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カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?重要視される背景や顧客体験向上のポイントを解説

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?重要視される背景や顧客体験向上のポイントを解説

「顧客体験(CX:Customer Experience)」とは、顧客が企業と接するうえで得るすべての体験を指します。企業と顧客の関係性が変化していく中で、マーケティング分野などで注目を集めています。 本記事では、CXの基本概念や重要視される背景、そしてCX向上のポイントについて解説します。

顧客体験(CX/カスタマーエクスペリエンス)とは?

「顧客体験(CX:Customer Experience)」とは、顧客が企業やブランドとの関係を通じて得るすべての体験のことを指し、購入前の情報収集から購入、利用後のアフターサービスに至るまで、すべての接点(タッチポイント)における体験が含まれます。顧客体験(CX)には、単に商品やサービスの品質や使いやすさだけでなく、接客態度や店舗の利便性、企業やブランドが提供する価値観、信頼感など幅広い要素が影響します。これらの顧客体験を総合的に向上させることが、顧客満足度やロイヤリティを高める重要な鍵と考えられています。

顧客体験(CX)に似た言葉として「ユーザーエクスペリエンス(UX)」があります。ユーザーエクスペリエンス(UX:User Experience)」は、商品やサービスを利用する際やその前後でユーザーが得るすべての体験を指します。「CX」は企業やブランド全体に対する体験であり、「UX」は特定の商品やサービスの利用に関する体験を指すため、UXはCXの一部と言えます。

▼「ユーザーエクスペリエンス(UX)」についてのより詳しい記事はこちら

ユーザーエクスペリエンス(UX)の基礎知識とユーザー体験向上のコツ
ユーザーエクスペリエンス(UX)の基礎知識とユーザー体験向上のコツ

顧客体験(CX)が重要視される背景

近年、顧客体験(CX)が注目される背景には、顧客接点の多様化と競争の激化があります。それぞれについて詳しく解説します。

デジタル化による顧客接点の多様化

デジタル技術の進化により、企業と顧客の接点は多様化しています。オンラインショップやSNS、チャットボットなどのデジタルチャネルが普及し、顧客は24時間いつでも情報収集や問い合わせが可能となりました。また、SNSや口コミサイトの普及により、良い体験も悪い体験も瞬時に広がり、ブランドイメージに大きな影響を与えるようになっています。

このような変化に伴い、企業はこれらの接点ごとに一貫した体験を顧客に提供する必要があります。デジタルツールを活用し、効率的かつパーソナライズされた対応をすることが求められています。

企業同士の競争の激化

顧客体験は、企業間競争において重要な差別化要因とされています。昔は価格や品質が主な競争軸でしたが、今は様々な要素を含む「体験」の質が購買意欲を大きく左右します。

商品やサービスの品質が同じ水準であれば、顧客は次に「どの企業がより良い体験を提供するか」を基準に商品を選択します。特に、サブスクリプション型ビジネスでは、顧客体験が解約率や収益に直結しやすいため、顧客体験の向上が企業成長の必須条件と考えられています。

企業が顧客体験(CX)を重視するメリット

企業が顧客体験を重視することで、顧客ロイヤリティやブランドイメージを高めることが期待でき、取得した顧客データはマーケティング面でも活用できます。3つそれぞれについて解説します。

顧客ロイヤリティの向上

顧客体験の向上は、顧客ロイヤリティの向上につながるとされています。ロイヤリティが高い顧客は、他社への乗り換え率が低く、購入頻度や単価も上がる傾向があります。また、他の顧客に自社の商品やサービスをすすめる可能性も高く、口コミによる新規顧客の獲得も期待できます。

ブランドイメージ向上

良い顧客体験は、ブランドイメージの向上にも寄与します。顧客は、商品やサービスだけでなく、企業全体の姿勢や価値観を評価する傾向があります。例えば、迅速な対応や親切なサポートは、企業の信頼性を高め、ブランドのファンを増やしてくれるでしょう。また、ポジティブな口コミや評価がブランドの認知度や信頼度をさらに広げる助けになります。

