国内最大級のユーザーインタビュープラットフォーム uniiリサーチ(ユニーリサーチ)
導入事例

「仮説が180度変わった」 月間再生数4億の「TVer」が新規プロジェクトの仮説検証にユニーリサーチを活用

「仮説が180度変わった」 月間再生数4億の「TVer」が新規プロジェクトの仮説検証にユニーリサーチを活用
株式会社TVer 谷内健太/齋藤祥平

TVerは、民放各局が制作したテレビコンテンツを視聴できる動画配信サービス「TVer」を運営しています。常時約750番組の見逃し配信だけでなくスポーツなどのライブ配信、民放5系列のゴールデン・プライムタイムを中心としたリアルタイム配信を行っており、ユーザーは時間や場所、デバイスを自由に選んでコンテンツを楽しむことができます。

2015年のサービス開始以来拡大し続け、2024年1月時点での「TVer」アプリのダウンロード数は7,000万、月間再生数は4億、MUB(月間ユニークブラウザ数)は3,500万に到達しています。

今回は、新規プロジェクトにおける仮説検証のためにユニーリサーチをご活用いただいたサービスプロダクト本部 プロダクトマネージャー 谷内 健太さんと、戦略企画室 齋藤 祥平さんにユニーリサーチ活用の成果などをお伺いしました。
※本記事の内容は取材日2024年2月13日時点のものとなっています

テレビコンテンツの見逃し配信からスペシャルライブまで 動画配信サービス「TVer」

谷内様1 サービスプロダクト本部 プロダクトマネージャー 谷内 健太さん

― 御社事業とお二人のお仕事について教えてください。

谷内さん: 「TVer」は、民放各局のテレビコンテンツを完全無料で楽しめる動画配信サービスです。テレビ番組の見逃し配信はもちろん、配信限定のスペシャルライブなど多彩なコンテンツを、スマートフォンやパソコンなどお好きなデバイスで、いつでもどこでも気軽に視聴できます。2015年のサービス開始以来右肩上がりに拡大し続け、2024年1月時点での月間再生数は4億回、利用者数は月間3,500万MUBを超える国内最大規模のサービスにまで成長しました。日本全国、幅広い方にご利用いただいています。

私が所属するサービスプロダクト本部は50人弱くらいの組織で、「TVer」を開発面で支えています。プロダクトマネージャーである私のミッションはなによりもTVerというプロダクトの価値提供を最大化することです。リサーチから仕様検討、ステークホルダーの調整までそこに向けた業務を広く担当しています。


齋藤様1 戦略企画室 齋藤 祥平さん

齋藤さん: 私は、戦略企画室の所属です。社内の各部門と連携しながらTVerの事業拡大に向けた様々な施策に取り組んでいます。

― ユーザーインタビューは以前より実施されていたのでしょうか?また、どのようにユニーリサーチを知ったのでしょうか?

谷内さん: 以前は単発的に、大規模な開発案件やプロジェクトがあるタイミングでユーザーインタビューを実施していました。しかしサービス規模が拡大しユーザーニーズも多様になる中、どんな機能開発や改修が価値になるのかを把握するために、ユーザーの声を継続的に解像度高く聞いて、その内容を開発チームに共有する必要性が増してきました。

また「TVer」は豊富なデータを持つプロダクトなので、定量的なデータ分析を通して見えることは多いのですが、定量調査では見つけることが難しいポテンシャルを発見するという期待もユーザーインタビューにはあります。

ユニーリサーチはX(旧Twitter)で知りました。大手調査会社経由でのリサーチやインタビューはどうしても時間とコストがかかってしまうので、より小回りのきくサービスを探していた中見つけ、問い合わせをしました。

ユーザーインタビューを通して思い込みを払拭 プロジェクトの方針転換につながった

― 具体的には、ユニーリサーチをどのようにお使いいただいているのでしょうか?

谷内さん: たとえば、昨年末には「とある新たなジャンルのコンテンツを、TVerでどのように魅力的に届けるか」をテーマにしてインタビューを行いました。このプロジェクトは「TVer」の今後の成長において重要な領域だったので、戦略企画室の齋藤さんにも参加してもらい、プロダクトマネージャーと戦略組織が横断で取り組みました。

最初は業界内でのヒアリングを実施し、その結果から方向性や筋道がある程度見えてきました。加えて、その仮説がポテンシャルとして存在するのかを施策実施前に一定見極めるためにすでに利用を開始していたユニーリサーチでユーザーインタビューを実施しました。

齋藤さん: 「TVer」は、約3,500万MUBが利用する大規模サービスであり、ユースケースは多岐にわたります。定量調査で市場のサイズ感は把握できても、それを肉付けするような定性的な情報が見えず、ユーザーの一人ひとりの顔が浮かんでこないという課題を感じていました。プロジェクト実行に向けて、自分自身でも仮説に納得感を持ち根拠を示せるようにするためにも、ユーザーインサイトを拾いたいと思いました。

― その結果、どんなことがわかりましたか?

