アンケートの基本属性の聞き方は?年齢区分の分け方や業種・職業の質問方法等を解説
アンケート調査において年齢、性別、居住地などの基本属性を尋ねることは、結果を分析し、活用するために重要です。しかし、プライベートな情報であるためその質問方法には配慮や工夫が求められます。
この記事では、アンケート調査における基本属性分けの重要な理由や基本属性別の聞き方の注意点などを解説します。
- アンケート調査における基本属性とは?
- アンケート調査で属性分けが重要な理由
- データの分類と分析
- ターゲット層の特定
- 回答の信頼性確認
- 調査結果の一般化
- 基本属性を活用した分析方法
- セグメント分析
- クロス集計分析
- 相関分析
- 基本属性に関する質問項目と聞き方の注意点
- 「年齢」の聞き方の注意点
- 「年齢」に関する 質問項目と回答区分の例
- 「性別」の聞き方の注意点
- 「性別」に関する質問項目と回答区分の例
- 「職種」の聞き方の注意点
- 「職種」に関する質問項目と回答区分の例
- 「業種」の聞き方の注意点
- 「業種」に関する質問項目と回答区分の例
- 「居住地」の聞き方の注意点
- 「居住地」に関する質問項目と回答区分の例
- 「家族構成」の聞き方の注意点
- 「家族構成」に関する質問項目と回答区分の例
- 「婚姻状況」の聞き方の注意点
- 「婚姻状況」に関する質問項目と回答区分の例
- 「子どもの有無」の聞き方の注意点
- 「子どもの有無」に関する質問項目と回答区分の例
- 「同居家族」の聞き方の注意点
- 「同居家族」に関する質問項目と回答区分の例
- 「年収」に関する質問項目と聞き方の注意点
- 「年収」に関する質問項目と回答区分の例
- 「学歴」に関する質問項目と聞き方の注意点
- 「学歴」に関する質問項目と回答区分の例
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アンケート調査における基本属性とは?
アンケート調査における「基本属性」とは、回答者を識別し、その属性を把握するために尋ねる基本的な情報のことです。
具体的には「性別」「年齢」「居住地」「職種」「業種」「家族構成」「婚姻状況」「子どもの有無」「年収」「学歴」などがあります。
アンケート調査で属性分けが重要な理由
アンケート調査で基本属性を把握し、属性分けすることは、調査結果の分析や解釈に大きな影響を与えます。属性分けが重要な理由を解説します。
データの分類と分析
属性分けにより、回答者を様々なグループに分類することができます。各グループの特徴や傾向を把握し、より詳細な分析が可能になります。
ターゲット層の特定
属性情報を活用することで、層別の回答傾向を把握でき、自社の商品・サービスのターゲット層の特定に役立ちます。ターゲット層の情報はマーケティング戦略やサービス改善に活用できます。
回答の信頼性確認
属性情報を用いて、回答の整合性を確認し、データの信頼性を高めることもできます。例えば、年齢と家族構成の組み合わせが不自然な回答を除外することで、データの品質向上につながります。
調査結果の一般化
回答者の属性分布が母集団と一致しているかを確認することで、調査結果を母集団全体に適用できるか(一般化できるか)を判断できます。例えば「現在サービスを利用しているユーザー」を母集団としていても、回答者の基本属性の比率が母集団での比率と大きく異なる場合は、結果を全体に適用できるとは言えないでしょう。
基本属性を活用した分析方法
収集した基本属性を他の質問項目と組み合わせることで、より深い分析が可能になります。分析方法の例をご紹介します。
セグメント分析
基本属性を用いて回答者をグループ分けし、各グループ(セグメント)の特徴や傾向を分析します。セグメントごとの特徴を理解することで、ターゲット層にあわせた戦略立案を行うことができます。
クロス集計分析
複数の基本属性を組み合わせることで、より詳細な分析をすることができます。例えば、年齢と職業、顧客満足度をクロス集計することで、各世代の性別ごとの満足度を比較することができます。
相関分析
基本属性と他の質問項目との相関関係を分析することで、属性が回答に与える影響を明らかにできます。
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基本属性に関する質問項目と聞き方の注意点
基本属性に関する質問項目は、調査の目的や対象となるユーザー層に応じて適切に設定することが重要です。目的にとって必要な属性は把握する必要がありますが、質問の数が増えたりプライバシーに関わる質問が入ったりすることで、途中離脱するユーザーが増える可能性も高まります。
アンケート調査で良く用いられる「基本属性」の質問項目と回答区分の例、および質問する際に注意すべき点をご紹介します。
