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カスタマージャーニーマップとは? 作成の目的から作り方までを解説

カスタマージャーニーマップとは? 作成の目的から作り方までを解説

カスタマージャーニーは、顧客が初めて商品・サービスに接触する瞬間から購入、アフターサポートに至るまでの一連の体験をまとめたものです。カスタマージャーニーを視覚的に整理したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。 カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の視点から企業のサービスや商品がどのように認識されているか、理解しやすくなります。 この記事では、カスタマージャーニーマップ作成の目的から作り方まで解説します。

カスタマージャーニーマップとは?

「カスタマージャーニーマップ」とは、自社商品・サービスと顧客の接点(タッチポイント)や行動、感情の変化を時系列で示し、顧客が購入・登録に至るまでのプロセスを旅(Journey)に例え、視覚的に見やすくなるようにまとめたものです。 購入までのプロセスを例えば以下のように設定し、それぞれの段階において、どのようなタッチポイントや顧客の行動、感情が考えられるかを整理します。

  1. ニーズ認識:ほしい、必要と感じる

  2. 商品認知:商品を知り、魅力を感じる

  3. 比較検討:他社製品と比較する

  4. 購入:実際に購入する

  5. 利用:実際に利用する

  6. 継続:リピート購入する

ニーズや行動が多様化している現在、顧客の抱える課題は様々です。顧客がどのような課題や思考を持っているかによって、企業側が行うべきコミュニケーション方法は変わってくるでしょう。カスタマージャーニーマップを作成して情報をしっかり整理することで、顧客が意思決定に至るまでの理想の体験を提供する大きなヒントになります。

カスタマージャーニーマップを作成するメリット

カスタマージャーニーマップを作成するメリットには、次の3つがあげられます。

1. 顧客理解が深まる

カスタマージャーニーマップを作成する過程では顧客の行動や感情を詳細に分析するため、どうしても企業(売り手)目線になりがちな思考を、顧客(買い手)目線の思考に切り替えやすくなり、顧客理解が深まります。どのタッチポイントでどのようなアプローチがあれば、顧客が次のステップに進めるかを想定しやすくなるでしょう。

2. 施策の優先順位が明確になる

カスタマージャーニーマップで各タッチポイントにおいて顧客が直面する課題を整理することで、課題の前後にある思考や行動を踏まえて、改善施策の優先順位を明確にできます。 どの企業でも、マーケティングにかけられる人的リソースや予算は有限です。限られたリソース・予算を有効に活用するためにも、カスタマージャーニーマップを活用し、顧客が直面する課題の見落としが無いようチェックしましょう。

3. チームで共通認識を持つことができる

カスタマージャーニーマップは、チーム全体で顧客の視点を共有するためのツールとして機能します。商品・サービスの購入や継続といった目的を達成するには、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、異なる部門が一体となって施策を打ち出すこともあります。その際、チーム全体で同じ認識を持っているか否かは、顧客へのコミュニケーションの取り方などに大きくかかわってきます。一貫性のあるサービスの提供のためにも、カスタマージャーニーマップを活用して共通認識を持っておくことをおすすめします。

カスタマージャーニーマップと他手法の違い

カスタマージャーニーマップに類似するものとして、ペルソナとユーザーストーリーマップがあります。それぞれとの違いについて解説します。

ペルソナとの違い

「ペルソナ」は、「製品やサービスを使用する典型的なユーザー像」であり、顧客の属性や行動パターンを明確にするために使用されます。 一方、カスタマージャーニーは、顧客が商品やサービスとどのように関わっていくかを時系列で示すものです。ペルソナは顧客が「誰か」を定義し、カスタマージャーニーマップはその人が「どのように行動するか」を示します。ペルソナとカスタマージャーニーマップは補完的な関係であり、両者を組み合わせることで、より深い顧客理解が可能となります。

ユーザーストーリーマップとの違い

「ユーザーストーリーマップ」は、商品やサービスを利用するユーザーが特定の目標を達成するために行う一連のアクションを視覚化したもので、主にソフトウェア開発やプロダクトマネジメントで使用されます。ユーザーの具体的な目的と、目的が達成された時に得られるメリットを定義し、ソフトウェアの機能面などにおける課題の洗い出しや改善に用います。 一方、カスタマージャーニーマップは、顧客の体験を包括的に示すものです。ユーザーストーリーマップが特定のサービスや機能に焦点を当てるのに対し、カスタマージャーニーマップは顧客の生活全体にわたる体験を描写します。

カスタマージャーニーマップの作成ステップ

カスタマージャーニーマップを実際に作成するための手順を解説します。

STEP1: ゴールを設定する

カスタマージャーニーマップを作成する際、まず最初に行うべきは明確なゴールの設定です。例えば、新しい製品の導入、既存サービスの改善、特定のマーケティングキャンペーンの効果測定など、具体的な目的を持つことが重要です。ゴールが明確であれば、それに向けたステップをより効果的に計画することができます。

