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NPS®調査とは?推奨意向の調査方法や質問項目、顧客満足度調査との違いを解説

NPS®調査とは?推奨意向の調査方法や質問項目、顧客満足度調査との違いを解説

顧客と企業の関係性を深めるための調査方法のひとつとして、「NPS調査」があります。「NPS®(Net Promoter Score)」は顧客が企業やブランドをどの程度薦めたいか(推奨意向)を測定する指標です。

本記事では、NPS調査の概要や顧客満足度調査との違い、具体的な調査方法やメリットなどを解説します。

目次
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  1. NPS調査とは?
  2. NPSの計算方法と分類
  3. 顧客満足度調査との違い
  4. NPS調査の3つの分類
  5. リレーショナル調査
  6. トランザクション調査
  7. ベンチマーク調査
  8. NPSとeNPSの違い
  9. eNPS(従業員NPS)とは
  10. NPSとeNPSの使い分け
  11. 日本におけるNPS調査の特徴と注意点
  12. 日本ではスコアが低く出やすい傾向がある
  13. 絶対値だけでなく推移を見る
  14. 企業がNPS調査を導入するメリット
  15. 顧客ロイヤリティの高い層がわかる
  16. 競合他社との比較がしやすい
  17. サービスや商品開発に活かせる
  18. NPS調査の注意点・デメリット
  19. 十分なサンプル数の確保が必要
  20. ユーザーの特性や評価傾向を考慮した判断
  21. 調査・分析にかかるコストと工数が大きい
  22. NPS調査を進める流れ
  23. 調査の目標設定をする
  24. 調査の対象と方法を決める
  25. アンケートの質問項目を作る
  26. 調査を実施する
  27. NPS調査の質問設計のポイント
  28. 基本質問の設計
  29. 自由記述(定性調査)の質問
  30. 回答しやすい質問にする工夫
  31. NPSスコアの分析と改善施策
  32. スコアの読み解き方
  33. セグメント別分析の重要性
  34. 批判者の声を改善に活かす方法
  35. NPSに関するよくある質問
  36. Q1. NPSスコアの平均はどれくらいですか?
  37. Q2. NPSとCS(顧客満足度)はどう使い分ければよいですか?
  38. Q3. リレーショナル調査とトランザクション調査、どちらから始めるべきですか?
  39. Q4. NPSが低い場合、まず何に取り組むべきですか?
  40. Q5. NPS調査結果を分析するにはどうしたらいいですか?
  41. NPS調査を実施する際のポイント
  42. 競合他社のスコアと比較する
  43. 定性的な方法も組み合わせる
  44. 精度の高い質問を設計する
  45. NPS調査に国内最大級のダイレクトリサーチサービス『ユニーリサーチ』

NPS調査とは?

企業がユーザーとの関係性を深めるために活用されている「NPS調査」は、「友人や知人にどの程度薦めたいと思いますか?」という問いを基準として、ユーザーが商品・サービスやブランド、企業などをどれほど薦めたいか(推奨意向)を測定する調査です。

「NPS®(Net Promoter Score)」は「Net=差し引き」「Promoter=推奨者」という言葉の通り、周囲に積極的に推奨してくれる「推奨者」の割合から「批判者」の割合を差し引いた値を示します。

数値が高いほど顧客ロイヤリティも強い可能性が高く、低いと不満が多い状態と判断できます。ただし、NPSは国や業界ごとに基準値が異なり、回答中心化傾向(評価尺度の中央付近の回答をする傾向。NPSで言えば5や6など)がある日本では低く出ることも多いです。

具体的なスコアの分類や計算方法は、次の通りです。

NPSの計算方法と分類

ユーザーに対して「あなたはこの〇〇(商品、サービス、ブランドなど)をどの程度友人や知人に薦めたいと思いますか?」という質問をし、その回答を0~10点の11段階で評価してもらいます。

回答は以下の3つに分類されます。

9〜10点:推奨者(Promoters)

積極的に商品やサービスを推奨してくれるユーザーです。リピート購入や口コミによる新規ユーザー獲得に貢献する、最も価値の高い層と言えます。

7〜8点:中立者(Passives)

満足はしているものの、積極的に推奨するまでには至らないユーザーです。競合他社の魅力的なオファーがあれば離反する可能性があります。

0〜6点:批判者(Detractors)

不満を抱いており、ネガティブな口コミを広げる可能性があるユーザーです。サービス改善の重要な手がかりを提供してくれる存在でもあります。

NPSスコアの算出式は以下の通りです:

NPS = (推奨者の割合%)−(批判者の割合%)