「年齢」の聞き方の注意点
「年齢」は、回答者のライフステージや社会経験を反映する属性です。回答するユーザーの年齢層や調査内容に応じて、回答方式を選択します。
ただし、実年齢を尋ねられることを嫌う方もいるため、年代別、年齢層別にする、「回答しない」という選択肢を設ける、などの配慮を検討することをおすすめします。また、特定の時点での実年齢が重要な調査の場合は、いつの時点での年齢を尋ねているのかを明確にしましょう。
「年齢」に関する 質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたの年齢をお答えください。」
回答方法の例:実年齢を記入 ( )歳
回答区分の例:年代別 10代以下 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上
回答区分の例:年齢層別 15-19歳 20-24歳 25-29歳 30-34歳 35-39歳 40-44歳 45-49歳 50-54歳 55-59歳 60-64歳 65-69歳 70-74歳 75-79歳 80- 歳
「性別」の聞き方の注意点
「性別」について質問する場合、近年では多様性への配慮が求められています。 性的指向や性自認に配慮した表現を用いるため
「その他」の選択肢を設ける
「回答しない」という選択肢を設ける
必要に応じて自由記述欄を設ける
等の表現をする場合もあります。
「性別」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたの性別をお答えください。」
回答区分の例 男性 女性 その他( ) 回答しない
「職種」の聞き方の注意点
「職種」は回答者の仕事内容や専門性を示す属性です。あらかじめ想定される職種を網羅的に設定し、回答者が自身の職種を見つけやすいようにしましょう。調査目的に応じた分類を用い、場合によっては複数回答可能な設計も検討します。
また、就業の有無はデリケートな話題でもあるため、「無職」ではなく「現在就業していない」などの表記にすることをおすすめします。
「職種」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたの現在の職種をお答えください。」
職種区分の例: 経営・管理 営業・販売 事務・総務・人事 企画・マーケティング 研究・開発 製造・生産 IT・エンジニア デザイン・クリエイティブ 医療・福祉 教育・保育 サービス・接客 学生 主婦・主夫 公務員 自営業 パート・アルバイト 現在就業していない その他(自由記述)
「業種」の聞き方の注意点
「業種」は回答ユーザーの勤務先の産業分野を示し、企業向けの商品・サービスに関する調査の場合や、同業他社に勤務するユーザーを除外したい場合にも重要となる属性です。
業種分類は日本標準産業分類などの公的分類に準拠することで、他の調査とも比較しやすくなります。また、「その他」の選択肢と自由記述欄を設けることも回答の離脱を防ぐために重要です。
「業種」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたのお勤め先の業種をお答えください。」
日本標準産業分類に基づいた区分の例:
農業、林業 漁業 鉱業、採石業、砂利採取業 建設業 製造業 電気・ガス・熱供給・水道業 情報通信業 運輸業、郵便業 卸売業、小売業 金融業、保険業 不動産業、物品賃貸業 学術研究、専門・技術サービス業 宿泊業、飲食サービス業 生活関連サービス業、娯楽業 教育、学習支援業 医療、福祉 複合サービス事業 サービス業(他に分類されないもの) 公務(他に分類されるものを除く) その他(自由記述)
「居住地」の聞き方の注意点
「居住地」は地域特性や生活環境を反映する属性ですが、個人情報保護の観点から、記述式等の詳細すぎる情報の回答は避けることが多いです。調査の規模や目的に応じて、適切な地域区分を設定しましょう。調査内容によっては海外在住者を想定した選択肢も用意する必要があります。
「居住地」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたのお住まいの地域の郵便番号を教えてください。」
回答方法の例:郵便番号を記入 〒〇〇〇-〇〇〇〇
質問文の例: 「あなたの居住地をお答えください。」
回答区分の例:都道府県別 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 海外
回答区分の例:地方別 北海道
東北地方
関東地方
中部地方
近畿地方
中国地方
四国地方
九州地方
沖縄県
海外
「家族構成」の聞き方の注意点
