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導入事例

2週間のプロトタイピングをユニーリサーチで実施!濃いフィードバックでプロダクト開発のキーとなるインサイトを発見

2週間のプロトタイピングをユニーリサーチで実施!濃いフィードバックでプロダクト開発のキーとなるインサイトを発見
S&D PROTOTYPING株式会社 三冨敬太
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S&D PROTOTYPING株式会社は、2021年設立のプロトタイピングを専門とする企業です。「すべての人がつくることを通して、未来をプロトタイピングしていける社会。」の実現を目指し、主にデザインとエンジニアリングの領域でのプロトタイピングを支援しています。

代表取締役の三冨敬太さんは、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の後期博士課程/研究員であり、プロトタイピングに関する著書『失敗から学ぶ技術 新規事業開発を成功に導くプロトタイピングの教科書』も発表されています。最新の学術研究と実践知の両軸でプロトタイピングに強みを持つ同社ですが、今回はクライアント企業におけるエイジングケアデバイスの開発支援のために「ユニーリサーチ モニター」をご活用いただきました。

三冨さんに、具体的な活用方法や導入メリットなどをお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2024年10月1日時点のものとなっています

学術研究と実践知の両軸に強み プロトタイピング専門企業 S&D PROTOTYPING

― 御社事業について教えてください。

三冨さん: S&D PROTOTYPINGは、プロトタイピングを専門とする少し珍しい企業です。

現在は主に大企業様を対象として3つの事業を展開しています。

一つ目が、お客様の新規事業に伴走し、一緒にプロトタイピングを実践していくゼロイチフェーズのご支援。2つ目に、お客様がプロトタイピングのスキルやマインドセットを身につけるお手伝いをする、研修プログラムのご提供。そして最後が、研修の発展でもありますが、お客様社内でプロトタイピングをカルチャーとして浸透・定着させるためのご支援です。

ユニーリサーチを活用するのは主に上記における、お客様への持続化伴走事業ですね。

「ユニーリサーチ モニター」の導入で「体験するプロトタイピング」のコストは半分以下に

― 「ユニーリサーチ モニター」をご導入いただいた背景について教えてください。


三冨様1

三冨さん: ハード製品・デジタル製品いずれにおいても、実際に「ユーザーにサービスを体験してもらう」ということには、ハードルがあります。

ユニーリサーチ以外のサービスではインタビューのアレンジのみに留まり、たとえばインタビュー前後の1週間でプロトタイプを使ってもらう、というのは困難でした。調査会社に依頼する場合は、スクリーニング込みで依頼することになるのですが、そうすると1調査、少なくとも30〜40万円、大規模なものでは百万以上かかってしまい、調査票のチェックにも時間をとられます。

「ユニーリサーチ モニター」は、ミニマム10万円と対象者への謝礼をお支払いするだけなので、費用は半分かそれ以下で実現でき、オペレーションも非常に楽です。

エイジングケアのデバイスをモニターの自宅に配送 2週間の体験とインタビューで検証

― 具体的にはどのように、「ユニーリサーチ モニター」をご活用いただいたのでしょうか?

三冨さん: 40〜50代の働く男性のためのエイジングケアサービスを2週間体験していただき、そのフィードバックをお伺いしました。

具体的には、ご自宅の洗面台近くに設置できるデバイスをプロトタイプとして作成し、モニターに配送しました。このデバイスを通じて自身のエイジングについてのデータを取得します。

最初の1週間ではこのデバイスを使ってもらい、使い心地など体験自体をどう感じられたかの検証を実施。残りの1週間ではデバイスの代替としてご自身のスマートフォンを使用してもらい、ご提供データからエイジング状態をお伝えするレポートをご覧いただきました。※

※今回の検証デバイスはプロタイピングのため、実際には特定の機能を含まない仕様としました。レポートはスマートフォンから取得したデータのみで作成しました。

そして2週間の体験後はすぐに、オンラインインタビューで感想をお伺いしました。

設置などのプロセスもやや面倒ですし、自分の情報を送ることに抵抗のある方も多いはず...と、正直十分な数が集まらないのではと思っていました。でも公開当日から集まり始め、結果的には30〜40人のご応募があって、その中から3〜4人の方に依頼できました。

プロトタイプのデバイス作成から、募集、体験、インタビューまで1ヶ月くらいで全て終えることができました。スピード感を持って進めることができて、ありがたいです。

― スピードをお褒めいただき嬉しく思います。リサーチを早く進めると、どんなメリットがあるのでしょうか?

