ペルソナ設定のやり方とは?作成方法(項目・手順・注意点)とメリットを解説
マーケティングの有効な手法として「ペルソナ設定」は活用されています。ペルソナ設定を行うことで、ターゲットをより詳細に絞り込むことができ、想定される顧客を明確にイメージしやすくなります。この記事では、ペルソナ設定の項目、手順、注意点といった作成方法と、作成するメリットについて解説します。
- マーケティングで重視される「ペルソナ」とは?
- 「ペルソナ」設定の目的は?
- 「ペルソナ」の項目例
- デモグラフィック属性(社会的・経済的な属性)
- サイコグラフィック属性(心理的属性)
- ペルソナとターゲットの違いは?
- どんな時に設定する? 活用例は?
- ペルソナを設定するメリット
- 顧客視点での議論ができるようになる
- 顧客の性格やライフスタイルなどにあわせたアプローチが可能になる
- 開発チームで共通認識ができる
- ペルソナを設定する際の注意点
- 理想の顧客像ではなく現実に即した設定にする
- データを活用し 主観や思い込みで設定しない
- 外部的な情報だけでなく内面まで設定する
- 定期的な見直し・アップデートが必要
- ペルソナの基本的な設定方法と手順
- ペルソナ設定に必要な情報を収集する
- 情報を整理してペルソナのアウトラインを作成する
- ペルソナシートに落とし込み ペルソナ名やイメージを明確化する
- ペルソナを共有しマーケティング活動に活用する
- ペルソナ設定に必要な情報を収集する方法
- 社内データの分析
- 顧客へのアンケート
- ユーザーインタビュー
- SNS・口コミ・オープンデータ
- ペルソナ設定の情報収集にはユニーリサーチがおすすめ
マーケティングで重視される「ペルソナ」とは?
ペルソナはラテン語で「仮面」を意味しており、主にマーケティング業界では「製品やサービスを使用する典型的なユーザー像」として用いられます。ペルソナを設定する際は、デモグラフィック属性(性別、年齢などの社会的・経済的な属性)と、サイコグラフィック属性(価値観や趣味などの心理的属性)に加え、人物像やストーリーまで詳細に作り込み、「実在しそうな一個人」まで落とし込むのが一般的です。
「ペルソナ」設定の目的は?
ペルソナを決めることを「ペルソナ設定」といい、製品やサービスを訴求する対象・方法を決める目的で活用される手法です。また、ユーザーがどんな製品、どんなサービスを求めているのかを具体的に想定し、よりニーズに合う製品・サービスを提供するためにも有効です。
「ペルソナ」の項目例
ペルソナを設定する際の項目は大きく分けて、デモグラフィック属性とサイコグラフィック属性に分けられます。項目に決まりはありませんが、一般的には以下のような項目を設定します。
デモグラフィック属性(社会的・経済的な属性)
名前
年齢
性別
職業
役職
年収
家族構成
居住地 など
サイコグラフィック属性(心理的属性)
性格
価値観
趣味嗜好
悩み
目標、夢
ライフスタイル など
これらの項目に加え、訴求したい製品・サービスによって必要な項目を足していきます。例えば、製品がスマートフォン用アプリであれば、「スマートフォンの機種」や「普段使用しているアプリ」などの項目を加えたりします。
ペルソナとターゲットの違いは?
ペルソナとターゲットの違いは、「作り込みの詳細さ」です。
ターゲットは、対象を年代や性別などの属性によってざっくり定めます。一方ペルソナは、対象を特定の1人まで詳細に作り込んで定めます。
ターゲット:「20代女性」
ペルソナ:「佐藤幸子さん、24歳、女性、東京都在住、アパレル勤務……」
対象をぐっと絞り込んだマーケティングを行うことで、ペルソナに合致した人が、「自分に向けられたサービスである」と感じやすくなります。
どんな時に設定する? 活用例は?
