
インタビュー調査とは?やり方と手順、手法の種類のメリット・デメリットを解説
「インタビュー調査」とは、インタビュアーがユーザーと直接会話し、情報を収集する調査方法です。アンケートなどの定量調査では捉えきれない、ユーザーの深層心理や行動の動機を知りたい場合に適しています。 この記事では、インタビュー調査の種類やメリット・デメリット、調査手順について解説します。
- インタビュー調査とは?
- インタビュー調査の目的と活用シーン
- ターゲットの理解とインサイトの発掘
- 商品開発や新製品に対する反応の確認
- 仮説の構築
- インタビュー調査のメリット
- アンケート調査では拾いきれない深層心理や行動の理由を聞くことができる
- 表情や仕草から言葉以外の情報を読み取ることができる
- 想定していなかった情報が発見できる
- インタビュー調査の種類とメリット・デメリット
- フォーカスグループインタビュー(FGI)
- デプスインタビュー
- オンラインインタビュー
- インタビュー調査の手順
- STEP1 目的を明確に定める
- STEP2 計画を立てる
- STEP3 対象者の条件を決める
- STEP4 質問項目を決める
- STEP5 インタビューフローを作成する
- STEP6 対象者をリクルーティングする
- STEP7 インタビューを行う
- STEP8 結果を分析し、レポートにまとめる
- インタビュー調査なら国内最大級のインタビュープラットホーム『ユニーリサーチ』
インタビュー調査とは?
「インタビュー調査」は、数値的な情報を収集する定量調査に対して、感情や行動理由などの数値にできない情報を収集する「定性調査」に分類されます。 主な種類に、「フォーカスグループインタビュー」と「デプスインタビュー」があり、インタビュアーが直接ユーザーと話をして、情報を聞き出すのが特徴です。 調査は、目的設定から始まり、計画・質問設計・対象者リクルート・インタビュー実施・分析という流れで進行します。インタビュー調査では、アンケートでは得られない質的な洞察を得ることが可能です。
インタビュー調査の目的と活用シーン
インタビュー調査において目的を定めるのは重要です。インタビュー調査の主な目的は、ユーザーの声を直接聞き、深層にある意見や感情、行動の背景にある動機などを把握することです。例えば、以下のような目的でインタビュー調査が活用されます。
ターゲットの理解とインサイトの発掘
インタビュー調査は、ターゲットの価値観や行動パターンを理解し、ユーザーの意識の中に隠れたインサイト(動機や本音)や潜在的なニーズを掘り起こしたいときに有用です。例えば、自社の製品やサービスの改善を行う時に、ユーザーがどのような点を重要視しているのか、どのような点が満足または不満足か、他社と迷ったときの決め手は何か、などをヒアリングして改善に活かすことができます。
商品開発や新製品に対する反応の確認
新製品やサービスの導入前に、インタビュー調査をすることで、ユーザーから直接フィードバックを得ることができ、市場での受容性や顧客満足度を予測するのに役立ちます。具体的な感想や使い勝手についてのフィードバックを聞き、さらに質問を重ねることで、製品の強みや改良したほうが良い点などを整理しやすくなります。
仮説の構築
インタビュー調査を通じて得られたデータは、ユーザーの行動や心理に関する仮説を立てるために役立ちます。インタビュー調査を行ってから仮説を構築し、多くのユーザーに対するアンケート調査で検証する場合もあれば、、定量調査で仮説を立ててから、インタビュー調査で個々のユーザーが仮説に当てはまるか検証し、仮説の精度を高めるための質問をしていく、という場合もあります。
インタビュー調査のメリット
インタビュー調査を行うメリットとして、以下があげられます。
アンケート調査では拾いきれない深層心理や行動の理由を聞くことができる
インタビュー調査では、単なる数字や選択肢ではなく、ユーザーの考え方や行動の背後にある心理的な要因を探ることができます。例えば、なぜその商品を選んだのか、どのような感情が購入決定に影響したのかといった、表面的な理由を超えた深い洞察を得るのに適しています。
表情や仕草から言葉以外の情報を読み取ることができる
インタビューの大きなメリットは、ユーザーの表情や仕草など、言葉に表れない非言語的な情報を観察できる点です。たとえ言葉での回答が曖昧であったとしても、表情の変化や態度から感情を汲み取ることができれば、相手の本音に近づきやすくなります。特に、対面で行った場合、ユーザーの服装やたたずまいなども、その人の人となりを理解する手掛かりのひとつです。
想定していなかった情報が発見できる
インタビュー調査では、事前に想定していなかった新しい情報や洞察が得られることがあります。ユーザーが自由に話す中で、新たなニーズや問題点が浮かび上がることがあり、これが後の戦略や商品改良に役立つこともあります。こうした発見は、インタビューの柔軟性によるもので、定量調査では得られない貴重な情報です。
インタビュー調査の種類とメリット・デメリット
インタビュー調査には多くの種類がありますが、代表的なものが「フォーカスグループインタビュー」と「デプスインタビュー」です。また、インタビュー形式が同じでも「オンラインインタビュー」の場合は対面とは異なるメリット・デメリットがあります。それぞれのインタビューのメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
フォーカスグループインタビュー(FGI)
「フォーカスグループインタビュー(FGI)」は、共通した属性を持つ4~8人程度のユーザーのグループ(フォーカスグループ)を2つ以上作り、特定のテーマについて座談会形式で行うインタビュー手法です。モデレーターが進行役を務め、ユーザーの感情や行動理由を引き出します。 メリットは、参加者同士の意見交換によって、1対1では出てこない新しいアイデアや反応を期待できる点です。また、複数のフォーカスグループにインタビューを行うことで、属性ごとの結果の違いを見ることができます。 一方で、強い意見に流されて個人が発言しにくくなるリスクもあります。また、グループにフォーカスが置かれるため、個々の深い洞察を得るのには不向きです。いかに言葉を引き出し、円滑に進めるかは、モデレーターのスキルにかかっています。 ▼関連記事

