国内最大級のユーザーインタビュープラットフォーム uniiリサーチ(ユニーリサーチ)
導入事例

新規事業開発で欠かせないのは“顧客理解”!高難度のヘルスケア課題もスピーディに直接インタビューを実施

新規事業開発で欠かせないのは“顧客理解”!高難度のヘルスケア課題もスピーディに直接インタビューを実施
塩野義製薬株式会社 福原一磨/西口裕貴
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塩野義製薬は、1878年に誕生した薬種問屋「塩野義三郎商店」をルーツとし、140年以上にわたり医療用医薬品を中心に提供している製薬会社です。創業以来、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針を貫いてきた同社ですが、時代の移り変わりに合わせ“薬”の解釈は、“ヘルスケアソリューション”へと広がりました。現在はグループ企業一丸での「SHIONOGI」として「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことを2030年に成し遂げたいビジョンに掲げ、「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「HaaS※1企業」への変革に向け、さまざまなチャレンジに取り組んでいます。

2022年に創設された新規事業推進部も、そうしたSHIONOGIのチャレンジを牽引する新たな部門です。今回は、新規事業開発に欠かせない顧客理解を支えるツールとしてユニーリサーチをご評価いただいている同部 イノベーション&インキュベーショングループ 西口裕貴さんと、ビジネス創出グループ 福原一磨さんに活用メリットなどをお伺いしました。

※1 HaaS・・・Healthcare as a Service
※本記事の内容は取材日2023年8月21日時点のものとなっています

「創薬型製薬企業」から「HaaS企業」への進化を目指す、1878年創業の製薬会社

イノベーション&インキュベーショングループ 西口裕貴さん イノベーション&インキュベーショングループ 西口裕貴さん

― まずは御社事業とお二人が所属する新規事業推進部の役割について教えてください。

西口さん: 当社は、2023年で創業145年を迎えた製薬会社です。「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針のもと医療用医薬品の提供を行い、直近では新型コロナウイルス感染症治療薬などの開発にも取り組んできました。

さらに現在では製薬産業をとりまくニーズの変化を捉え、医療用医薬品の提供だけでなくヘルスケアサービスを提供することで、患者さまや社会の抱える困り事をより包括的に解決する「HaaS企業」への進化を掲げています。下水疫学サービスや教育支援サービスの開始などもその一環ですね。

私たちが所属する新規事業推進部は、2022年7月に創設された組織で、「健やかで豊かな人生」に貢献するヘルスケアサービスの開発、推進を主な目的としています。私たち自身が新規事業の創出を推進すると同時に、社内ビジネスコンテストの事務局も担っています。ビジネスコンテストは外部アドバイザーの力も借りながら、新規事業開発のプロセスを丁寧に理解できる良い機会になっていると思います。

事業の成功確度を高めるため、ニーズの妥当性のチェックにユニーリサーチを活用

― ありがとうございます。新規事業開発に関わる中で、成功に繋がる重要ポイントをどうお考えでしょうか?

西口さん: いずれも欠かせないポイントですが、「アンメットニーズ(顧客にとってまだ満たされていないニーズ)の妥当性」「アイディア着眼点の新規性」「解決法の有用性」「アイディアの実現可能性」「事業の競合優位性」の5つが重要なポイントだと考えています。

製薬企業なので、検証結果やサイエンスに基づいて一歩一歩進んでいくことは基本です。また、初期段階からお客様の声を聞き、抱える課題を十分に理解することも重要です。

特に「アンメットニーズの妥当性」のチェックにはユニーリサーチをかなり活用しています。この点は新規事業開発において最初に考える部分であり、失敗を防ぎ貴重なリソースを効率化するために特に重要な部分だと考えています。ここがクリアになったら、解決法や実現可能性などについてはPoCを実施し、検証していきます。

― ユニーリサーチ導入のきっかけを教えてください。また、具体的にどのようにお使いいただいているのでしょうか?

西口さん: ユニーリサーチは、以前福原と共に外部研修に参加した際に知りました。お客様が抱える課題の深掘りをクイックに実施したいというニーズで試したところ、これは「使える!」と実感し、社内でも積極的に活用するようになりました。

私自身も業務で活用していますが、社内のビジネスコンテストでも起案者が使っています。事務局として、ユニーリサーチの機能説明やインタビューで聞くべき項目を起案者にレクチャーするなどのサポートを行っています。

福原さん: 私はゼロイチより少し進んだ段階での検討にユニーリサーチを使っています。

顧客理解のためのインタビューも行いますが、プロトタイプを作って実際に画面を見てもらったり、公開前のテストアプリを事前に共有してその場で操作してもらったりと、オンラインのデプスインタビューならではのリサーチを非常にスピーディに実施できています。忖度なく、とてもいいサービスだと思います!