谷内さん: 合計で10人にインタビューしたのですが、実は最初の3人に聞いたところで、当初考えていた仮説がほぼ180度変わりました。

齋藤さん: 結構、変わりましたよね。「ハードルは高いが、きっと世の中はこれを求めている。」という仮説を検証したいとインタビューを行ったものの、実際の市場のニーズはそうでもなかった。これは違うのだなと、早々に気づきました。

谷内さん: 今思えば、事前の検討内容には一定の満足度と自信があったのですが、インタビューを通して良い意味で払拭できました。後半の5人の方にはケースや質問を変えて聞いたことで、新たな方向性を齋藤さんと認識を合わせながら固めることができました。

納得感を生むユーザーインタビューにはフラットな聞き方が重要 社内への説得力も増した

― ユーザーインタビューの際に意識していたことはありますか?

谷内さん: 「言葉の定義を定めすぎない」ということは重視しています。たとえば「最近、気になったニュースを教えてください」という質問をするなら、そのニュースはテレビなのか新聞なのか、WEBやSNS、もしくは口コミなのか、どんな媒体で聞いたものなのかは明言しません。あえて漠然とした質問をして、その人の頭の中では「ニュース」に対してどんな定義を持っているのかをあえて把握するようにしていましたし、それこそがインサイトに繋がってくると思っています。

齋藤さん: 「TVerがこうなったら、どうでしょうか?」といったクローズドクエスションではなく、ユーザーの発言の裏側を紐解くことを意識していました。ユーザーが普段どのような生活をしているのか、他サービスも含めて動画サービスをどう利用しているのかなど、事実ベースで聞きました。

プロジェクトの方針転換をチーム内に共有する際には、ユーザーの実際の言葉を引用できたことで説得力が増しました。フラットに質問できたからこそ、納得感があったのだと思います。

谷内さん: バイアスをかけないという、当たり前が徹底できていたのは、いま振り返っても良かったですね。

「思っていた人と違った」がないユニーリサーチ ユーザーの質の高さの秘訣は?

齋藤様2

― ユニーリサーチで気に入っている点について教えてください。

齋藤さん: 直感的に操作できるのは、とても良いなと思います。ユニーリサーチを初めて使った時から、実は一度もマニュアルを見ずにインタビュー実施まで行うことができました。ダブルブッキングの防止など、気をつけなければならない点も、自然にフォローされていて便利でした。

また募集の際に設定できる、事前質問機能も気に入っています。たとえば「最近見たコンテンツを教えてください」という事前質問をしたところ、中にはジャンルの小見出しまで付けて丁寧に記載してくださった方もいたりと、求めている以上の回答が集まりました。

ユーザーのリクルーティングで、「実際にインタビューしてみたら、想定していた人ではなかった」というのは、よくある話だと思うのですが、ユニーリサーチでは思った通りの方にユーザーインタビューをできました。

谷内さん: 大きくは2つあって、まずはスピード感です。約2週間で、10人のインタビューを完結しました。管理画面で募集をかけたらすぐに候補者の方が集まり、週明けにはインタビュー対象の方を選定。その週の後半にはユーザーインタビューを実施、という流れでした。仮説をたててから、結果を得るまでのリードタイムが非常に短くコストも抑えられてありがたいです。

またユーザーの方からは、忖度なしの「素の回答」を毎回聞けているなと思います。他の調査会社と比較しても、私たちの質問に耳を傾け、インタビューに集中してご協力いただける方が多かった。

逆にお伺いしたいのですが、ユニーリサーチではどのように、そうした質の高さを実現しているのでしょうか?

― ありがとうございます。ユニーリサーチでは、ユーザーの方に対して謝礼の訴求を積極的にしていないので、自分の声を直接企業に届け、新サービスに役立ててもらうこと自体に、価値を感じる方が多いのではないかと思います。また、サービスとしても応募行動の分析や評価情報を蓄積することで、良いユーザーとマッチング出来るよう仕組化しています。そして最も大きいのは、インセンティブ設計です。ユニーリサーチでは応募に対して一切インセンティブを提供していません。それによりポイント欲しさに応募をするといった行為を意図的に防いでいます。

テレビとユーザーとのより良いコミュニケーションの実現し、「TVer」をインフラへ

― 最後に、今後の展望について教えてください。

齋藤さん: ユニーリサーチを活用しながら、今後もユーザーフレンドリーなサービスを実現したいと思います。ユーザー数が増えれば、ニーズやご利用シーンは多岐にわたってきますが、「TVer」を使う誰もが使いやすいと思えるものを作っていきたいですね。

谷内さん: 「TVer」を、広く浸透するインフラサービスにしていきたいです。

そのためにはまず、「当たり前品質」を定義し、テレビコンテンツの視聴を心地よく出来る体験を実現すること。そしてその先は視聴以外の価値も「TVer」を通してお届けできる、テレビとユーザーとのより良いコミュニケーションを作っていきたいなと思います。

当社のミッションは「テレビを開放して、もっとワクワクする未来を TVerと新しい世界を、一緒に。」です。今後もユーザー目線で「TVer」がどんな価値を提供できるかを探求し続けていきたいと思います。

―「TVer」様が多くの人に愛されている理由がとても良く分かる素敵なお話をありがとうございました。引き続き、ユーザーの声を大事にした開発のご支援が出来ればと思いますので、よろしくお願いいたします。

株式会社TVer
会社名
株式会社TVer
業種
インターネットサービス
社員数
191名
2024年1月時点
導入事例
CASE