デプスインタビュー
「デプスインタビュー」は、1対1の対話形式で行われるインタビューです。。「デプス(depth)」は深さや奥行きを意味します。ユーザーひとりひとりに焦点を当て、考え方や感情、行動の背景を深く掘り下げていくため、よりパーソナルな洞察が得られます。 デプスインタビューの最大の利点は、個人の感情や意識を深く掘り下げることができる点です。ユーザーがリラックスして話せる環境を作ることで、素直な感情を引き出すことができます。ユーザーの意思決定プロセスを明らかにできるため、サービスの開発や改善時の聞き取りにおすすめなほか、病気などの身体的な事や将来の夢など、センシティブなことを聞きたい場合もデプスインタビューで行うのがよいでしょう。 一方で、1対1の形式で行われるため、時間とコストがかかるというデメリットもあります。複数人にインタビューすると、その分インタビュアーの労力や時間、ユーザーへの謝礼などが必要です。加えて、1回の実施でユーザー1名分の情報しか得られないため、精度を高めるには複数人への実施が必要になります。 ▼関連記事

オンラインインタビュー
オンラインインタビューは、主にビデオ会議ツールやチャット機能を使って行うインタビュー方法です。 調査の時間や場所に制限が少なく、幅広いユーザーが参加しやすいというメリットがあります。移動コストを削減できるため、対面で行うよりも同じ予算で多くのユーザーへのインタビューが可能です。参加者が自宅などのリラックスした環境でインタビューに応じるため、自然な反応を引き出しやすい点も魅力です。 デメリットは調査対象のユーザーに一定のデジタルリテラシーが要求されることや、インターネット接続や接続機器のトラブルに左右されることです。また、対面のインタビューに比べて、表情や仕草といった非言語的な情報を把握しにくいという点も課題です。 ▼関連記事

インタビュー調査の手順
ここからは、インタビュー調査の手順について解説します。
STEP1 目的を明確に定める
まず目的を明確にします。調査を通じて何を知りたいのか、どのような成果を期待しているのかを最初に明確に設定しましょう。
STEP2 計画を立てる
調査の範囲やスケジュール、必要なコストなどの具体的な計画を立てます。対象者のリクルーティング方法やインタビューの形式(対面かオンラインか、デプスインタビューかフォーカスグループインタビューか、など)も決定します。
STEP3 対象者の条件を決める
調査対象者の条件を決定します。年齢、性別、職業、消費行動など、調査の目的に応じて適切な属性を設定しましょう。
STEP4 質問項目を決める
目的に沿った質問項目を設定します。質問はシンプルでわかりやすいものにし、ユーザーが答えやすいように順序や内容を工夫することが重要です。例えば、仮説に基づいた質問や、深掘りするための質問を用意します。
STEP5 インタビューフローを作成する
インタビューの進行をスムーズにするため、フローをあらかじめ設計します。質問漏れを防ぐため、調査の流れを細かく決め、臨機応変に対応できるよう準備します。冒頭にインタビューの目的などの説明を入れ、アイスブレイクになるような自己紹介や日常的な質問も用意しておくのがおすすめです。
STEP6 対象者をリクルーティングする
設定した条件に基づいて対象者をリクルーティングします。ここでしっかりと条件に沿っているかどうかを吟味しないと、必要なことを聞き出せないといったミスマッチに繋がってしまうため、リクルーティングはとても重要です。 知人に頼るのも手段の一つですが、近しい人の場合余計なバイアスが入る恐れもあります。すでに登録済みの多くのユーザーにアプローチできるオンラインサービスを利用するのもおすすめです。
STEP7 インタビューを行う
実際にインタビューを行い、ユーザーから行動理由や動機を引き出します。リラックスした雰囲気を作り、回答者が自由に話せる環境を整えることで、より率直な意見を引き出すことができます。
STEP8 結果を分析し、レポートにまとめる
インタビューで得たデータを分析し、報告書にまとめます。分析は、仮説と照らし合わせながら行いましょう。質問設計時に報告書の形を作成しておくと、まとめ作業が行いやすくなるためおすすめです。
インタビュー調査なら国内最大級のインタビュープラットホーム『ユニーリサーチ』
ユニーリサーチは「最短当日・従来の調査コストの10分の1以下」でのユーザーインタビューを可能にするセルフリサーチサービスです。数万人規模の多様なユーザーにアプローチでき、事前設問によるヒアリングで調査の目的に沿わないユーザーとのミスマッチを防止します。スタートアップ企業や、大企業の新規事業部門など、従来の調査サービスを利用できていなかった顧客層を中心に導入いただいており、2024年9月時点で、登録企業2,230社、累計インタビュー数42,000件を突破しました。
