CLT(会場)調査の意味とは?略称の由来やメリット・デメリットを解説
近年、デジタル技術の進化に伴い、オンライン調査やモバイル調査が普及していますが、CLT(会場)調査は独自の価値を持っています。
この記事では、CLT(会場)調査の意味や略称の由来、メリット・デメリット、そして成功させるためのポイントまで詳細に解説します。
- CLT(会場)調査とは?
- CLT(会場)調査実施の基本的な進め方
- 目的を決め、調査計画を立てる
- 調査対象者を選定する
- 実施する会場を選定する
- 結果の集計や分析をする
- CLT(会場)調査のメリット
- 機密性を保持できる
- 直に利用者の反応を見られる
- 同一の環境下で調査ができる
- CLT(会場)調査のデメリットや注意点
- 費用や時間のコストがかかる
- 日常で利用する場合とは異なる結果になる可能性がある
- CLT(会場)調査を成功させるためのポイント
- 会場を調査内容に適した環境に整える
- 調査内容に適切な対象者を選定する
- サンプル数とコストのバランスを考える
- CLT(会場)調査なら国内最大級のダイレクトリサーチサービス『ユニーリサーチ』
CLT(会場)調査とは?
「CLT(会場)調査」は、特設会場や自社などの特定の会場を使用して参加者から商品や広告などの評価や意見を得る調査方法です。情報の機密性が高いため、発表前の新商品に関する調査に使われることも多く、参加者が同一の条件下で体験を共有することで、より信頼性のあるデータを収集することができます。
「CLT」は「Central Location Test(セントラルロケーションテスト)」の略です。「central location」は直訳すると「中心の位置」ですが、「(街の)中心」といった意味もあります。実際のCLT調査を必ず街の中心部で実施するというわけではありませんが、そのような利便性の高い場所に集まって行う調査、というのが名前の由来と考えられます。
CLT調査とよく比較される調査としては、「ホームユーステスト(HUT:Home Use Test)」があります。こちらは、対象ユーザーの自宅で一定期間製品を試用してもらい、評価や意見を得る調査方法です。
▼「ホームユーステスト」についてのより詳しい記事はこちら
CLT(会場)調査実施の基本的な進め方
CLT調査の計画から結果の分析までの基本的な進め方について、ご紹介します。
目的を決め、調査計画を立てる
CLT調査を実施する際には、まず調査の明確な目的を設定することが重要です。新製品の使用感を評価するのか、既存製品の改善点を見つけるのかなどの目的を明確にし、それに応じた質問や評価項目を用意することで、調査結果の分析をスムーズに進めることができます。
目的を決めたら、期日や予算などを考慮しながらスケジュールや調査方法、調査範囲などの計画を立てます。
調査対象者を選定する
調査の目的に応じて適切な対象者を選定します。製品を普段から利用しているユーザー層や、新たに狙いたいターゲット層など、調査目的に沿った対象者を選びます。
対象者の選定は結果の有効性に大きく影響を与える可能性があるため、慎重に行う必要があります。デモグラフィックデータ(年齢、性別、職業、所得水準など)や自社商品の利用経験などを考慮して、対象者像を明確にしましょう。
▼「デモグラフィックデータ」についてのより詳しい記事はこちら
実施する会場を選定する
会場選定はCLT調査において重要なポイントです。参加者が快適に製品を試用できるスペースを確保し、調査対象の製品や広告の評価を最適に行える環境を作りましょう。交通の便が良く、音響や照明などの環境が一定であることが理想です。また、会場のレイアウトや設備も調査の内容に適している必要があります。
結果の集計や分析をする
調査が終わったら、得られたデータを集計し分析します。参加者の意見や行動を詳細に分析することで、製品やサービスの改善点を抽出し、次のステップにつなげます。分析結果は分かりやすくまとめて関係者に共有し、今後の施策に活用しましょう。
CLT(会場)調査のメリット
CLT調査の最大の特徴は対面でのリアルタイムの調査であることです。CLT調査ならではのメリットについて3つご紹介します。
