ユニーリサーチ
インタビューガイドとは?見本や作り方、半構造化インタビューでの活用方法を紹介

インタビューガイドとは?見本や作り方、半構造化インタビューでの活用方法を紹介

インタビュー調査を効果的に行うためには、「インタビューガイド」の存在が欠かせません。インタビューガイドとは、調査に必要な質問や進行手順をまとめたガイドラインのことです。

本記事では、インタビューガイドの概要や半構造化インタビューでの活用方法、テンプレートなどをご紹介します。

インタビューガイドとは?

「インタビューガイド」とは、インタビュー時に尋ねる質問項目や質問の流れ、時間配分などをまとめた文書のことを言います。インタビューガイドがしっかり作り込まれていれば、インタビュアーは調査の目標から逸れることなく、スムーズに情報収集を行うことができます。

▼「インタビュー調査」についてのより詳しい記事はこちら

インタビュー調査とは?やり方と手順、手法の種類のメリット・デメリットを解説
インタビュー調査とは?やり方と手順、手法の種類のメリット・デメリットを解説

半構造化インタビューでの活用方法

インタビューの手法には、構造化インタビュー(すべて質問をあらかじめ決めておく)、半構造化インタビュー(一部の質問のみ決めておいて、他の質問は適宜追加・変更する)、非構造化インタビュー(質問の詳細な内容や順番は決めず、流れに応じて自由に展開していく)の大きく3つがあります。

この中で、半構造化インタビューは事前に用意した主要な質問を軸としつつも、回答者によっては追加質問を行い、回答者の意見や体験を柔軟に引き出すことができ、深い洞察を得やすい手法です。一方で、回答者次第で進行が大きく変わる可能性があり、構造化インタビューと比べると必要な情報を取りこぼさずに進める難易度は高くなります。

そこで役立つのが、しっかりと設計されたインタビューガイドです。必要な質問はしっかり用意しておき、インタビューの場で発生する追加の話題や深堀り質問にも対応できるように作り込むことで、半構造化インタビューを成功させるための道しるべとして機能します。

▼「半構造化インタビュー」についてのより詳しい記事はこちら

半構造化インタビューとは?分析方法やインタビューガイドの作り方を解説
半構造化インタビューとは?分析方法やインタビューガイドの作り方を解説

インタビューガイドの作り方

調査の目的から逸れずにインタビューを成功させるための「インタビューガイド」の作り方を解説します。

インタビューの目的を明確にする

インタビューガイドを作成する上で最も重要なのが、インタビューの「目的」をはっきり定義することです。目的を明文化することで、ブレやすいインタビューの方向性をしっかり定め、質問設計の精度を高める土台になります。

質問項目を作成する

目的が定まったら、次はそれを達成するために必要な質問項目を洗い出します。最初の段階では数を絞り込まず、関連しそうな質問をできるだけ多くリストアップするのがポイントです。

「どんな質問をすれば目的が達成できるか」を考え、幅広く出したアイディアの中から、目的に直結する質問を中心に構成を練り上げていきます。たとえば、「商品に不満があるか?」という質問を中心に「具体的にどのような場面で不満を感じたか?」「他の商品と比較してどうか?」など、周辺情報を拾えるような設問も含めて検討します。

▼「インタビューの質問の作り方」についてのより詳しい記事はこちら

インタビューの質問の作り方、成功・失敗する質問例とテンプレートを紹介
インタビューの質問の作り方、成功・失敗する質問例とテンプレートを紹介

質問の優先度を設定する

次のステップとして、リストアップした質問の優先度を決めていきます。インタビューの時間には制限があるため、すべての質問をすることはできません。「必ず聞くべき質問」「時間があれば聞きたい質問」「補足として確認する質問」などのように優先度を明確にしておくことで、インタビュー全体の流れを設計しやすくなります。