例えば、100人中、推奨者が35人、中立者が25人、批判者が40人の場合、NPS = 35% - 40% = -5となります。NPSは-100から+100の範囲で表され、数値が高いほど顧客ロイヤリティや顧客エンゲージメントが強く、低いと不満が多い状態と判断できます。 ▼「顧客エンゲージメント」についてのより詳しい記事はこちら

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顧客満足度調査との違い

「顧客満足度調査」とは、製品やサービスを利用したユーザーが「どの程度満足しているのか」を測定し、その背景となる要因や改善点を明らかにするための調査手法ですが、実際に推奨やリピートにつながるかどうかは別の問題です。

NPS調査では、「満足しているだけではなく、自分から進んで薦めたいと思う」かどうかがわかるため、長期的な関係構築やリピーター育成に重きを置いた計測手法として活用されています。

顧客満足度とNPSの両方を調査することで、ユーザーとの関係性をより把握し、実際の行動(リピート購入や口コミなど)につながる層を特定しやすくなります。

▼「顧客満足度調査」についてのより詳しい記事はこちら

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NPS調査の3つの分類

NPS調査には、大きく分けて「リレーショナル調査」「トランザクション調査」「ベンチマーク調査」の3つがあります。 それぞれの目的や実施タイミングが異なるため、自社の課題に応じて使い分けることが重要です。

リレーショナル調査

「リレーショナル調査」は、ユーザーとの長期的な関係性を把握するために行う調査です。一定の期間ごとに実施し、スコアの推移を継続的に見ながら、中長期的なブランド戦略や顧客維持のための施策に活かします。継続調査を行うことで、変動の要因を見極めやすくなるのが特徴です。

トランザクション調査

「トランザクション調査」は、商品購入やサービス利用など、ユーザーとの具体的なやり取りが発生した直後に行う調査です。ピンポイントの体験を通じ、ユーザーがどう感じたかを測定します。リアルタイムでユーザーの声を回収することで、早急な不満解消や改善策実行に繋げられるのが大きなメリットです。

ベンチマーク調査

「ベンチマーク調査」は、競合他社の指標の数値も把握することで、自社が市場全体の中でどのようなポジションにいるのかを客観的に確認する調査です。単に数値の良い・悪いを把握するだけでなく、競合と比べて優れているところ・劣っているところを明らかにできるので、自社の強みや課題を見つけやすくなります。

NPSとeNPSの違い

NPS調査と合わせて注目されているのが「eNPS(Employee Net Promoter Score)」です。NPSが顧客ロイヤリティを測定するのに対し、eNPSは従業員の組織に対するロイヤリティを測定します。両者の違いと使い分けを理解することで、顧客満足度と従業員満足度の両面から組織改善に取り組むことができます。

eNPS(従業員NPS)とは

「eNPS(Employee Net Promoter Score)」とは、従業員が自社を職場としてどの程度薦めたいかを測定する指標です。従業員に対して「あなたは、この会社を友人や知人にどの程度薦めたいと思いますか?」と質問し、ユーザー向けNPSと同様に0~10点の11段階で評価してもらいます。

eNPSを測定することで、従業員のエンゲージメントやロイヤリティを数値化でき、離職リスクの把握や組織改善の指標として活用できます。従業員満足度はユーザーへの対応やサービス品質にも影響する可能性があります。NPSとeNPSの両方を測定することで、組織全体の健全性を把握できます。

NPSとeNPSの使い分け

NPSとeNPSの使い分けは明確です。NPSは「顧客ロイヤリティ」を測定し、事業成長や収益に直結する指標として活用します。一方、eNPSは「従業員エンゲージメント」を測定し、組織文化の改善や人材定着率の向上に役立てます。

両者を組み合わせることで、従業員エンゲージメントと顧客満足度の相関関係を検証でき、組織全体の改善サイクルを構築できます。

日本におけるNPS調査の特徴と注意点

日本でNPS調査を実施する際は、文化的な背景による回答傾向の違いを理解しておくことが重要です。

日本ではスコアが低く出やすい傾向がある

日本では満点や高いスコアをつけることに抵抗を覚える人が多く、欧米諸国と比較するとNPSスコアがマイナスになりやすい傾向があります。これは「中心化傾向」と呼ばれる、評価尺度の中間付近(5点や6点)を選びやすい日本人を含む一部の文化圏特有の回答特性が影響しています。

国や地域によっては推奨者が多くプラスのスコアになりやすい一方、日本では同じ満足度でも控えめな評価をする傾向があるため、NPSがマイナス圏になることも珍しくありません。そのため、海外企業のNPSと単純に比較してしまうと、日本企業のスコアが相対的に低く見えてしまいます。

