
サイコグラフィックとは?データの例やデモグラフィックとの違いを解説
サイコグラフィックとは、心理的な属性に基づいて、個人や集団を分類する手法のことです。性別、年齢、収入など数値や事実に基づく外面的な属性で分類するデモグラフィックと異なり、サイコグラフィックはライフスタイル、価値観、興味など、消費者の行動や選好に影響を与える内面的な要素で分類します。 この記事では、サイコグラフィックとは何か、具体例やデモグラフィックとの違い、さらにはマーケ ティング施策への活用方法について解説します。
- サイコグラフィックとは?
- サイコグラフィックのマーケティングにおける重要性
- セグメンテーション分析における他の変数との違い
- デモグラフィック変数(Demographic variables/社会的・経済的変数)
- ジオグラフィック変数(Geographic variables/地理的変数)
- 行動変数(Behavioral variables/行動学的属性)
- サイコグラフィックデータの取得方法
- インタビューやアンケート
- WEBサイトやSNS上の行動分析
- サイコグラフィックのマーケティング施策への活用方法
- ペルソナ設定
- アプローチのパーソナライズ化
- サイコグラフィックデータ活用の注意点
- プライバシーへの配慮
- 分析者により解釈が異なる可能性がある
- 複数のデータを組み合わせることでより効果的な分析ができる
- オンラインインタビューなら『ユニーリサーチ』
サイコグラフィックとは?
サイコグラフィックとは、消費者の内面的な特徴に基づいて市場を分類する手法です。具体的にはライフスタイル、価値観、興味・関心、意見、そして心理的な動機といった切り口で分類されます。消費者の行動や思考を理解するために使われ、消費者が「なぜその行動を取るのか」という動機や背景に焦点を当てます。 たとえば、デモグラフィックの分類としては同じ30歳の女性でも、ライフスタイルや価値観が異なると、選ぶ商品やサービスも変わります。サイコグラフィックデータを活用することで、消費者の深層心理にアプローチし、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能となります。
サイコグラフィックのマーケティングにおける重要性
サイコグラフィックは、マーケティング戦略を考える際に重要な視点です。消費者の価値観やライフスタイル、興味などの心理的側面を理解することで、ターゲットにより効果的にアプローチできます。デモグラフィックでは捉えきれない深層的な動機を把握することで、メッセージのパーソナライズやコンテンツの最適化が可能になります。
セグメンテーション分析における他の変数との違い
マーケティングにおけるセグメンテーション分析では、様々なユーザーを性質や特徴ごとに区分するための変数が使用されます。主な変数は4つあり、サイコグラフィック変数のほかにデモグラフィック変数、ジオグラフィック変数、行動変数があります。それぞれの変数について解説します。
デモグラフィック変数(Demographic variables/社会的・経済的変数)
「デモグラフィック変数」は、年齢、性別、職業、所得などの社会的・経済的な基準を用い る変数です。ユーザーの外面的な特徴に焦点を当てるため、広範なターゲット層を分析 する際に有効です。 ▼「デモグラフィック」についてのより詳しい記事はこちら

ジオグラフィック変数(Geographic variables/地理的変数)
「ジオグラフィック変数」は、ユーザーの居住地やその地域の人口密度といった地理的な要因を基準とする変数です。例えば、居住地が都市部か地方かによって異なる購買行動やニーズなどに応じて、地域ごとに最適な戦略を立てる際に利用されます。地域ごとの習慣や文化を考慮に入れたい時にも必要な切り口です。
行動変数(Behavioral variables/行動学的属性)
「行動変数」は、「behavioral(行動の)」を由来としており、ユーザーの購買行動やブランドロイヤリティ、商品使用頻度などを基準とする変数です。どのように商品を使用し、どのような購買パターンを持つユーザーのデータかを把握するために重要な変数です。
サイコグラフィックデータの取得方法
サイコグラフィックデータを取得する方法は様々ありますが、代表的な方法として次の2つを紹介します。
インタビューやアンケート
インタビューやアンケート調査は、ユーザーから直接サイコグラフィックデータを収集する方法です。具体的な質問を通じて、ユーザーの価値観やライフスタイル、購買動機を詳し く聞くことができます。 ▼「インタビュー」や「アンケート」についてのより詳しい記事はこちら


WEBサイトやSNS上の行動分析
デジタルマーケティングの発展により、WEBサイトやSNS上の行動データを分析し、サイコグラフィックデータを得ることも一般的になっています。ユーザーがどのような興味を持っているのかをリアルタイムで把握することができるため、心理的側面を分析するための強力な手段です。たとえば、SNSでのコメントの自然言語処理による解析や、「いいね」やシェアの傾向の分析によってユーザーの興味・関心を明らかにすることができます。
サイコグラフィックのマーケティング施策への活用方法
サイコグラフィックデータは、ターゲット顧客の心理的特徴に基づいたマーケティング施策を立案する際に非常に効果的です。以下は、サイコグラフィックデータを活用した具体的なマーケティング施策の例です。
ペルソナ設定
サイコグラフィックデータを活用することで、より精緻なペルソナ設定が可能になります。単なるデモグラフィック情報に基づくペルソナでは、消費者の外面的な特徴しか捉えられませんが、サイコグラフィックデータを加えることで、ターゲット層のライフスタイルや価値観、購買動機まで含めた詳細なペルソナを設定できます。たとえば、「30代アウトドア志 向で、健康志向が強く、環境問題にも敏感な女性」といった具体的なペルソナを設定し、その人物に向けた商品やメッセージを作り出すことが可能です。 ▼「ペルソナ」についてのより詳しい記事はこちら


アプローチのパーソナライズ化
サイコグラフィックデータを活用して、ターゲットユーザーのライフスタイルや価値観に合ったアプローチをすることで、ブランドへのエンゲージメント向上や、施策の費用対効果の改善を図ることができます。広告媒体や広告内容の見直しや、メールやLINEでのコミュニケーションの最適化、サービス体験そのものの改善など、様々な施策において、サイコ グラフィックデータの活用が有効です。
サイコグラフィックデータ活用の注意点
サイコグラフィックデータは非常に有用なマーケティングツールですが、活用する際にはいくつかの注意が必要です。
プライバシーへの配慮
データの収集方法には倫理的な配慮が欠かせません。特に、個人の心理的なデータを扱う場 合、プライバシー保護やデータの適切な管理が求められます。 また、サイコグラフィックデータは時間とともに変化するという特性があります。消費者の価値観やライフスタイルは時間経過によって進化するため、データは常に最新である必要があります。 定期的にデータをアップデートし、マーケティング戦略を見直すことが重要です。
分析者により解釈が異なる可能性がある
分析者によってデータの解釈が変わる可能性があります。サイコグラフィックデータは感情や動機といった主観的な要素を含むため、分析者の視点や経験に依存して解釈が異なることがあります。これにより、異なる結論や戦略が導かれることもあるため、データの解釈には慎重なアプローチが必要です。
複数のデータを組み合わせることでより効果的な分析ができる
サイコグラフィックデータは単独で使用するのではなく、他の変数(デモグラフィックや行動データなど)と組み合わせることで、より総合的な観点をもって実態に即したターゲティングが可能になります。こうすることで、マーケティング施策の効果を最大化することができます。
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