「家族構成」は、回答ユーザーの生活環境や消費行動に影響を与える属性です。同居家族や世帯人数など、調査のために必要な内容を尋ねます。
「家族構成」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたの家族構成をお答えください。」
回答区分の例 単身
夫婦のみ
夫婦と子ども
ひとり親と子ども
三世代同居
その他(自由記述)
質問文の例: 「現在、お住まいの世帯の人数を以下の選択肢からお選びください。」
回答区分の例 1人
2人
3人
4人
5人
6人以上
「婚姻状況」の聞き方の注意点
「婚姻状況」は、回答者のライフスタイルを反映する属性です。調査内容によっては、未婚の場合の結婚意向の有無や、既婚の場合の婚姻期間を尋ねることもあります。プライバシーに配慮し、「回答しない」の選択肢を設けることも検討しましょう。
「婚姻状況」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたの現在の婚姻状況を以下の中からお選びください。」
最小限の回答区分の例: 未婚
既婚
離別/死別
回答しない
質問文の例: 「あなたの現在の婚姻状況と今後の結婚のご予定について、以下の中からお選びください。」
今後の結婚予定も尋ねる回答区分の例: 未婚(結婚の予定なし)
未婚(結婚の予定あり)
既婚
事実婚
既婚
別居中
離別/死別(再婚の予定なし)
離別/死別(再婚の予定あり)
回答しない
「子どもの有無」の聞き方の注意点
「子どもの有無」は、回答者の生活スタイルや消費行動に大きく影響する属性です。調査の目的によっては、子どもの年齢や人数について詳しく聞く場合もあります。子供の有無についても、プライバシーに配慮するため「回答しない」の選択肢も設ける場合があります。また、対象とする「子ども」の年齢を具体的に指定した方がより正確なデータを得ることができます。
「子どもの有無」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「現在、あなたに18才未満のお子様はいらっしゃいますか?」
子供の有無のみを尋ねる回答区分の例: いる
いない
回答しない
質問文の例: 「現在、あなたに18才未満のお子様はいらっしゃいますか?いらっしゃる場合は、お子様の人数をお答えください。」
子供の人数も尋ねる回答区分の例: いない
1人
2人
3人
4人以上
「同居家族」の聞き方の注意点
「同居家族」は、回答者の生活環境を反映する属性です。プライバシーに配慮し、「その他」や「回答しない」の選択肢も設けます。
「同居家族」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「 同居しているご家族をお答えください。」
回答区分の例: 配偶者
子ども
親
祖父母
兄弟姉妹
その他の親族
非親族
一人暮らし
その他(自由記述)
回答しない
「年収」に関する質問項目と聞き方の注意点
「年収」は、回答者の経済状況や購買力を示す重要な属性ですが、非常にセンシティブな情報でもあります。プライバシーに配慮して「回答しない」選択肢を設け、回答しやすいように幅のある区分を設定します。また、正確なデータを得るために、どの時点での年収か、税込か手取りか、本人の年収か世帯年収か、なども質問文で明確にします。
「年収」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたの昨年度の世帯年収(税込)をお答えください。」
回答区分の例: 200万円未満
200万円~400万円未満
400万円~600万円未満
600万円~800万円未満
800万円~1,000万円未満
1,000万円以上
わからない・答えたくない
「学歴」に関する質問項目と聞き方の注意点
「学歴」は、回答者の教育背景や知識レベルを示す属性ですが、こちらもセンシティブな情報です。調査目的に応じて適切な区分を設定し、「回答しない」の選択肢を設ける配慮が重要です。
「学歴」に関する質問項目と回答区分の例
質問文の例: 「あなたの最終学歴をお答えください。」
最終学歴のみを尋ねる回答区分の例: 中学校卒業 高等学校卒業 専門学校卒業 短期大学卒業 大学卒業 大学院修了(修士) 大学院修了(博士) その他 回答しない
質問文の例: 「あなたの最終学歴、または現在の学業状況を以下の中からお選びください。」
現在の学業状況も含め尋ねる回答区分の例: 中学校卒業
高等学校卒業
専門学校在学中
専門学校卒業
短期大学在学中
短期大学卒業
大学在学中
大学卒業
大学院在学中
大学院修了
その他
回答しない
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