STEP2: ペルソナを設定する

次に、ターゲットとする顧客のペルソナを設定します。一般的に、カスタマージャーニーマップはペルソナごとに作成します。ペルソナは、年齢、性別、職業、ライフスタイル、行動パターン、価値観などの具体的な属性を持つ架空の人物像です。ペルソナを詳細に設定することで、顧客の行動やニーズを具体的にイメージしやすくなり、より的確なカスタマージャーニーマップを作成することができます。

ペルソナ設定のやり方とは?作成方法(項目・手順・注意点)とメリットを解説
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STEP3: テンプレートを作成する

カスタマージャーニーマップの基本テンプレートを作成します。よく用いられる形式としては、横軸に行動プロセス(ニーズ認識、商品認知、比較検討、購入、利用、継続など)を記載し、縦軸に行動・感情・体験などを記載します。視覚的にわかりやすいテンプレートを作成することで、チーム全体が同じ情報を共有しやすくなります。

STEP4: 顧客の行動・感情を調査する

設定したペルソナがどのように行動するのか、各タッチポイントでどのような感情を抱くのかを検討し、調査します。調査方法としては、ユーザーインタビュー、アンケート調査、ウェブ解析データの活用などがあります。手法によって得られる情報の種類が異なるため、よく検討して選択しましょう。顧客の具体的な行動・思考について質問して深堀することができるユーザーインタビューはおすすめの調査方法です。

STEP5: マップを埋めていく

集めたデータをもとに、テンプレートを埋めていきます。マップを埋める際には、顧客の立場に立って考え、彼らがどのような体験をするのかを具体的に描写するのがおすすめです。

カスタマージャーニーマップ作成の注意点

カスタマージャーニーマップをうまく作成できない、利用しても成果につながらないといった場合は、以下の注意点を確認してみましょう。

希望や憶測だけで作成しない

カスタマージャーニーマップを企業側の希望や憶測だけで作成してしまうと、実際の顧客体験とはかけ離れたものになってしまう可能性があります。調査設計のために企業内で仮説をつくる必要はありますが、実際作成するためにはユーザーインタビューやアンケートの結果、ウェブ解析データなど、信頼できるデータをもとにすることが重要です。

作成すること自体を目的にしない

カスタマージャーニーマップの作成自体を目的としてしまわないように注意してください。最初に定めた目的に適うカスタマージャーニーマップを作成しましょう。 より完璧なマップにしようとして作りこみ、行動や思考を細分化しすぎるのも、マーケティングの視野を狭める可能性があるため、おすすめしません。

定期的に見直して最適化し続ける必要がある

カスタマージャーニーマップを作成した後も、常に顧客の声に耳を傾け、定期的に見直し、必要に応じてマップを更新、最適化し続ける必要があります。顧客体験を向上させるためのツールとして活用し、実際の施策に反映させていくことが大切です。

カスタマージャーニーマップの活用方法

カスタマージャーニーマップの具体的な活用方法についてご紹介します。

コンテンツマーケティング

購入プロセスのどの段階で顧客がそのコンテンツに触れるのか、どのような情報を求めているのか、をカスタマージャーニーマップで把握することで適切なコンテンツを提供することができます。 例えば、顧客が初期段階で情報収集を行っている場合は、サービスへの理解を深める教育的なコンテンツを提供し、購買段階に進んでいる場合は、具体的な商品情報や口コミを提供するなど、顧客のニーズに合わせたコンテンツ戦略を立てるための指標になります。

SNSマーケティング

実際のデータを元に作成したカスタマージャーニーマップを活用することで、顧客がどの段階でどのSNSを利用しているのか、そこでどんな検索行動などをしているかを把握し、それに合わせて最適なタイミングで適切なメッセージを発信するマーケティング施策を展開しやすくなります。

メールマーケティング

初回購入後のフォローメールや特定の行動を取った顧客に対するリマインドメールなどを送る際にもカスタマージャーニーを活用できます。顧客の行動に基づいて、パーソナライズされたメルマガを送ることで、エンゲージメントをより高めることできるでしょう。

カスタマージャーニーマップ作成の情報収集には『ユニーリサーチ』がおすすめ

カスタマージャーニーマップの作成では、精度の高い顧客情報をどれだけ得られるかが重要です。ユーザーインタビューは顧客の具体的な行動・思考を調査することができます。国内最大級のインタビュープラットホーム「ユニーリサーチ」なら、従来のコストの10分の1以下で、最短当日のインタビュー実施が可能です。また、数万人規模の多様なユーザーにアプローチできるほか、事前設問によるヒアリングでユーザーとのミスマッチを防止します。スタートアップ企業や、大企業の新規事業部門など、従来の調査サービスを利用できていなかった顧客層を中心に導入いただいており、2024年9月時点で、登録企業2,230社、累計インタビュー数43,000件を達成しました。

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ユニーリサーチ編集室
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