自社の過去のスコアとの推移比較や、日本国内の同業他社とのベンチマーク比較を重視することが推奨されます。業界平均や競合他社のスコアと比較することで、自社の相対的な立ち位置を正確に把握できます。

絶対値だけでなく推移を見る

NPSスコアの絶対値(例:-20や+10など)だけに注目するのではなく、定期的に調査を実施してスコアの推移を追うことが重要です。施策実施前後でのスコア変化や、四半期ごとのトレンドを把握することで、改善の効果を測定しやすくなります。

たとえスコアがマイナスであっても、前回調査から改善していれば施策が効果を上げていると判断できます。逆に、プラスのスコアでも下降傾向にあれば、早期に対策を講じる必要があります。

企業がNPS調査を導入するメリット

企業がNPS調査を導入するメリットを3つご紹介します。

顧客ロイヤリティの高い層がわかる

NPS調査で「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのユーザー層の割合を把握することで「顧客ロイヤリティの高い層」を特定でき、その属性のユーザーに対するアプローチを強化する検討材料として用いることができます。

「顧客ロイヤリティ」とは、ユーザーが特定の企業に抱く愛着や信頼のことです。忠誠心を表す「Loyalty」が言葉の元となっており、ユーザーの「感情」に焦点を当てた概念です。

競合他社との比較がしやすい

ベンチマーク調査を行えば、自社のNPSが高いか低いかだけでなく、市場全体から見たときの自社の立ち位置を把握することができ、その結果に応じた施策を考えることができます。

サービスや商品開発に活かせる

NPS調査では、NPSスコアを出すための定量調査の質問だけでなく、自由回答の定性調査の質問も一緒に尋ねることができます。推奨意向の背景にある「なぜ推奨したいと思うのか」「推奨したくない理由は何か」といったユーザーの生の声を収集することで、新たな商品開発や、サービスの改良につながるヒントが得られるでしょう。0〜6点をつけた批判者からの声も、改善の余地を教えてくれる貴重な情報源になります。

▼「定量調査」「定性調査」についてのより詳しい記事はこちら

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NPS調査の注意点・デメリット

NPS調査には多くのメリットがある一方で、導入時に注意すべきデメリットや課題も存在します。両面を理解した上で、自社に適した活用方法を検討しましょう。

一方、NPS導入時には以下のような注意点やデメリットもあります。

十分なサンプル数の確保が必要

統計的に信頼できる結果を得るには、ある程度の回答数が必要です。特に顧客セグメント別に分析する場合は、各セグメントで十分な回答数を確保する必要があります。

ユーザーの特性や評価傾向を考慮した判断

前述の通り、日本では中心化傾向があるため、海外の基準をそのまま適用すると誤った判断につながります。業界や顧客層によっても評価の傾向は異なるため、自社に合った解釈が求められます。

調査・分析にかかるコストと工数が大きい

継続的にNPS調査を実施し、結果を分析して改善施策に落とし込むには、専任の担当者やツールの導入が必要になる場合があります。

NPS調査を進める流れ

NPS調査の一連の流れを紹介します。

調査の目標設定をする

最初に、「自社のブランドロイヤリティを定期的に把握し、それを踏まえてロイヤリティの高い層の維持・育成策を強化したい」、「新規購入者の購買体験に対するフィードバックを集め、接客対応を改善したい」、「競合他社とのポジションを確認し、自社の差別化戦略を見直したい」など、NPS調査を行う目的を明確に設定します。

目的がはっきりしないまま実施してしまうと、どのタイミングでどんなユーザー層を対象にすればいいのかが曖昧になり、結果的に活用しづらいデータになってしまう恐れがあります。

