
クロス集計のやり方とは?アンケート調査結果の分析方法をわかりやすく解説
アンケート調査を実施すると、多くの回答データが集まりますが、そのデータを単に集計するだけでは、回答者の傾向や回答同士の関係性まで把握することはできません。そこで重要になるのが「クロス集計」です。
クロス集計とは、複数の設問や属性を掛け合わせて分析する手法です。マーケティングリサーチや顧客調査、満足度調査など、さまざまなアンケート分析で広く活用されています。
本記事では、クロス集計の基本的な考え方から具体的な分析方法、アンケート調査での活用方法などを解説します。
- クロス集計とは?
- クロス集計表の見方
- 表頭と表側:
- 度数と割合:
- 横%表と縦%表:
- 多重クロス:
- n:
- SAとMA:
- 単純集計とクロス集計の違い
- 単純集計
- クロス集計
- クロス集計の種類
- 属性クロス集計
- 設問間クロス集計
- 多重クロス集計
- クロス集計と併用される分析方法
- クラスター分析
- 主成分分析
- 決定木分析
- 時系列分析
- アソシエーション分析
- クロス集計の具体例
- クロス集計の3つのメリット
- 1. 調査結果をわかりやすく可視化できる
- 2. エクセルや表計算ソフトで簡単に集計可能
- 3. アンケート調査の結果を多角的に分析できる
- クロス集計の注意点
- 1. サンプルサイズを適切にする
- 2. アンケート設計時にクロス集計の想定をしておく
- 3. ローデータの整備を行い、集計ミスや関数誤りに気を付ける
- 4. グラフ化する際の構成比の基準値を明確にする
- 5. 多重クロスをしすぎない
- 6. ピボットテーブルを併用して計算ミスを防ぐ
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クロス集計とは?
「クロス集計」とは、複数の項目で掛け合わせて分析する方法です。
例えば、アンケート調査の回答データを元に次のような分析ができます。
年齢によって商品への興味は違うのか
男性と女性で顧客満足度に差はあるのか
購入経験の有無とブランド認知度は関係があるのか
このように、2種類以上のデータを組み合わせて比較することで、関係性を明らかにすることがクロス集計の目的です。
単純に回答数だけを見てもわからない傾向も、クロス集計を使うことで発見できます。そのため、マーケティングリサーチや顧客分析、商品開発の意思決定において重要な分析手法となっています。
▼「アンケート調査」についてのより詳しい記事はこちら



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クロス集計表の見方
クロス集計の結果は、通常「クロス集計表」という形式で整理されます。
クロス集計表の例 | 〇〇に興味がある | 〇〇に興味がない |
|---|---|---|
男性 | TOTAL(度数) 割合(%) | TOTAL 割合(%) |
女性 | TOTAL 割合(%) | TOTAL 割合(%) |
クロス集計やクロス集計表に関する用語を解説します。
表頭と表側:
表頭:表の上側(列)にある項目
表側:表の左側(行)にある項目
例えば、
表頭:商品への興味
表側:性別
といった構成になります。
度数と割合:
クロス集計では、以下の2つの数字を確認します。
度数(TOTAL):回答数
割合(%):回答の比率
割合を見ることで、全体の傾向を把握しやすくなります。
横%表と縦%表:
クロス集計表には2つの種類があります。
横%表
横方向の合計が100%になるように計算された表
縦%表
縦方向の合計が100%になるように計算された表
表側を基準に比較するときは横%表、表等を基準に比較する時は縦%表と、分析の目的によって使い分けることが重要です。
多重クロス:
「多重クロス」とは、3つ以上のデータを組み合わせて集計する方法です。
例
性別 × 年齢 × 商品購入経験
より詳細な分析ができますが、集計後の各セルのサンプル数が少なくなるため注意が必要です。
n:
「n」は、回答者数を示します。
例えば
n=500
と表記されている場合、500人が調査対象となっています。
SAとMA:
SA(Single Answer):単一回答
MA(Multiple Answer):複数回答
