ユニーリサーチ
導入事例

早くて手軽なリサーチが、現場の“自分ごと化”を後押し Ubieの1人目デザインリサーチャーが語るユニーリサーチの価値

早くて手軽なリサーチが、現場の“自分ごと化”を後押し Ubieの1人目デザインリサーチャーが語るユニーリサーチの価値
Ubie株式会社 粟村倫久
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Ubie株式会社は、医師とエンジニアによって2017年に創業されたヘルステックスタートアップです。「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションのもと、AIをコア技術とした生活者向けの症状検索エンジン「ユビー」や、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」などを展開し、誰もが自分に合った医療にアクセスできる社会の実現を目指しています。

「顧客の声を聞くのは当然」と、リサーチの重要性が浸透している同社では、数多くのインタビューをユニーリサーチで実施しています。

今回は、リサーチの環境づくり(ResearchOps)にも積極的に取り組むデザインリサーチャーの粟村 倫久さんに、ユニーリサーチ導入後の変化などを伺いました。
※本記事の内容は取材日2025年3月25日時点のものとなっています

月間1,200万人が利用する症状検索エンジン「ユビー」

― 粟村さんが担当されているプロダクトについて教えてください。


ubie1 デザインリサーチャー 粟村 倫久さん

粟村さん: Ubieは生活者向け、医療機関向け、製薬企業向けと複数事業を展開していますが、私はその中でも症状検索エンジン「ユビー」を中心とした、toC事業のデザインリサーチを担当しています。

「ユビー」は、気になる症状を入力することで、関連する病気や対処法、適切な受診先を調べることができるサービスです。現在3,500以上の症状と1,100以上の病名に対応しており、月間1,200万人以上の方にご利用いただいています(2025年3月時点)。

「もう少し早く病院に来ていれば」というケースを一件でも多く減らしたい。創業時からの想いが、「ユビー」に込められています。

膨大な間接業務を効率化「ResearchOps」に取り組む1人目デザインリサーチャー

― 粟村さんの具体的なお仕事について教えてください。また、1人目のデザインリサーチャーとして、どんな点を期待されているとお考えですか?

現在私が取り組んでいるテーマは大きく2つあります。

ひとつは、プロダクト横断でのリサーチ業務です。市場調査に加え、疾患をどう分類すべきか、疾患理解を踏まえて医療情報をどう届けるべきかといったタッチポイントの検討など、プロダクトの基盤を支えるリサーチを行っています。また、開発チームにリサーチのリソースやスキルが足りないときには、“スーパーサブ”として短期的にジョインし、ユーザーインタビューを行うこともあります。

もうひとつは、リサーチの環境づくり(ResearchOps)です。Ubieには、デザイナーがユーザーインタビューをする文化があります。インタビューには実査や分析といった直接的な業務のほかにも、アポ取り、謝礼の手配、リサーチ結果の集約などの膨大な間接業務が発生します。実証実験を含めプロダクト数が増加する中、高頻度にリサーチを継続するには、そうした間接業務の効率化と仕組み化が重要。入社以来、特にカスタマーサクセスのメンバーと連携しながらコツコツと整備を進めてきました。

私は2024年3月に入社しました。仮説検証に一定の目処を得られていた中で、これまで手をつけてこなかった領域へのチャレンジや、既存領域のさらなる深掘り、そしてリサーチ手法の拡張など、新たな視点や機会探索を増やすことがデザインリサーチャーに期待されているのではないかと考えています。

― 御社がリサーチに力を入れる理由を教えてください。

粟村さん: 私たちは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げています。“人々”にサービスを提供する以上、その人たちを深く理解することは当たり前だ、という考えが社内に浸透していると思います。

また、Ubieのメンバーは勉強熱心な人が多く、学んだことは素直に受け入れ実践していく風土です。最近のプロダクトマネジメントに関する書籍では、ユーザーインタビューがステップとしてほぼ必ず紹介されているので、そうした情報をキャッチしたメンバーが「やるのが当然」として動いています。

ユニーリサーチは「早い・やすい・手軽」 スタートアップの時間感覚にもフィットする

― ユニーリサーチを日々ご活用いただく中での、率直なご感想をお聞かせください。


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粟村さん: 当社では、「ユビー」の既存ユーザーに対しては自社のリサーチパネルを通じてアプローチできるため、ユニーリサーチは主に“まだユビーをご利用いただいていない方”のお話を聞きたい時に、幅広く活用しています。