三冨さん: スピード感は、本当にクリティカルな問題だと思います。

私は、「早く」「安く」「何度でも」「並行して」というプロトタイピングの原則を大事にしています。

これができると、「失敗から得た学びを活かしてプロダクトを改善する」というサイクルを早めることができ、成功確度の向上に繋がります。逆に、失敗のサイクルが遅ければコストに直結してしまうので、やはり失敗はできるだけ短い時間と少ないコストで、かつ細やかに重ねることが重要だと思います。

― 失敗はプロトタイピングにおいては成功への重要な過程ということですね!

「体験」からしか得られない濃いフィードバック 再検討すべき仮説を発見

― リサーチを行い、どんな発見を得られましたか?


三冨様2

三冨さん: 仮説と異なっていた部分と、仮説通りの部分を発見できました。

当初の仮説では、「毎日デバイスを用いるのは面倒なので、洗面台に置いたデバイスが自動で動作してくれることに大きな価値がある」と考えていました。

しかし、実際に体験していただいたところ...想定以上にご家族からの不評が大きかったのです。

本人以外のご家族が洗面台を利用する時にも動作してしまうため、「勝手に動作するのは困る」というご意見がありました。そうした可能性も事前に考慮はしていたのですが、重要度の高いポイントではないと思っていました。しかし、インタビューで複数人からご意見を伺って「自動的に動作する価値」を再検討することになりました。

一方で、毎日のエイジングを測定するレポーティングサービスにおいては、「今まで数値化されていないことが課題」と考えていましたが、その点は仮説通りでした。体験をもって、価値を感じていただけたようでした。

たとえば「3週間前の水曜日のレポートを見たけれど、前日飲みに行っていた。肌を気にしていたけれど数字に出てしまった。今後飲み会には気をつけないと..」といったお声がありました。

これは、チラシやプレゼンテーションだけでは、得られないフィードバックです。体験後では発言の厚みが全然違いますね。

フィードバックの内容は、こちらから提供できる体験量によって大きく異なります。完成品に近い体験をしていただき、精度の高いフィードバックを得られる点でも、「ユニーリサーチ モニター」はいいなと思います。

― クライアント様はどんな反応でしたか?

三冨さん: 今回のような体験型のリサーチには慣れていなかったので、当初は不安もあったようです。

しかし、取り組んでみると問題なく実施でき、特に再検討ポイントと継続ポイントが両方クリアになったことは「参考になった」とポジティブなご評価をいただいています。

また、ユニーリサーチではお客様に専用アカウントを提供し、募集案もご自身が作成されています。お客様による「ユニーリサーチの操作を学びたい」という要望に基づき、私はサポート役として関わっています。

主体的にプロタイピングを進めていくことで、顧客調査の重要性をより深く実感されるなど、マインドセットにも変化が生じていると感じています。

体験による検証が可能なユニーリサーチは「インタビューツールではなく、リサーチツール」

― ユニーリサーチで気に入っているポイントがあれば、教えてください。

三冨さん: たくさんあるので難しいですね...!

しかし、最大のポイントは「インタビューツールではなく、リサーチツールである」ということだと思います。

たとえばモニターへのデバイス配送など、細かなオペレーション一つひとつが使いやすい設計になっています。代行機能もありますしね。ワンショットのインタビューはもちろん、プロトタイピングによる仮説検証も含めた、リサーチをしやすいプラットフォームになっているのが、すごく嬉しいです。

また、個人的にはユニーリサーチのサービスの運営方法や改善プロセスもいいなと思っています。以前、意見させてもらった内容をすぐに反映する努力をいただいたり、アップデートも頻繁だったりと、プロダクトが育っているのが目に見えて明らかなのが素敵ですね。サービスの進化を感じることができています。

― ありがとうございます!最後に、今後の展望について教えてください。

三冨さん: プロトタイピングにおいて、チラシを用意したインタビューが最も手っ取り早い手法であるのは事実です。しかし、検証方法としては荒いので、フィードバックの確らしさはどうしても低くなってしまいます。

完成品に近い方法で体験してもらえば、プロダクトの価値が伝わりやすく正確に検証できるので、本来はこちらを行うべきだと思っています。でもこれまでは、コストと工数がかかりすぎて、実現が難しい状況でした。ユニーリサーチなら解決できると思うので、当社としては、今後も上手に活用していきたいです。

プロトタイピングを必要とする他社様にも 「ユニーリサーチ モニター」をおすすめできるので、体験による価値検証の良さを感じていただけたらなと思います。

― プロトタイピングのとても具体的なプロセスを伺うことが出来て、検証をどうやってしていけばよいかの解像度がぐっと上がりました。素敵なお話をありがとうございます!

S&D PROTOTYPING株式会社
会社名
S&D PROTOTYPING株式会社
業種
コンサルティング・デザイン・開発
社員数
8名(業務委託含む)
2024年10月23日時点
導入事例
CASE