MAの場合は合計が100%を超えることが多いため、分析時に注意が必要です。
単純集計とクロス集計の違い
アンケート集計における「単純集計」と「クロス集計」の違いについて解説します。
単純集計
単純集計とは、各設問の回答数を単純に集計する方法です。
例
商品Aを支持:60%
商品Bを支持:40%
調査結果の全体像を把握するのに適しています。
クロス集計
クロス集計は、複数の設問を掛け合わせて分析する方法です。
例
男性の60%が商品Aを支持
女性の70%が商品Bを支持
このように、回答者の属性や行動の関係性を分析できる点が、単純集計との大きな違いです。
▼「アンケートの集計・分析方法」についてのより詳しい記事はこちら

クロス集計の種類
クロス集計の種類をご紹介します。
属性クロス集計
「属性クロス集計」とは、回答者の属性と回答内容を掛け合わせる分析です。
例
性別 × 商品購入意向
年齢 × 顧客満足度
地域 × ブランド認知
マーケティングでは、ターゲット層の理解に役立つ分析方法です。
設問間クロス集計
「設問間クロス集計」とは、アンケート内の設問同士を掛け合わせる分析です。
例
顧客満足度 × 再購入意向
利用頻度 × 推奨意向
これにより、満足度が高い人ほどリピート購入するのかなどの関係性を分析できます。
多重クロス集計
「多重クロス集計」は、3つ以上の項目を組み合わせる分析方法です。
例
性別 × 年齢 × 商品購入経験
詳細な分析が可能ですが、クロスする項目が増えるほど各セルのサンプル数が減るため、統計的な信頼性に注意が必要です。
クロス集計と併用される分析方法
クロス集計で単にデータを比較するだけでなく、さらに他の分析手法と組み合わせることで、より深いインサイトを得ることができます。
ここでは、クロス集計データを活用した代表的な分析手法を紹介します。
クラスター分析
「クラスター分析」とは、回答者を似た特徴ごとにグループ分けする分析方法です。
例えばアンケート調査で
価格重視
品質重視
ブランド重視
といった複数の評価項目をクロス集計すると、似た回答パターンを持つグループが見えてきます。クロス集計で得たデータをもとに顧客セグメントを作る際に活用することができます。
主成分分析
「主成分分析」は、複数の変数をまとめて特徴を抽出する分析方法です。
例えば、商品評価のアンケートでは
デザイン
価格
機能
使いやすさ
ブランドイメージ
などの複数の評価項目がある場合、それらをクロス集計することで回答の傾向が見えてきます。
主成分分析を行うと、これらの項目の背後にある
「コストパフォーマンス」
「ブランド価値」
といった評価の軸(重要要因)を抽出できます。
これにより、顧客が商品を評価する際の本質的なポイントを把握することが可能になります。
決定木分析
「決定木分析」とは、結果に影響を与える要因をツリー構造で可視化する分析方法です。
例えばアンケート調査で
満足度
利用頻度
年齢
サービス評価
といった項目をクロス集計すると、満足度の高い人の特徴が見えてきます。
決定木分析では、それを次のように整理できます。
例)
満足度が高い人
→ 利用頻度が高い
→ 30代
→ サポート体制への評価が高い
このように満足度や購入行動に影響する要因を階層的に整理できるため、マーケティング施策の改善に役立ちます。
時系列分析
「時系列分析」とは、時間の経過に伴うデータの変化を分析する方法です。
例えば、アンケート調査を定期的に行うことで
年ごとのブランド認知率
月ごとの満足度
広告キャンペーン前後の評価
などの変化をクロス集計できます。
これにより、マーケティング施策の効果や市場のトレンドを把握することが可能になります。
アソシエーション分析
「アソシエーション分析」は、回答項目同士の関連性を見つける分析方法です。
例えば商品購入アンケートで
商品Aを購入した人
商品Bを購入した人
をクロス集計すると、「商品A購入者の70%が商品Bも購入している」というような関係性が見えることがあります。
このような関係性を分析することで、商品レコメンドやクロスセル施策に活用することができます。
クロス集計の具体例
クロス集計は、アンケート調査の結果から単純集計では見えない傾向や課題を発見するために活用されます。
例えば、あるカフェが顧客アンケートを実施し、次のような質問をしたとします。
このカフェを利用する理由は何ですか?
