国内最大級のユーザーインタビュープラットフォーム uniiリサーチ(ユニーリサーチ)
導入事例

「サービス成長には未利用層の理解が必須」 N1インタビュー文化が根付くスマートバンクがユニーリサーチを選んだ理由

「サービス成長には未利用層の理解が必須」 N1インタビュー文化が根付くスマートバンクがユニーリサーチを選んだ理由
株式会社スマートバンク 園田麻綾
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株式会社スマートバンクは、Visaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった新しい家計管理サービス「B/43(ビーヨンサン)」を手掛けるスタートアップです。日本初のフリマアプリ「フリル(現楽天ラクマ)」を生み出した堀井翔太氏が創業し、「人が本当に欲しかったものをつくる」というパーパスを掲げています。

同社では創業時から「N1インタビュー文化」が根付き、プロダクトリリースから間もない2022年には社内のステークホルダーと連携し、伴走型リサーチを推進するリサーチチームが組織されました。

今回は、主に未利用ユーザー層の理解のためにユニーリサーチをご活用いただいている 同社 UXリサーチャー 園田 麻綾さんに導入の決め手などをお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2024年9月17日時点のものとなっています

N1インタビューから誕生した新しい家計管理サービス「B/43」

― 御社と、御社が手がけるサービスについて教えてください。

園田さん: スマートバンクは、新しい家計管理サービス「B/43(ビーヨンサン)」の運営・開発を行うスタートアップです。

「B/43」は、Visaプリペイドカードと家計簿アプリが一体となったサービスで、2021年4月にリリースされました。「B/43」というサービス名には「Balance(残高) / 43(予算)」 や「Budget(予算) / 43 (資産)」 を意識して生活できるように、という願いを込めています。

毎月の予算をカードにチャージして買い物をすると、アプリの支払い履歴に自動で反映されるので、支出管理を楽に続けることができます。現在は、個人向けの「B/43マイカード」に加えて、夫婦や同棲カップルで使える「B/43ペアカード」、親子向けの「B/43ジュニアカード」という3つのプロダクトラインナップがあります。


家計管理サービス B/43 Visaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった家計管理サービス

当社では、バリューのひとつを「Think N1」としていますが、「B/43」も創業者たちが「N1インタビュー」を重ねる中で「誰もが日々お金を使っているのに、ほとんどの人がお金を正しく把握できていない」という課題を発見したことが、開発背景にあります。「N1インタビュー」は創業当時から根付いている文化です。

「伴走型リサーチ」でプロジェクトを支える、組織横断のリサーチチーム

― 御社にはスタートアップではまだ珍しいリサーチチームがあります。体制や働き方について教えてください。

園田さん: 現在は3名体制です。UXリサーチャーは私を含めて2名ですが、リサーチOpsとして業務委託の方の協力を得ています。

リサーチOpsは、リクルーティングのサポートや、データベース保守管理、進捗管理を役割としています。たとえば、UXリサーチャーが「どんな方法で、いつまでに、どんな人を何人集めたい」というインタビュー対象者の設計をし、リサーチOpsがリクルーティングのための募集テキストを作成する、といった分担ですね。

UXリサーチャーは特定のプロダクトやプロジェクトの専任としては動いていません。リサーチプロジェクトごとに、UXリサーチャーのスキルや経験を踏まえて柔軟にアサインを決めていきます。

リサーチを進める上で大事にしているのは「伴走型」の体制であることです。UXリサーチャー単独ではなく、PMやデザイナー、エンジニアなども交えたチームを組成し、設計フェーズから一緒に行っていきます。フェーズによって関与度を調整しながらも、リサーチャー主導のチーム戦で行うのは、当社の特徴かと思います。


SmartBank Research Culture Book

SmartBank Research Culture Bookより引用

― 具体的には、どんなきっかけでリサーチプロジェクトが始まるのでしょうか?

園田さん: よくあるきっかけは、プロジェクトメンバーからの気軽な相談です。何も固まっていない段階から、ヒアリングを通して一緒に解像度を高めていきます。

ただ、全てがプロジェクト化するわけではありません。今までのリサーチで蓄積したアーカイブデータが豊富にあるので、新たなリサーチはせずにアーカイブから過去のデータを案内することもあります。

また、Aチームのプロジェクト進行時に、Bチームのプロジェクトで役に立ちそうなリサーチデータがあれば積極的にデリバリーするなど、リサーチデータが少しでも広く活かされるよう意識しています。これは組織全体を見渡す、リサーチチームならではの動きだと思います。

「リサーチはリサーチャーだけのものではない」組織全員がユーザー視点を持つことが重要

― 園田さんが、UXリサーチャーとして大事にしていることはどんなことでしょうか?

