
訪問調査(ホームビジット調査:HV)とは?質問のコツや注意点、調査の流れを解説
「訪問調査(ホームビジット調査:HV)」は、企業がユーザーを直接訪問して普段の行動観察やインタビューを行い、より深いインサイトを得るための調査手法です。対面で行うことで、アンケートやオンライン調査では得られない生の声を収集できます。
この記事では、訪問調査を行うメリット、注意点、質問のコツなどについて解説します。
- 訪問調査(ホームビジット調査:HV)とは?
- 訪問調査を行うメリット
- 生活環境を直接見ることができる
- 詳細なデータを収集できる
- 訪問調査の注意点
- 人件費などのコストが必要
- 調査対象者の負担を最小限にする
- 訪問調査の流れ
- 1. 目的を決める
- 2. 計画を立てる
- 3. 調査票を作成する
- 4. 調査を実施する
- 5. 調査結果を集計、分析する
- 聞き取り調査で重要な質問のコツ
- 大切なのは信頼関係
- 相手の意見を肯定的に受け入れる
- 専門用語は避ける
- 誘導尋問やデリケートな質問を避ける
- 会話から得られる情報をしっかり確認・記録する
- 対面で行うそのほかの調査方法
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訪問調査(ホームビジット調査:HV)とは?
「訪問調査(ホームビジット調査:HV)」とは、調査員がユーザーの自宅や勤務先などに訪れ、対面で行動観察やインタビューを行う調査方法です。訪問調査では、表情や態度、生活環境、購買行動などの非言語情報も重要なデータとして収集できるため、顧客の本音や潜在的な意見を詳しく聞き出し、より深い洞察を得るのに役立ちます。
▼「訪問調査」の意義や事前準備、注意点についての詳しい記事はこちら

訪問調査を行うメリット
訪問調査の具体的なメリットを紹介します。
生活環境を直接見ることができる
訪問調査の大きなメリットの一つは、ユーザーの生活環境を直接観察できる点です。製品の使用状況や日常的な行動をより正確に把握でき、配置場所や使用頻度、他の製品との組み合わせ方などを確認することで、改良点の発見にもつながります。
ユーザーにとっても、使用時と同じ環境にいることでその時の行動や気持ちを思い出しやすくなるという効果もあります。
詳細なデータを収集できる
訪問調査は、ユーザーと直接対話を行い、その場で質問を掘り下げられるため、より詳細な情報を得られます。実際の環境を確認した上で得られた情報であるため、他の調査よりも信頼性が高いと言えるでしょう。また、ユーザーの表情や声のトーンなど、言葉では表現しにくい感情も把握できるため、多角的な分析が可能になります。
訪問調査の注意点
訪問調査を行う際に注意すべき点を解説します。
人件費などのコストが必要
訪問調査は、オンラインなどの他の調査方法と比べて調査員の移動費や調査対象者への謝礼などのコストが高くなります。対象者が多数の場合、コストがさらに膨らむため、予算管理が重要です。加えて、調査員の育成も重要です。育成にもコストと時間がかかるため、全体を見通して予算とスケジュールを管理しましょう。
調査対象者の負担を最小限にする
訪問調査はユーザーにとっても時間や労力がかかるため、負担を最小限に抑える工夫が必要です。自宅や職場に訪問されることを感じるストレス度合は人それぞれです。調査前に、調査内容や所要時間を十分に説明し了承を得るようにしましょう。
また、調査が長時間になる場合や複雑な質問が多い場合、ユーザーが疲れたり集中力を欠いたりする可能性があります。質問の順序を工夫したり、休憩を挟んだりして調査を適切に管理することも重要です。負担を軽減してユーザーが回答しやすい環境を作ることで、より正確なデータを得やすくなります。
訪問調査の流れ
訪問調査を成功させるためには、事前の準備と計画が欠かせません。ここからは、具体的な流れについて解説します。
1. 目的を決める
まずは調査目的を明確にします。目的がはっきりしていないと、調査を進めるうちに方向性が曖昧になり、収集するデータが不十分になりかねません。目的を明確にすることで、必要な情報が絞り込まれ、効率的に調査を進めることができます。