機密性を保持できる
CLT調査は用意した会場内で行うため、調査内容が外部に漏れるリスクを低減できます。情報流出させたくない新製品のテストやキャンペーン開始前の広告などに対する反応を、企業秘密を守りながら調査することが可能です。
特に競合が多い市場においては、あらゆる情報が競争優位性に関わる可能性があるため、機密性の確保は重要です。
直に利用者の反応を見られる
CLT調査では、利用者がどのように商品を使用するのかを直接観察するため、予期しない反応や新しい発見ができることがあります。利用者が製品を使う際に見せる表情や行動、目線を観察することで、より深い洞察を得ることができるでしょう。
データや数値だけでは分からない、リアルタイムの反応や空気感などを感じられるのは、CLT調査ならではのメリットです。アイトラッカーを用いて、利用者の目線の動きを調査するケースもあります。
同一の環境下で調査ができる
CLT調査は同一の環境下でのデータを収集できるため、結果の一貫性や信頼性が向上します。例えば、食品の場合は温度によって評価が変わったり、陳列棚に置かれる位置や照明などによって印象が変わったりすることが予想できます。こういった環境を統一することで、異なるグループを比較しやすいといった点もメリットです。
CLT(会場)調査のデメリットや注意点
CLT調査にはデメリットや注意点もあります。
費用や時間のコストがかかる
CLT調査は参加者の招待や会場の設営に多くのコストがかかります。準備と運営に時間もかかることから、綿密な計画とリソースの確保が重要です。特に調査の規模が大きい場合、複数の会場や調査日程を設ける必要が出てくることもあります。
また、調査期間中に不測の事態が発生する場合もあるため、予備の日程と予算を設定しておくことが大切です。悪天候による交通機関の乱れや突発的な参加者のキャンセルなどにも柔軟に対応できる体制を整えておきましょう。
日常で利用する場合とは異なる結果になる可能性がある
CLT調査は設営された環境下で行われるため、日常で利用する場合と異なる状況で製品が評価されます。また、参加者同士の会話や周囲の視線などによっても、評価が左右される可能性があります。
このため、実施した調査結果を分析する際には、実際の使用環境との比較を行いながら慎重に評価を行うことが大切です。
CLT(会場)調査を成功させるためのポイント
CLT調査の特性を活かし、効果を最大に引き出すためには、事前の準備が重要です。ここでは、成功させるためのポイントを4つご紹介します。
会場を調査内容に適した環境に整える
CLT調査では、適切な会場環境を整えることが大切です。調査の種類によっては、特定の設置や環境調整が求められることがあります。
例えば、見た目が重要な商品を評価する場合、照明やディスプレイの設置方法は重要です。また、試食の調査を行う場合には、試食スペースの衛生状態や、参加者が快適に過ごせる椅子やテーブルの設置も考慮する必要があります。
また、会場の環境整備や雰囲気作りは、参加者の評価や感想に影響を与える可能性があります。参加者がリラックスし、自発的な意見を述べやすくするために環境の整備は不可欠な要素です。
調査内容に適切な対象者を選定する
調査内容に適した対象者を選定することが、CLT調査を成功させるために欠かせません。対象者の選定は、個々の属性を考慮するだけでなく、その製品に対する経験や知識も反映させる必要があります。他にも商品へ対する興味や、企業に対するイメージなどが、評価に影響する可能性があります。
新しい製品を評価する際には、すでに他の同類製品を使用したことがあるユーザーを選定すると、より具体的なフィードバックが得られる場合があります。
サンプル数とコストのバランスを考える
会場のサイズやスタッフの稼働時間などには制限があります。コストやリソースとのバランスを考慮した適切なサンプル数を設定することが計画的に調査を実施するためのポイントです。あらかじめ設定した予算内で実施できるサンプル数を明確にし、その中でできるだけ目的に適切な対象者を選出することが重要です。
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