インタビュー全体の流れを設計する

質問項目を抽出し、優先度を設定したら、次はインタビュー全体の流れを組み立てます。序盤は「答えやすい質問」から入り、徐々に深いテーマへと移っていく構成が理想です。

たとえば、ウォーミングアップとして日常的な話題から始め、徐々に本題である課題意識や価値観に触れていくことで、回答者の心も開きやすくなります。また、後述するオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの質問をどう配置するかも、スムーズな流れをつくる上で検討すべきポイントです。

半構造化インタビューの場合は、大枠の流れは設計しつつも、会話の展開に応じて柔軟に対応する姿勢が必要です。そのため、あらかじめフローチャートのように想定パターンを考えておくと、実際の進行がスムーズになります。

時間配分を決める

最後に時間配分を明確にしておきましょう。インタビュー全体の所要時間を決め、それを各段階に割り振ります。

1時間のインタビューを予定している場合でも、オープニングと締めに合計10分ほどを取り、本題に割り当てる時間を50分とするなど、段階ごとに適切な時間を振り分けるのが望ましいです。さらに本題の中でも、メインの質問の時間を多めに取り、補足質問は流れに応じて調整できるようにしておくことで、途中で話が長引いても柔軟に対応しやすくなります。

特に半構造化インタビューでは、予想外に会話が盛り上がり、時間を超過してしまうことも多いものです。事前に余裕を持った時間割を組み立てておくと、進行がバタつかずに済みます。

インタビューガイドの見本(テンプレート)

インタビューガイドの簡単な見本を挙げます。

【インタビューガイド テンプレート】

1. オープニング(5分)

・自己紹介

・インタビュー目的の説明

・録音や録画の許可確認と個人情報の取り扱いの説明

2. ウォーミングアップ(5分)

・前提情報の確認(ユーザー属性など)

・近況や興味関心に関するライトな質問

3. 本題(40分)

・質問A(重要):〇〇についてどう感じますか?

 ・深堀り質問A-1:具体的にいつ、どんな場面で?

 ・深堀り質問A-2:それによって感じたメリット・デメリットは?

 ・質問B(重要):〇〇の改善案はありますか?

 ・深堀り質問B-1:改良するとしたらどんな点を優先したいですか?

 ・深堀り質問B-2:改善のために自分で工夫したり、回避した方法があれば教えてください。

 ・質問C(補足):〇〇を使い続けたいと思う理由は?

 ・質問D(補足):普段の利用状況や他サービスとの比較… など

4. クローズ(10分)

・追加確認事項の質問:他に気になったことや改善点はありますか?

・インタビューのまとめ、感想の聞き取り

・協力のお礼と今後の連絡に関する説明

上記のように、大まかな流れと主要な質問内容を記しておくと、インタビューガイドとして機能しやすくなります。特に半構造化インタビューでは、「深堀り質問」をあらかじめ複数用意しておき、回答内容に応じてどの質問をするか判断するとよいでしょう。

インタビューガイド作成のコツ

インタビューガイドを機能させるために、作成の段階で押さえておきたいコツを紹介します。

作り込みすぎない

インタビューガイドは「作り込みすぎない」ことがポイントです。半構造化インタビューでは、想定していなかった話題や回答者の意外なエピソードから貴重な洞察が得られることも少なくありません。

ガイドが厳格すぎると、インタビュアーは話題が逸れることに対して不安を感じ、柔軟に深堀りできなくなる恐れがあります。ガイドはあくまで「道しるべ」であり、全ての流れを完璧に決めるためのものではないことを意識しましょう。

時間軸を意識した展開にする

「時間軸」を意識することは、回答者が答えやすい質問内容とするために効果的です。たとえば、製品やサービスの利用状況について聞く場合でも、「最初に利用したきっかけ」→「現在の利用頻度や方法」→「今後の期待や要望」といった流れで質問すると、自然なストーリーが生まれやすくなります。