ユニーリサーチはとにかく「早い・やすい・手軽」。特に、募集の翌日には反応が得られるほどスピーディーなのが大きな魅力です。スタートアップでは極端な話、1週間でリサーチテーマが何度も変わることもあるので、この時間感覚にフィットするのは非常に助かります。柔軟に動けるので、プロジェクトの進行がとてもスムーズになります。

UIがシンプルで直感的なのもありがたいですね。ユーザーインタビューに特化したサービスなので、初めての方でも迷わず使えます。実際、別事業の担当者が対象者リクルーティングに困っていた際にユニーリサーチを紹介したところ、すごく感謝されました。

社内オンボーディング不要で紹介できるのは、大きな価値です。クセのあるツールだと、使い方の説明に30分のMTGを組んで...という手間が発生しがちですが、ユニーリサーチは説明コストがかからないので、紹介しやすく社内の他部署でも活用が進んでいます。

「知識を得るだけでなく、自分ごと化するための肌感を得る」ためのリサーチ

― ユニーリサーチは、粟村さんや、リサーチに詳しいデザイナーの方が主に使われているのでしょうか?

粟村さん: 使用頻度としてはデザイナーが多いですが、ユニーリサーチはコストや運用の負荷が少ないので、デザイナー以外のメンバーもよく使っています。

私としては、できる限りプロダクトチームが主体となってリサーチに参加してもらうことを大切にしています。

リサーチには、知識を得るだけでなく、「自分ごと化するための肌感を得る」という目的もあります。むしろ、ビジネスを前に進めるうえでは、後者のほうが重要な場面も多いのではないでしょうか。

サービスをつくる立場の人が、ユーザーの状況に対してありありとイメージを持ち、まるで“憑依”できるくらい具体的な理解を持てることが大切。そのため、リサーチャーとしてサポートに入るときにも、基本的にはプロダクトマネージャーやエンジニアにも同席してもらうようにしています。後からの報告だけでは伝わらないことが多いと思います。

その上で、難しいケースや経験が必要なリサーチは、専門性のあるリサーチャーが担当する。「プロダクトチームがやるべきリサーチ」と「リサーチャーがやるべきリサーチ」を、少しずつ仕分けていけるといいなと考えています。

― 印象的だったインタビューはありますか?

粟村さん: がんの診断を受けた直後に、当事者の方がどのように考え、どんな情報を求めたのかを伺う機会がありました。

まさに「翌日、治療方針を決めるために医師と会う」というタイミングのユーザー様に、お考えを真摯に語っていただきました。お話の内容は非常にリアルで、心に残るものがありました。あらゆる疾患は人生に大きな影響を与えますが、がんはその中でも特に重みのあるテーマです。そうした人生の重要な局面に立ち会い、お話を伺えたことは、リサーチャーとして非常に貴重な経験だと感じています。

― 病気の当事者の方へインタビューする際のポリシーや、配慮していることはありますか?

粟村さん: すべてのリサーチにおいて、“構えすぎないこと”を大切にしています。基本的には、世間話をしに行くような姿勢で臨んでいます。

「患者としてのあなた」と話すのではなく、「あなた」というひとりの人と話している、という感覚を大事にしています。病気はあくまでその人の一部でしかなくて、人はもっと多面的。目の前にいる“その人自身”としっかり向き合い、その上で、結果として病気の話が出てくる。あえてそう決めているわけではないのですが、自然とそのような関わり方になっていると思います。できるだけ先入観を持たず、フラットな立場でお話を伺いたいと考えています。

データの集約に生成AIを活用し、リサーチをする人の創造性を100%引き出す

― 粟村さんが今後実現したいことや、そのために現在取り組んでいることについて教えてください。

「生成AIを活用したリサーチの民主化」が、今取り組んでいる大きなテーマです。

まずはデータの集約をもう一歩進めたい。たとえば、インタビューの録画をAIで全文書き起こしし、プロンプトで条件を指定することで、インサイトをデータベースから抽出できる仕組みの構築です。これまで手作業で行っていた書き起こしや集約をAIで省力化すれば、一次情報へのアクセスが促進されると思います。

「リサーチはもっと自由であるべき」というのが私の想いです。個々のリサーチにおいてもリサーチャーが決めた型に沿うのではなく、自分ごととして必死に何かを掴みにいく方が、より深い学びを得られると考えています。リサーチする人が100%の創造性を発揮しながら自分に合った自由な形でリサーチを進められる。かつ基本的な質もAIによって担保されるという両取りの環境を作りたいですね。

Ubie株式会社
会社名
Ubie株式会社
業種
情報・通信業
社員数
240名
2025年3月時点
導入事例
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月額費用
0
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