2. 計画を立てる
調査の実施日時や対象者の選定、調査員の割り当て、必要な機材や予算の確認など、詳細な準備を行います。
ただし、訪問調査は対象者とのスケジューリングや、対象地域の移動などにより、計画したスケジュール通りに進めることが難しくなる場合が想定されます。そのため、余裕を持たせた計画を立てることがおすすめです。
3. 調査票を作成する
調査票には、調査員が必ず行うべき質問を記載し、一貫したデータを収集できるようにします。質問項目は調査の目的に合わせて慎重に設計し、ユーザーが理解しやすい言葉を使い、選択式と自由記述式を適切に組み合わせます。事前にテストし、問題点がないか確認することも重要です。
4. 調査を実施する
訪問調査を実施する際は、調査員がユーザーにリラックスしてもらえるように配慮することが大切です。事前に調査内容や目的を説明し、調査が終了した際にはお礼を伝え、ユーザーが協力してくれたことへの感謝の意を示すことも忘れないようにしましょう。
5. 調査結果を集計、分析する
訪問調査終了後、収集したデータを整理し、分析を行います。データを定量的に分析するだけでなく、定性的なデータ(感情や態度、背景にある理由など)を分析することも重要です。
聞き取り調査で重要な質問のコツ
訪問調査において、質問の仕方はデータの質に大きな影響を与えます。しかし、どんな質問をすれば効果的かを理解していないと、得られる情報が表面的になりがちです。
相手の本音を引き出すためのコツや気を付けるべきポイントを詳しくご紹介します。
大切なのは信頼関係
聞き取り形式の調査では、ユーザーとの信頼関係が非常に重要です。信頼関係が築けていると、ユーザーは自分の本音を話しやすくなり、より正確な情報を引き出せます。 ラポール(お互いを信頼し合い、気兼ねなく心を開いて語り合える関係性)の形成を目指しましょう。
調査の前に軽い会話を交わし、リラックスした雰囲気を作ることもおすすめです。訪問調査では、自宅や職場といったプライベートな空間に入り込むため、より信頼関係に気を配り、ストレスや不信感を与えないようにしましょう。
相手の意見を肯定的に受け入れる
ユーザーが答える内容に対して、否定的な反応を示さないようにします。意見を肯定的に受け入れることで、相手はより自由に意見を述べやすくなり、調査員との信頼関係が強化されます。また、相手の意見を尊重することで、次回の調査への協力も得やすくなります。
専門用語は避ける
専門用語や業界用語は、ユーザーにとって理解しにくいことがあります。そのため、可能な限り一般的な言葉を使い、誰でも理解できるように工夫することが大切です。もし専門用語を使う必要がある場合は、その言葉の意味を事前に説明するようにします。
誘導尋問やデリケートな質問を避ける
誘導尋問やデリケートな質問は、ユーザーに答えにくいと感じさせたり、調査結果にバイアスがかかったりする要因になります。質問は中立的で、答えやすい形に工夫しましょう。また、プライバシーに配慮し、ユーザーが不快に感じるような質問はできるだけ避けるべきです。
会話から得られる情報をしっかり確認・記録する
聞き取り調査中、会話の中で得られる情報はしっかりと確認し、記録しておくことが重要です。ユーザーが発する微妙なニュアンスや感情も重要な情報となるため、言葉だけでなく、表情や態度を含めて詳細にメモなどの記録を取るようにしましょう。
対面で行うそのほかの調査方法
訪問調査以外にも、対面で実施できる様々な調査方法があります。それぞれの特徴を踏まえ、目的に応じて最適な手法を選ぶことが大切です。
デプスインタビュー:1対1の対話形式で行うインタビュー調査
グループインタビュー:複数のユーザーに座談会形式などで行うインタビュー調査
ワークショップ:複数人で協力し、与えられたテーマでの会話やワークを通して行う調査
会場調査:特定の場所にユーザーを集め、商品やサービスを体験してもらう調査
▼「デプスインタビュー」「フォーカスグループインタビュー」「会場調査」についてのより詳しい記事はこちら



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