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける

質問の形式には「クローズドクエスチョン」(はい/いいえや、用意された選択肢から選んでの回答)と「オープンクエスチョン」(自由回答)の2種類があります。

クローズドクエスチョンは短時間で明確な情報を得るのに有効ですが、それだけでは深いインサイトが得られにくいです。

一方、オープンクエスチョンは自由度が高いため、回答者の意見を引き出しやすく、インタビューで得られる情報の質を高めます。ただし、回答に時間を要することが多く、話が脱線しやすいという側面もあります。両方の質問を適切に組み合わせることが重要です。

ワンクエスチョン・ワンアンサーを意識する

1回の質問につき、回答者が1つのポイントに集中しやすいように設計することを「ワンクエスチョン・ワンアンサー」と呼びます。複数の要素を一度に聞いてしまうと、回答者も答えにくくなり、曖昧な返答になってしまいがちです。

例えば、「商品をいつ、どのように知りましたか?そのときの印象はどうでしたか?」といったように、1つの質問で複数のことを尋ねると回答が複雑化してしまいます。

インタビューガイドを作成する段階で、「質問が複数の要素を含んでいないか」をチェックし、ひとつひとつの質問をシンプルにしましょう。

インタビューガイドの使用時のポイント

インタビューガイドを使って調査を行うときに、押さえておきたい注意点や心構えを解説します。

柔軟な対応を意識する

半構造化インタビューは、インタビューガイドに沿って進めつつも、回答者の話の流れに合わせて質問を追加したり順序を変えたりする柔軟性が求められます。ガイド通りに進めることだけに固執すると、回答の中で新たに浮上した興味深いトピックに気づけない可能性があります。話の脱線は必ずしも悪いことではなく、新たな発見をもたらすチャンスかもしれません。ガイドに囚われすぎない柔軟な対応を意識しましょう。

リラックスできる雰囲気づくりも大切

回答者がリラックスして話せるかどうかで、インタビューで得られる情報の質は変わります。進行表を読み上げるだけではなく、アイスブレイクや雑談を挟んで場を和ませる工夫も大切です。インタビューガイドで質問順序や内容を設定しているからこそ、回答者の反応を見ながら適宜雰囲気づくりをする余裕が生まれるはずです。

回答は客観的に受け止める

回答者の意見や感想を聞くとき、インタビュアー自身の主観や予測を押し付けない姿勢が重要です。「それは〇〇ですよね?」と誘導したり、「〇〇という答えはよく聞くんですよ」といった不要なコメントを重ねると、回答が歪められる可能性があります。客観的・中立的な姿勢で回答に耳を傾けましょう。

インタビュー調査なら国内最大級のダイレクトリサーチサービス『ユニーリサーチ』

ユニーリサーチ」は、調査会社を介さずに「最短当日・従来調査費用の10分の1以下」での様々なリサーチを可能にする国内最大級のダイレクトリサーチサービスです。数万人の多様なユーザーにアプローチでき、基本属性の選定や事前設問によるスクリーニングで調査の目的に沿わないユーザーとのミスマッチを防止します。

「オンラインインタビュー」やオフラインでの「会場調査」「訪問調査」などのインタビュー募集にもご活用いただけます。2025年7月時点で、登録企業3,000社、累計リサーチ件数60,000件を突破した「ユニーリサーチ」をぜひこの機会にご検討ください。

SHARE
xfacebookline
この記事を書いた人
ユニーリサーチ編集室
ユニーリサーチ編集室
ユニーリサーチは、最短当日・従来調査費用の10分の1以下でユーザーインタビューやアンケート調査、PoC・ホームユーステストなどが可能なダイレクトリサーチサービスです。ユーザーリサーチやプロダクト開発を進める上でのお役立ち情報を発信しています。
サービス資料ダウンロードセミナー情報ユニーリサーチ
初期費用
月額費用
0
エフェクト
カンタン 登録
背景1背景2