ペルソナ設定は、新商品・新サービスの開発や、既存商品を改良する時によく用いられます。設定したペルソナは、商品企画やプロモーションなどに活用できます。ペルソナを設定するのとしないのとでは、訴求効果がまったく異なりますので、ぜひ活用してみてください。
ペルソナを設定するメリット
ペルソナ設定には、一般的に以下のようなメリットが挙げられます。
顧客視点での議論ができるようになる
社内やチーム内で議論をしていると、どうしても売り主の視点で考えてしまいがちです。ペルソナを設定することによって、想定される顧客を具体的に想像することができるため、「何が欲しいか」「どんなことに困っているか」といった顧客の視点を持つことができます。また、顧客視点で考えることによって、顧客の抱える問題点や、困りごとを発見しやすくなります。
顧客の性格やライフスタイルなどにあわせたアプローチが可能になる
ペルソナ設定は、届けたい層の明確化にとても有効です。適切にしたペルソナの「行動」「趣味嗜好」「ライフスタイル」を製品・サービスに反映させることで、もっとも刺さりやすい層へのアプローチが可能になります。
開発チームで共通認識ができる
ペルソナの設定は、開発チームやプロジェクトメンバーなど、議論を行う複数人で共通の認識を持つのにとても適しています。ペルソナ設定では、写真(またはイラスト)を使用して、想定するユーザー像を顔が見える形まで、具体的に設定します。つまり、メンバー内で共通する知人を得られるということです。これにより、メンバー内で認識がすれ違うことも少なくなります。
ペルソナを設定する際の注意点
ペルソナ設定を行う際には、注意するべき点もあります。
理想の顧客像ではなく現実に即した設定にする
ペルソナは、あくまでも「典型的なユーザー像」であり、「理想の顧客像」ではありません。この点を勘違いしてしまうと、自社の理想を押し付けた誤った顧客像を描いてしまうことになり、本来訴求したい対象へ届かないという事態になりかねません。正しいニーズを把握するためにも、理想ではなく現実的なユーザー像を設定しましょう。
データを活用し 主観や思い込みで設定しない
ペルソナ設定に思い込みや先入観は禁物です。「女性だから美容に興味があるだろう」といった決めつけをペルソナに反映してしまうと、実際のニーズとずれてしまう懸念があります。情報収集や調査を必ず行い、裏付けのあるデータを得るようにしましょう。
外部的な情報だけでなく内面まで設定する
ペルソナの性格や趣味嗜好といった内面の設定が不足していると、訴求するべきペルソナの困りごとや課題が不明確であったり、開発チーム内で共通の認識が持てなかったりということが懸念されます。
とはいえ、作り込みすぎるのもおすすめしません。訴求したい製品・サービスに応じて、必要な項目を吟味し、設定するようにしましょう。
定期的な見直し・アップデートが必要
ペルソナは設定して終了ではありません。設定したペルソナを使ってプロモーションを行ううちに、届けたいニーズとのずれに気づく場合もあります。そうした場合は、適宜ペルソナを修正します。
加えて、市場環境の変化は、ライフスタイルや価値観に影響を与えます。社会の変化に合わせて定期的な見直しやアップデートを行いながら、ペルソナを運用していきましょう。
ペルソナの基本的な設定方法と手順
実際にペルソナを設定する際の、基本的な設定方法と手順について解説します。
大まかな手順は以下の通りです。
情報収集 → 情報整理・ペルソナのアウトラインを作成 → ペルソナシートの作成 → 実際に運用する
ひとつずつ解説します。
ペルソナ設定に必要な情報を収集する
はじめに、ペルソナを設定するために必要な情報を収集します。
収集するべき情報は、
自社について(立ち位置や強み、狙うべきターゲット層についてなど)
顧客のリアルな声
統計的なデータ
などが挙げられます。情報収集の方法については、次の章で解説します。
情報を整理してペルソナのアウトラインを作成する
必要な情報が集まったら、集めた情報を整理します。属性(性別、年代、趣味嗜好など)でグルーピングするのがおすすめです。グルーピングした情報から、想定する顧客の傾向や数を分析し、ペルソナにどんな項目が必要かを決定します。
ペルソナシートに落とし込み ペルソナ名やイメージを明確化する
ペルソナのアウトラインが決まったら、ペルソナシートに落とし込みます。ペルソナシートとは、ペルソナの情報を集約した一覧表のことです。写真(またはイラスト)や属性、趣味嗜好などの内面的な情報に加え、その人物の性格を表すストーリーを記載します。ペルソナシートを作成することで、名前や顔の分かる一個人としてイメージを明確化します。
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ペルソナを共有しマーケティング活動に活用する
作成したペルソナシートは、開発チームや社内で共有します。メンバー内の認識がひとつになった状態で、マーケティング活動に活用しましょう。
ペルソナ設定に必要な情報を収集する方法
ペルソナ設定では、情報収集が必要と前の章で述べました。では、情報を収集するためにどのような手法があるのでしょうか。主な方法をご紹介します。
社内データの分析
既に製品やサービスを展開している場合、自社が持っている顧客データは、貴重な情報源です。ペルソナ設定に活かすことができるほか、自社の立ち位置や強みを明確にすることにも有効です。
また、営業担当へのヒアリングもおすすめです。営業担当は、実際に顧客に接する分、データには表れていないリアルな情報を持っていることがあります。
顧客へのアンケート
既存の製品・サービスの改善を行う場合、顧客へのアンケートも有効です。社内で保持する顧客のデータから、想定するターゲット層にアンケートを実施します。
新製品・新サービスの場合、WEBアンケートサービスなどを利用して潜在顧客へのアンケートを収集することも可能です。
ユーザーインタビュー
インタビューは、ユーザーの生の声を集める手法として最も効果的です。アンケートやデータでは収集しきれない、ライフスタイルや価値観、趣味嗜好まで、深掘りして聞くことができます。深掘りされた情報を収集することで、よりリアルなペルソナを設定することが可能です。ペルソナ設定のための情報収集として、おすすめの方法です。
SNS・口コミ・オープンデータ
最も手軽な方法が、SNSや口コミサイトからの情報収集です。自社や競合他社の商品名などを検索し、ユーザーの書き込みから情報を集めます。製品・サービスに対する不満などを書きこんでいる場合もあるため、課題発見も見込めます。
また、政府や自治体が公開した調査報告などのオープンデータも、確かな裏付けの取れたデータとして活用できます。
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