さん: 圧倒的に、早く多く集まってくれるのは素晴らしいです。集客で悩むことはなくなりました。日程調整や支払いのオペレーションについても、ほぼボタンを押すだけ。一文字も打たずに終わることさえあって、非常に使い勝手がいいです。

村本さん: インタビューの場面でもスムーズでした。当社メンバーは全員がインタビューへの知見が豊富というわけではなく、初めてのメンバーもいました。また取り組むテーマの抽象度が高い場合が多いので、やや難易度が高いのではないかと当初は不安でした。しかし、ユニーリサーチでお話した方はインタビューに慣れている方が多いのか、毎回意義のあるディスカッションをすることができました。こちらの意図がうまく伝わっていない時には「わからない」とちゃんとおっしゃっていただけることも助かります。

また、先日実施したインタビューは「とある雑誌を読んだことのある人」というピンポイントな条件での募集でしたが、ばっちり目的に沿った方が集まりました。しかも、木曜か金曜に対象者を決定し、次の月曜日には実施というスピード感で完了できました。

横田さん: マーケティングリサーチ会社にお願いすると、そういったクイックさは難しいなと思うので助かりますよね。

― ありがとうございます。機能面で気に入っている点があれば、教えてください。

村本さん: ユニーリサーチ内で、ダイレクトメッセージ機能を使ってコミュニケーションをとれることがありがたいですね。先日は、インタビュー直前にリスケのご要望があり、対応の必要がありました。他のサービスですと、間に担当者が入るなどでコミュニケーションに時間がかかる場合があると思うのですが、ユニーリサーチでスムーズに調整できてよかったです。

リサーチの継続を阻むハードルが解消 担当者も本質的な仕事に時間を使えるようになった

― ユニーリサーチ導入後の変化として感じることはありますか?

横田さん: オペレーションにかかる工数削減や質の高いインタビュー実施が可能になったことで、リサーチの継続実施に向けてハードルとなる要素がなくなりました。

私たちはスタートアップ企業であり、常に不確実性にさらされています。もしリサーチにあたってブロッカーのようなものが存在すれば、ユーザー理解が必要であることは分かっていても、「すぐに明確に役立つことに時間を使うべきだ」と後回しにされがちなので、そうならないのは大きな貢献です。

また、担当者がリクルーティング業務に追われてしまうこともしばしばですが、ユニーリサーチによって本質的なことに時間を割けるようになった点も嬉しいです。

― 今後、ユニーリサーチをどのように使っていきたいですか?

横田さん: まだご提供メニューにはないと思いますが、今後は“mybestをよく使っていただくユーザーのコミュニティ”の構築や、アンバサダーとして一緒にサービスを広めていただくなど、インタビューの枠を超えた関係づくりができないかなと考えています。プロダクト成長や、リサーチ活動へのさらなる意味付けも実現できると思います。

「mybest」をメディアからサービスへ、そして“選択のインフラ”へとサービスを成長させたいと考える中、ユニーリサーチと、またユニーリサーチで出会った方々のお力を借りていきたいと考えています。

― この度は素敵なお話をありがとうございます!ユーザーの「選択」に向き合い、本当に価値あるサービスを提供されようとしていることがとてもよく分かりました!「ユーザーファースト」の実現に向けて引き続きご支援出来ればと思いますので、よろしくお願いいたします。

株式会社マイベスト
会社名
株式会社マイベスト
業種
IT・インターネット
社員数
207人
2023年4月1日時点
導入事例
CASE