来店頻度はどのくらいですか?
まず単純集計だけを見ると、利用理由は「味」が最も多いという結果になりました。この結果だけを見ると、「味をより良くすればさらに利用者が増える」と考えてしまうかもしれません。
しかし、クロス集計で来店頻度と利用理由を掛け合わせて分析すると、次のような傾向が見えてきました。
週1回以上利用する常連客は「雰囲気」を重視している
月1〜2回利用する人は「味」を重視している
利用頻度が低い人は「価格」を気にしている
この結果から、次のような仮説を立てることができます。
常連客を増やすためには、店内の居心地や空間づくりが重要
新規顧客には味の訴求が効果的
利用頻度が低い層には価格施策が有効
単純集計では「全体の傾向」しか分かりませんが、クロス集計を使うことで顧客ごとの特徴や行動パターンを分析できるのが大きなメリットです。
クロス集計の3つのメリット
クロス集計を活用するメリットをご紹介します。
1. 調査結果をわかりやすく可視化できる
クロス集計は、アンケート調査の結果を表形式で整理できるため視覚的にわかりやすく表せます。また、項目ごとの比較もしやすいので、統計に詳しくない人でも結果を理解しやすくなります。
2. エクセルや表計算ソフトで簡単に集計可能
クロス集計表は、Excelなどの表計算ソフトで簡単に作成できます。
特に便利な「ピボットテーブル」を使えば、少ない工数でクロス集計表を作成でき、大量のデータでも簡単に分析しやすいといったメリットがあります。
3. アンケート調査の結果を多角的に分析できる
クロス集計は、複数の視点からアンケート結果を分析できる点が大きなメリットです。
例えば
性別別
年齢別
購入経験別
など、少ない集計回数でも多角的な分析が可能になります。
クロス集計の注意点
クロス集計を行う際の注意点を解説します。
1. サンプルサイズを適切にする
クロス集計では、カテゴリーごとのサンプルサイズが一定数要るため、信頼性の高い調査をするためには十分なサンプルサイズが必要です。しかし、無闇に大きくすると、その分コストも調査コストも増えてしまいます。
そのため、調査前に仮説を立てて、必要な情報や分析方法、分析軸を考えて整理しておくことが重要です。
2. アンケート設計時にクロス集計の想定をしておく
適切な設問が存在していなければ有意義な分析ができません。アンケート作成時点で、クロス集計・分析に必要な項目を事前に設計しておく必要があります。
3. ローデータの整備を行い、集計ミスや関数誤りに気を付ける
ローデータ(Raw Data=生データ)とは、調査で収集した、加工・集計していないデータのことをいいます。
クロス集計を行う際には、
データ列を整理する
欠損値を確認する
項目の形式を統一する
といったデータ整備が必要です。
4. グラフ化する際の構成比の基準値を明確にする
構成比(%)をグラフ化する際には、合計が100%になるよう注意する必要があります。
MA(複数回答)の場合は、1人の回答者が複数の選択肢を選べるため、割合の合計が100%を超えることがあります。割合を計算する際は回答者数(n)を母数とし、円グラフではなく棒グラフで表現するなど、データの見せ方にも注意が必要です。
5. 多重クロスをしすぎない
クロスする項目が増えるほど、サンプル数は分散して各セルごとの値が減るので、統計的な精度は低くなります。マーケティングリサーチでは一般的には、3重クロス程度までに留めることが多いです。
6. ピボットテーブルを併用して計算ミスを防ぐ
Excelなどで作成する場合、関数で作成したクロス集計表をピボットテーブルで再集計して結果を照合すると計算ミスを防ぐことができます。
クロス集計前のアンケート調査を行うなら『ユニーリサーチ』
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