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アンケート結果の分析方法とまとめ方 自由記述のデータ集計方法も解説

アンケート結果の分析方法とまとめ方 自由記述のデータ集計方法も解説

マーケティングリサーチでよく行われる「アンケート調査」の結果を活用するためには、分析が重要です。この記事では、アンケート調査実施後の分析手順や集計・分析方法の種類、分析結果のまとめ方の注意点などについて解説します。

アンケート調査とは

「アンケート調査」とは、特定のテーマや課題に関する意見や情報を収集するために、様式化した同一の質問に対して多くの人々の回答を得る調査方法です。マーケティングリサーチや学術研究など、幅広い分野で活用されています。 この記事ではアンケート調査後の分析について、その手順や集計・分析方法の種類、効果的に行うためのポイントやまとめ方の注意点などを解説します。 ▼関連記事

アンケート調査方法の種類や進め方、作り方のポイントを解説
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アンケート結果の分析手順

アンケート結果を分析する時の手順について解説します。それぞれの段階の詳しい内容については後の章で解説します。

アンケート結果を集計

アンケートの回答結果を収集し終わったら、データを整理し、集計します。「単純集計」「クロス集計」や自由記述の集計を行い、データの概要を把握できるようにします。

集計したデータを分析

集計したデータを元に、詳細な分析を行います。調査の目的や事前の仮説をもとに、知りたいことやそのヒントがわかるような適切な分析方法を選ぶことが重要です。

分析結果をまとめる

分析した結果を報告書やプレゼンテーションにまとめます。視覚的にわかりやすいようにグラフ等を用いて、関係者にとって理解しやすい内容とし、活用方法についての有効な議論ができるようにします。

アンケート結果の集計方法

アンケート結果の基本的な集計方法について解説します。

単純集計

「単純集計」は、それぞれの質問に対する回答数や割合を算出する基本的な集計方法です。選択肢ごとの回答数や割合、平均値などを求めることで、全体の基本的な傾向を把握することができます。

クロス集計

「クロス集計」は、2つ以上の質問の回答を組み合わせて分析する手法です。単純集計だけでは分からない、もう一段階深堀りした情報を把握することができます。例えば、性別・年齢別の回答傾向を比較することで、特定のグループ(例:30代の女性)に特徴的な結果があるかどうかを明らかにできます。

自由記述の集計

自由記述の場合、回答が「数値」か「テキスト」かで集計方法が異なります。「数値」の場合は平均値、中央値、標準偏差値などを算出します。 「テキスト」の場合は一覧表を作成し、カテゴリごとに分類して傾向や代表的な意見を抽出したり、頻出する特定のキーワードの個数を調べたりします。その際、後述する分析方法の「テキストマイニング」や「アフターコーディング」を、ツールを用いて先に行うことで集計の効率化を図る方法があります。

集計結果の分析方法

アンケート結果集計後の分析方法を紹介します。

決定木分析

「決定木分析」は、データの分岐を樹形図で示し、ある結果の原因となっている重要な変数やその関係を明らかにします。樹形図にまとめることで、特定の結果につながる条件を直感的に理解しやすくなります。

主成分分析

「主成分分析」は、多くの変数を少数の主成分に要約することで、データの構造を簡潔に表現する分析方法です。多数のアンケート項目を少数の要因にまとめ、全体の傾向を把握することができます。例えば、「製品の耐久性」「製品の使用感」「デザインの美しさ」を「製品の品質」、スタッフの「親切さ」「問題解決能力」「ユーザーへの配慮」を「カスタマーサービス」というような要約をします。

アソシエーション分析

「アソシエーション分析」は、データ間の関連性を見つけ出す分析方法です。例えば、利用したサービスと満足度の関連性を探り、「〇〇を利用した人は満足度が高い」といった法則を見つけ出します。

クラスター分析

「クラスター分析」は、多くのデータをクラスター(同じまたは類似性のあるもののグループ)に分類して分析する方法です。例えば、顧客満足度調査の結果をクラスター分析することで、満足度の高いグループと低いグループを特定し、「〇〇を購入している」「〇〇のサービスを利用している」などの特徴を明らかにします。大きく「階層クラスター分析」と「非階層クラスター分析」に分けられます。

階層クラスター分析

「階層クラスター分析」では、最も似ているクラスター同士を集め、次にそのまとまり同士を集め、という作業を繰り返し、大きなクラスターへと階層的にまとめていく方法です。樹形図にまとめることで過程が視覚的にわかりやすくなりますが、クラスターが多い場合は計算が複雑になります。

非階層クラスター分析

「非階層クラスター分析」では、あらかじめ決定したクラスター数にデータを分類します。K-means法が代表的な手法です。

時系列分析

「時系列分析」は、時間の経過に伴うデータの変動を分析します。季節性やトレンドを把握でき、今後の予測を立てることに適しています。例えば、月ごとの顧客満足度の変動を分析することにより、特定の季節に満足度が変化する原因を探ることができます。