テストアプリの操作感をクイックにヒアリング 事前調査データも需要チェックや値付け判断に活用

ビジネス創出グループ 福原一磨さん ビジネス創出グループ 福原一磨さん

― そうおっしゃっていただけて嬉しいです!どんな点をご評価いただいているのでしょうか?

福原さん: たとえば、テストアプリをその場で体験してもらおうとすると、通常は相当の手間と時間、コストがかかります。実証環境の準備や付随する契約まわりの調整など、体感としては2〜3ヶ月程度はかかると思うのですが、ユニーリサーチなら2〜3週間もあれば実施可能です。

スピード以外にもメリットは感じています。今まで、新規事業に向けてさまざまな調査ツールを使ってきましたがダントツでユニーリサーチがフィットしていると感じています。

ユニーリサーチでは、コストを抑えて実施できる点、toCのサービスにも活用できる点はかなり有用だと感じています。

また対象者の絞り込みの段階から4問の記述式で答えていただけるので、信頼度が高いです。そうして協力いただける方に、質の高いインタビューを直接自分で実施できるのは、いいですね。

そして、絞り込みの際に定量的な傾向もわかるので、サービス需要の確認や値付けの判断材料としてこの結果自体が有益なデータになっています。ぜひこのサービス設計は変えないでいただきたい!

― ありがとうございます。絞り込みの際のデータ活用※2は他のお客様からもご好評いただいているポイントです。得られたリサーチ結果は、どのようにお使いいただいているのでしょうか?

福原さん: 我々が取り組むヘルスケアの分野は非常にセンシティブな内容を含みます。そのため、お客様の声を拾うことはとても難しい。ニーズを理解しサービスを磨き上げることはもちろんですが、ユニーリサーチでのインタビューを通して得られたお客様の声は、プロジェクトの意義や必要性を社内に伝える場面において非常に力強いものになっています。

西口さん: リサーチ結果はカスタマージャーニーの作成にも役立てています。カスタマージャーニーを作る過程で、後から「ここが足りない!」というセグメントが発生することもあります。事前に予定していなくても、後から気軽に追加ヒアリングできるのも、ユニーリサーチのいいところですね。

※2 ユニーリサーチでは募集時に事前設問を設定し、回答を収集ができます。収集データは、あくまでインタビュー対象者のリクルーティングを目的とした活用のみ認められていますが、副次的にユーザー傾向を把握することが可能です。

ヘルスケアだからこそお客様の抱える悩みの理解は欠かせない センシティブなお子さまへのインタビューも実施

― 「ヘルスケアの分野はセンシティブである」というお話もありましたが、製薬会社での新規事業開発だからこそ感じる難しさはありますか?またその点においてユニーリサーチが貢献できている部分はありますか?

福原さん: ヘルスケアの中でも、我々が注力しているのは感染症や中枢神経系と呼ばれる領域です。特に、認知症やうつ病などの精神疾患の領域では、ストレートに話を聞くことのハードルは非常に高いのが実情ですが、課題解決に向け、実際に悩みを抱える方の声を聞くことは欠かせません。

もちろん募集時やインタビューの場では「答えたくない質問には無理をしないでください」と必ずお伝えしていますが、ユニーリサーチでは事前に調査意図をしっかりとお伝えでき、また高額ではないですが謝礼が発生しているため、依頼者の立場としてはある意味割り切ったお伺いができていると思います。お客様の気持ちを最優先としながらも、依頼者が勝手に感じる申し訳なさや遠慮は軽減できているのかなと感じます。また保護者の方に同席いただいて、お子さまへ直接インタビューをできることもありがたいです。

西口さん: 私たちの想像以上に、当事者としてお困りのお客様はすでに、網羅的に情報を調べられた上でご自身の深い考えをお持ちです。相当な時間をかけて徹底的にデスクトップリサーチをすれば辿り着けないわけではないかもしれません。しかし、お客様自身から直接有益な情報をスピード感をもって得られることは、事業開発の時間短縮に繋がっていると思います。

― ありがとうございます。最後に、今後の展望について教えてください。

西口さん: 私たち新規事業推進部が今後目指すのは、製薬事業の支えとなるような新たな事業の創出です。

ここ数年は、医薬品以外のサービスでも数個の事業化を実現しています。今後も社内外のさまざまなアイディアを形にすることで事業を作り続け、さらに大きく描いていければと思います。

塩野義製薬株式会社
会社名
塩野義製薬株式会社
業種
医薬品製造販売業
社員数
約5,680人
2023年3月末時点、海外を含む連結会社全体の従業員数
導入事例
CASE