マーケティングへの活用

顧客体験を重視して取得した様々な顧客データは、マーケティング戦略にも活用可能です。顧客の行動パターンや好みを分析することで、ターゲティングやパーソナライズを進めることができます。また、顧客からのフィードバックを商品やサービスの改善に活かすこともできます。

顧客体験(CX)を向上させるための3ステップ

ここでは、実際に企業が顧客体験を向上させるために有効なプロセスを紹介します。

STEP1 顧客体験を整理し、現状を把握する

まず、現在の顧客体験を整理しましょう。顧客が企業とどのような接点を持ち、どのような体験をしているのかを詳細に把握します。例えば、店舗での購入であれば「来店前」「来店・購入」「購入後」といった時系列に分けることで、整理しやすくなります。

整理する際には、顧客インタビューやアンケートを活用し、顧客視点での現状分析を行うのがおすすめです。現状を把握することで、改善すべきポイントを明確化できます。さらに、各接点における課題を細分化し、優先度を設定することで、効果的な改善策を立案することが可能です。

STEP2 NPSを活用して顧客ロイヤリティを測る

NPS®(Net Promoter Score)は、顧客の推奨意向を測る指標で、CX向上に役立つとされています。「あなたはこの企業(ブランド)を友人や同僚どの程度勧めたいと思いますか?」という質問を基に、顧客ロイヤリティを定量化します。このスコアを継続的に追跡することで、改善の効果を測定し、戦略を見直すことができます。NPSは、「あなたはこの企業(ブランド)に満足していますか?」という単なる満足度の評価よりも購入意欲や離脱率と連動しやすい指標と言われています。また、推奨意向が高い顧客(推奨者)と低い顧客(批判者)を特定することで、特定の顧客層に向けたアプローチを強化する材料としても活用可能です。

STEP3 課題を明確にし、改善策を実行する

顧客体験の把握とNPSなどの指標を組み合わせることで、顧客が離れる原因や不満を抱く場面がより把握しやすくなります。これらの課題を分析し、具体的な改善策を考案・実行しましょう。課題解決には、関係部門の連携が重要です。組織全体での取り組みが、CX向上を実現する鍵となります。

また、進捗の定期的なモニタリングや顧客からのフィードバックの継続的な収集、NPSの再測定などをしながら改善策の精度を上げ、継続的なCX向上に努めていきましょう。

顧客体験(CX)向上のポイント

顧客体験向上のためのポイントをご紹介します。

業務プロセスを整理し、課題を見つけやすくする

顧客体験を向上させるために、業務プロセスの整理は重要です。業務プロセスを整理してまとめたマニュアルなどを準備することはサービスの安定化とスムーズ化につながるだけでなく、流れが明確になることで、どこで課題が生まれているか発見しやすくなり、迅速な課題解決につながります。部門間での情報共有や引き継ぎミスが減ると連携がスムーズになり、顧客から見たときに企業全体が自分に向き合っていると感じられるようになるでしょう。

顧客情報の管理を徹底する

顧客情報の管理は、CX向上の基盤となります。一元化された顧客データベースを活用することで、各部門が顧客の状況を共有でき、統一感のある対応が可能となります。それぞれのニーズに応じたパーソナライズを実現するためにも個々の顧客の情報は必要です。また、データの更新頻度を高めることで、常に正確な情報を基にした対応が可能になります。ただし、個人情報保護の観点から、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

カスタマージャーニーマップを活用する

顧客が初めて商品・サービスに接触する瞬間から購入、アフターサポートに至るまでの一連の体験をまとめたものを「カスタマージャーニー」といい、カスタマージャーニーを視覚的に整理したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。

このマップを活用することで、顧客の体験をより深く理解し、重要な改善ポイントを見つけることが期待されます。また、関係者間での情報共有にも役立ちます。

▼「カスタマージャーニーマップ」についてのより詳しい記事はこちら

カスタマージャーニーマップとは? 作成の目的から作り方までを解説
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ユニーリサーチ編集室
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