自由記述の分析

自由記述の分析では、回答が「数値」の場合と「テキスト」の場合があり、分析方法が異なります。それぞれの方法について解説します

数値の場合

自由記述回答の数値情報は、平均値、中央値、標準偏差値、最小値、最大値などを算出します。数値の範囲が広い場合、一般的によく使われる平均値のみを見ると誤った考察をしてしまうことがあります。分析の精度を高めるために各値を算出することが重要です。

テキストの場合

自由記述回答のテキスト情報の分析方法としては「アフターコーディング」と「テキストマイニング」がよく利用されます。

  • アフターコーディング 「アフターコーディング」は、アンケート調査実施後に、自由記述の回答をカテゴリに分類する方法です。回答内容を読み取り、共通のテーマや傾向に基づいて分類していきます。例えば「サービスについてなにかご意見があればお聞かせください」という質問に対する回答を「サービスの改善点」、「好きなポイント」などのカテゴリに分類し、それぞれの意見の数の計算や傾向の分析をします。

  • テキストマイニング 「テキストマイニング」は、自然言語処理技術を用いてテキストデータを分析する方法です。自由記述回答の中から頻出するキーワードの抽出や感情分析などを行い、データの特徴を把握します。例えば、テキストマイニングでユーザーの意見から頻出するキーワードとして「丁寧」「迅速」「待ち時間」を抽出し、これらの要素がユーザーにとって重要な可能性が高いという分析を行うことができます。

アンケート分析を効果的に行うためのポイント

アンケート分析を効果的に行うためのポイントを解説します。

分析目的の明確化

分析を始める前に、目的を明確にしましょう。アンケート調査自体の目的・目標に応じてどのような情報を得たいのか、どのように結果を活用するのかを具体化しておくことで、分析の方向性が定まりやすく、結果を効果的に活用できます。

アンケートデータの整理と前処理

データの整理と前処理は、分析の精度を高めるために重要です。具体的には、未回答によるデータの欠損部分の補完や、ミスとみられる異常値の除去などの作業があります。分析前にしっかりと前処理を行うことで、信頼性の高いデータを得ることができます。

全体像の把握

細かな分析を行う前にデータの全体像から把握していくことで、重要なポイントやトレンドを見逃しにくくなります。

グラフ等を用いた視覚的な分析

グラフ等を用いることで、データの傾向や関係性を直感的に理解しやすくなり、そこから立てた仮説を元にして、さらに深堀りした分析を行うことができます。

分析結果のまとめ方の注意点

分析結果をグラフなどにまとめる時の注意点を2つ紹介します。分析担当者以外にも分かりやすい形でまとめることで、活用方法についてのより効果的な議論につながるでしょう。

適切な種類のグラフを選ぶ

分析結果をより効果的に伝えるためには、適切なグラフを選ぶことが重要です。一般的に用いられるグラフの特徴を紹介します。

棒グラフ

「棒グラフ」は、各カテゴリの値を棒の長さで表現するグラフで、選択肢ごとの回答数や割合の比較に適しています。例えば、店舗ごとの満足度評価の平均値を比較するのに利用できます。

円グラフ

「円グラフ」は、円全体を100%として、各部分の割合を扇形の面積で視覚化するグラフです。割合を一目で理解しやすいため、構成比をグラフ化する時に適しています。例えば、総合評価に対する「非常に満足」「満足」「普通」「不満」「非常に不満」の回答割合を示すのに利用できます。

帯グラフ

「帯グラフ」は、棒グラフの一種です。帯全体を100%とし、各部分の割合を長方形の面積で視覚化するグラフです。円グラフと比べ、複数の項目を上下に並べて比較しやすいため、構成比を比較したいデータが多い時に適しています。例えば、総合評価の回答割合を年代別に示すのに利用できます。

折れ線グラフ

「折れ線グラフ」は、横軸に月や年などの時間経過、縦軸に数や割合をとり、各データの点を時系列に沿って線で結んでいくグラフです。折れ線の傾きで増加・安定・減少などの傾向がわかるため、時間の経過に伴うデータの傾向を把握するのに適しています。例えば、月ごとの総合評価の推移を示すのに利用できます。

散布図

「散布図」は、2つの変数を縦軸と横軸にとり、各データの点をとることで変数間の関係を視覚化するグラフで、「分布図」とも言います。グラフ上にデータの数だけ点が打たれ、因果関係や相関関係を示すのに適しています。例えば、「サービスの質」と「再来店意向」の関係を示すのに利用できます。

デザインやデータの順番を調整する

アンケートの分析結果を効果的に伝えるためには、資料のデザインやデータの順番を調整することも重要です。グラフの並び順を昇降順に並び替えたり、適切なタイトルやラベルを付けることで、グラフの内容をより明確に伝えることができます。ただし、デザインによってデータの誤認が起こらないように注意することも大切です。同じグラフ内の色は同系色にまとめる、データのスケールにも気を配るなどで、データを正確に解釈できるようにまとめましょう。

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ユニーリサーチ編集室
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