デモグラフィックデータとは？サイコグラフィックなど他の属性も解説

「デモグラフィック（Demographic）」は、直訳すると「人口統計学」という意味ですが、マーケティングにおいては、人口統計学的な属性を指します。主に、性別、年齢、居住地、職業などの属性で特定の集団をグループ化（セグメント化）したもので、STP分析における指標の一つとしても利用されます。 この記事では、デモグラフィックのマーケティングへの活用例や、データの収集方法について解説します。

デモグラフィックデータとは？

「デモグラフィック（Demographic）」とは、人口統計学的な属性のことで、年齢、性別、収入、学歴、職業、家族構成などの個人に関する社会的・経済的な属性を指します。それらの属性に関するデータがデモグラフィックデータです。 「デモグラフィック」は「デモグラフィック属性」や「人口動態変数（デモグラフィック変数）」と呼ばれることや「デモグラ」と略されることもあります。

デモグラフィックデータのマーケティングにおける重要性

ユーザーから収集したデモグラフィックデータの分析は、マーケティングにおいて重要です。年齢や性別や職業といったデータは、特定のユーザー層について理解するための基礎データとして活用されます。年齢や収入によって消費傾向などが異なるため、デモグラフィックデータの分析は、企業が効果的なマーケティング施策を展開するために重要です。 また、デモグラフィックはジオグラフィック（地理的属性）やサイコグラフィック（心理的属性）などのほかの属性と掛け合わせて利用することで、より詳細な分析を行うことができます。

デモグラフィックとSTP分析

デモグラフィックを指標に使う分析の代表例が「STP分析」です。フィリップ・コトラーが提唱したことで知られ、Segmentation（セグメンテーション：市場のグループ分け）、Targeting（ターゲティング：狙う市場の絞り込み）、Positioning（ポジショニング：狙う市場における立ち位置の決定）の頭文字に由来しています。デモグラフィックは、STP分析のセグメンテーションを行う時に重要な要素の一つであり、ユーザー層や市場を細かく分類する役割を果たしています。

セグメンテーションの種類

ユーザーをグループ分けし、それぞれのグループに適したマーケティング戦略を立てるための「セグメンテーション」では、デモグラフィックを含め主に4種類の切り口があります。これらの切り口を用いることで、さまざまな視点から市場を細分化できます。 残りの3種類であるジオグラフィック、サイコグラフィック、行動変数について解説します。

ジオグラフィック（Geographics／地理的属性）

「ジオグラフィック（Geographics）」は、地理的な要素をもとに市場をセグメント化する属性です。都道府県、市町村などの居住地や人口密度、現在地などがあり、各地域の特性や文化にもとづいてマーケティング戦略を展開するためなどに用いられます。例えば、新しく店舗を出す際に、人口密度の高い都市部に出店するか、人口密度の低い地方に出店するかなどの戦略を検討するのに利用できます。

サイコグラフィック（Psychographics／心理的属性）

「サイコグラフィック」は、ユーザーのライフスタイル、価値観、趣味嗜好、性格などの心理的な要因をもとにセグメント化する属性です。収入や年齢といったデモグラフィックデータだけでは測れない内面的な要素を把握することで、よりパーソナライズされたマーケティング戦略の立案に役立てることができます。

行動変数（Behavioral variables）

「行動変数」は、ユーザーの購買行動や使用頻度、ブランドロイヤリティなどに基づいてセグメント化する属性です。例えば、特定の行動パターンに合わせたマーケティング戦略を立案し、リピート購入や顧客満足度の向上を狙うことなどに利用できます。

デモグラフィックデータの特徴

マーケティングにおけるデモグラフィックデータの特徴について解説します。

比較的入手しやすい

デモグラフィックデータは、ユーザーの年齢、性別、収入など、基本的で普遍的な情報であるため、アンケートなどでも回答が得やすい傾向があります。また、人口に関するデータなどは、公的機関でも定期的に調査しているため、信用のおけるデータの入手も容易です。

ほかのデータと掛け合わせがしやすい

デモグラフィックデータは他のデータと掛け合わせやすく、より詳細なユーザー像を描くことが可能です。例えば、ジオグラフィックデータとの掛け合わせは、新規出店時のエリアマーケティングによく用いられます。サイコグラフィックデータと掛け合わせると、趣味や価値観などの心理的な属性が加わることで、ユーザーの行動が予想しやすくなります。

感情や行動については分析しづらい

一方で、デモグラフィックデータだけでユーザーの感情や行動を詳細に分析するのは困難です。そのため、先述したように、他のデータを補完的に活用することが重要です。

デモグラフィックデータの活用例

デモグラフィックのマーケティング活用例を3つご紹介します。

主要な顧客層の把握

性別や職業、年齢といったデータを分析することで、自社の主要な顧客層を把握することができます。入手しやすいデータであるため、商品やサービスを展開したりマーケティング施策を行ったりした時に、主要な顧客層や他のユーザー層からの反響をいち早く把握し、次の施策を行う材料となります。

適したプロモーション戦略の立案

デモグラフィックデータは、自治体やサービス等で分析結果が公表されていることが多いため、より届きやすいプロモーション戦略を練る際に参考にすることができます。例えば、各SNSから公表されている利用者層を参考にし、プロモーション戦略に利用するSNSを若年層向けと中年層向けで分ける、といった使い方ができます。

ペルソナの作成

ペルソナの基本となるのが、デモグラフィックデータであり、必要不可欠な要素と言えるでしょう。ペルソナは、「製品やサービスを使用する典型的なユーザー像」を指します。ペルソナを設定することで、顧客への理解を深め、潜在的なニーズを深堀りすることができるほか、開発チーム内での顧客イメージの共有にも役立ちます。

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デモグラフィックターゲティング広告とは？

「デモグラフィックターゲティング広告」は、特定のデモグラフィックを持ったユーザー情報に基づいて広告を配信する広告手法で、マーケティングにおけるデモグラフィックデータ活用例のひとつと言えるでしょう。 例えば、年齢や性別、地域などのデモグラフィック属性に基づいて広告を出し分けることで、無駄な広告配信に予算を割いてしまうことを避け、効率的にターゲット層にアプローチすることができます。Meta広告やGoogle広告など多くの広告プラットフォームが、この手法を活用して精密なターゲティングを行っています。デモグラフィックターゲティング広告を活用できます。

デモグラフィックデータの収集方法

デモグラフィックデータは、さまざまな方法で収集することができます。公的機関のデータやアンケート調査、各サービスで提供されているアナリティクスなど、各方法によって得られるデータについて詳しく解説します。

公的機関が発表するデータの収集

政府や公的機関が発表する統計データは信頼できる情報源であり、インターネット上で簡単に手に入れることができます。人口統計、所得分布、世帯数など、無料で入手できるこれらのデモグラフィックデータは、広範なマーケティング活動の基盤として利用できます。

アンケート調査を行う

ユーザーに対してアンケート調査を行うことで、より詳細なデモグラフィックデータを収集できます。デモグラフィックの設問は普遍的なものが多いため、比較的答えやすく、アンケートによる収集が容易な傾向にあります。

アナリティクスなどを活用する

Googleアナリティクスや各SNSのデータ分析ツールを活用することで、オンライン上での消費者の行動データとともに、デモグラフィック情報を収集することができます。自社のWEBサイトやSNSがある場合、それらのツールも活用することをおすすめします。

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詳しくはこちらのページをご覧ください。 ユニーリサーチ、2,800万人に1,000円～リーチ可能な『セルフアンケート機能（β版）』をリリース