園田さん: 当社のリサーチチームは「リサーチはリサーチャーだけのものではない」をモットーとしており、これは私自身、入社以前から大事にしてきた考えです。リサーチャーだけでなく、組織のメンバー全員がユーザー視点を持つことで、長期的に価値を提供し続けられるのだと思います。

だから、「リサーチをすると、時間がかかる」と感じる結果にならないように、UXリサーチャーとしては初期段階からプロジェクトに関するあらゆる情報を積極的に取りにいき、キャッチアップに時間をかけないようにしています。
また、別のアプローチとして他職種の方へのインタビュー企画を実施するなど、コミュニケーションを通して社内の人物理解を深めることもしています。

複数の経路でリクルーティング 外部パネルでは未利用ユーザー層の可能性を探る

― 御社は数多くのインタビューを実施されています。どのような経路でリクルーティングしているのでしょうか?またどのように使い分けていますか?

園田さん: まずは、既存ユーザーの方にアンケートをお送りしてインタビューにご協力いただける方を募るパターンですね。アンケートの回答に応じてセグメントを作成して各セグメント4〜5人の話を聞く、といったデータのボリューム感を出したい時はこの方法をとります。

次に社員の機縁(人の紹介を活用したリクルーティング手法)です。お約束するまでの期間をよりクイックに、かつインタビュー対象者の背景も知ったうえでお声がけできるので、ズレが少ないです。

そして、ユニーリサーチは、主に未利用ユーザー層へのインタビューに活用しています。サービスの今後の飛躍的な成長を実現するためには、既存ユーザーだけでなく、「B/43」をこれから使っていただきたい、未利用ユーザー層における可能性を探っていく必要があると考えています。

他サービスも同時並行で検討し、ユニーリサーチがダントツ 決め手は優れたUIと応募数の多さ

― ありがとうございます。外部サービスとしては、他にも選択肢があったと思いますが、なぜユニーリサーチを選んでいただいたのでしょうか?


園田さん

園田さん: 外部サービスを使うことになった際、4つのサービスをほぼ同時に使い、どれが一番良いかを検証しました。その中でもユニーリサーチがダントツで使いやすかったです。

導入の決め手となったのは、主に次の2点です。

まず1つめは、UIが優れている点。他のサービスでは、使い方や規約が複雑なために、負担を感じることもありました。でも、ユニーリサーチは非常にシンプルな操作で募集が完了できるため、学習コストが低くて助かりました。さらに、応募者の画面を見ながら募集を作成できるプレビューがあったり、募集後の日程調整なども使いやすく、オペレーションの効率化につながっています。

2つめは、応募数が圧倒的に多いこと。応募があるたびに既存のSlackチャンネルに通知が届くよう設定していたのですが、応募が予想以上に多く、他の業務連絡が埋もれしまうため、新たに専用のチャンネルを設けるほどでした。
応募者の数もあって「今後も使い続けよう」という方向性が決まりました。その後、かなり条件の厳しい募集でも十分なリクルーティングができたので、通常アプローチしにくい層にも調査ができると実感しています。

ユニーリサーチのおかげで、スケジュールを滞らせることなく、スピード感を持ってリサーチを進められています。まさに唯一無二の存在ですね。

― ご評価いただき、嬉しく思います。実際に、インタビューで聞きたい話は聞けていますか?

園田さん: はい。インタビュー結果をもとに、チーム内での議論が深まっています。

たとえば、未利用ユーザーの方へお金に関するお悩みを伺った際、「こういうサービスがあったらいいのに...」というお話があったのですが、それは「B/43」の既存機能で解決するものでした。

「B/43」をご存知ない方にとっても、ニーズを満たすサービスを提供できている。新たに手にとって使っていただける可能性は十分あるのだと、サービスへの自信が深まりました。

また同時に、それを伸び代としつつ認知拡大やプロモーションに適切な戦略が必要であるという、現状課題の明確化にも繋がりました。

― 園田さんが、リクルーティング時に気をつけていることはありますか?

園田さん: 募集時の設問は、月の支出金額や頻度など、ファクトベースで答える設計にするよう心がけています。「〜できていますか?」といった自分の意識で答える質問は、人によって感じ方の尺度が全然違うので注意が必要です。回答に対して、どのセグメントに含まれる方なのかは、こちら側で判別することがポイントです。

年間100本以上のインタビューを会社全体の「宝物」に ナレッジマネジメントを強化

― 最後に、今後の展望について教えてください。

園田さん: スマートバンクは、「人々が本当に欲しかったものをつくる」というパーパスを掲げ、ユーザーと真摯に向き合いながらプロダクトを強化してきました。ライフステージごとに変化するお金の課題を解決し、「B/43」の価値を継続的に提供するためにも、今後もN1インタビュー文化を大切に守っていきたいと考えています。

現状の組織規模では、「阿吽の呼吸」でスムーズに仕事が進んでいる部分もあります。しかし今後、多様な職種や人数が増えるにつれて、過去のデータも含めてインタビューで得た情報をよりわかりやすく共有できるナレッジマネジメントの仕組みが必要になると感じています。重要なのは、どの情報を誰に、どのように届ければ最も有益なのかを常に意識することです。

組織全体のリサーチを預かるチームとして、年間100本以上におよぶインタビューを会社全体の「宝物」として現状よりも更に有効に活用していけるようにすることが、私たちの目標です。

株式会社スマートバンク
会社名
株式会社スマートバンク
業種
金融
社員数
69名※アルバイト含む
2024年9月時点
導入事例
CASE