調査の対象と方法を決める

次に、上記の目的を踏まえて、どんなユーザーにどんな方法でNPS調査を実施するかを決めます。

例えば、

  • リレーショナル調査:一定期間ごとに既存ユーザーに調査依頼を送付

  • トランザクション調査:購入や問い合わせの後に調査依頼を送付

  • ベンチマーク調査:大規模なユーザーパネルを持つ調査会社やセルフリサーチサービスを利用して、自社ユーザーだけでなく競合製品利用者にも調査を依頼

というように、ユーザーとの接点を考慮しながら、最適な調査方法を選びましょう。

アンケートの質問項目を作る

NPS調査では、「この商品やサービスを友人や知人にどの程度薦めたいと思いますか?」という基本の質問に加え、補足となる質問や自由記述欄を設けるのが一般的です。

「なぜその点数をつけたのか?」「改善してほしい点はどこか?」などの定性情報を集める設問も入れることで、より充実した分析結果が得られます。

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調査を実施する

調査設計が整ったら、調査を実施します。回収したデータは集計し、推奨者・中立者・批判者の割合やコメント内容を整理して分析します。

分析結果は社内で共有し、必要な施策を検討します。調査結果の分析だけで終わらず、改善につなげてこそNPS調査の効果が発揮されます。

NPS調査の質問設計のポイント

NPS調査で有益な結果を得るためには、質問設計が極めて重要です。基本質問の設計方法から、自由記述の質問例、回答率を高める工夫まで、実践的なポイントを解説します。

基本質問の設計

NPS調査で最も重要なのは、推奨意向を測定する基本質問です。この質問は「あなたはこの商品・サービスを友人や知人にどの程度薦めたいと思いますか?」というシンプルな形式が推奨されます。

質問文は対象(商品、サービス、ブランド、企業など)を明確にし、回答者が具体的にイメージできるようにすることが重要です。例えば、「当社のサービス全般」ではなく「今回ご利用いただいたカスタマーサポート」のように、対象を絞ることで、より精度の高いフィードバックが得られます。

評価尺度は0~10点の11段階が標準です。これはNPSの世界標準であり、推奨者・中立者・批判者の分類基準も確立されているため、他社との比較がしやすくなります。

自由記述(定性調査)の質問

自由記述(定性調査)の質問は、NPSスコアの背景を理解するために不可欠です。推奨者には「その点数をつけた理由は何ですか?」や「特に良かった点を教えてください」と質問し、成功要因を把握します。

批判者には「その点数をつけた理由は何ですか?」や「改善してほしい点を教えてください」と質問し、具体的な不満点を収集します。批判者の声は、サービス改善の最も重要な手がかりとなるため、丁寧にヒアリングすることが大切です。

中立者には「推奨者になるために必要なことは何ですか?」と質問することで、満足度向上のヒントを得られます。中立者は競合に流れやすい層でもあるため、この層を推奨者に引き上げる施策が重要です。

回答しやすい質問にする工夫

回答しやすい質問にするためには、アンケート全体の設問数を最小限に抑え、回答時間を数分以内に設定することがおすすめです。質問が多すぎると回答率が下がり、途中離脱が増えてしまいます。

また、推奨度スコアの質問は、アンケートの最初に配置することが効果的です。他の質問に影響されない、純粋な推奨意向を測定できるためです。

NPSスコアの分析と改善施策

NPS調査は実施して終わりではなく、スコアを正しく分析し、具体的な改善施策につなげることが最も重要です。どれだけ丁寧に調査を設計しても、結果を活用できなければ意味がありません。ここでは、NPSスコアの読み解き方から、セグメント別の分析手法、批判者の声を改善に活かす具体的な方法まで、実践的なアプローチを解説します。

スコアの読み解き方

NPSスコアを正しく読み解くには、単なる数値の高低だけでなく、その内訳や推移を分析することが重要です。

まず、推奨者・中立者・批判者の割合を把握します。例えば、NPSが同じ10でも、「推奨者40%、中立者30%、批判者30%」の場合と「推奨者55%、中立者0%、批判者45%」では、ユーザー層の構造が大きく異なります。前者は中立者が多く改善の余地がある一方、後者は二極化が進んでおり、批判者対策が急務です。

セグメント別分析の重要性

年齢層、性別、購入頻度、利用サービスなど、さまざまな軸でNPSを分析することで、どのユーザー層が推奨者になりやすいか、批判者が多い層はどこかを特定できます。

例えば、「20代の推奨者率が高い」という結果が出れば、その層向けのマーケティング施策を強化する判断材料になります。逆に、「特定のサービス利用者の批判者率が高い」という結果が出れば、そのサービスの改善を優先する必要があります。

批判者の声を改善に活かす方法

批判者の声を改善に活かす方法として、まず自由回答のコメントを分類・集計します。「価格が高い」「サポート対応が遅い」「使いにくい」など、不満の種類ごとに件数を集計し、優先順位をつけます。

次に、批判者のコメントから具体的な改善アクションを導き出します。例えば、「サポート対応が遅い」という声が多ければ、サポート体制の強化や自動応答システムの導入を検討します。「使いにくい」という声が多ければ、UI/UXの改善やオンボーディングの充実を図ります。

改善施策を実施した後は、再度NPS調査を行い、スコアの変化を測定します。批判者が減少し、中立者や推奨者が増加していれば、施策が効果を上げていると判断できます。このPDCAサイクルを継続的に回すことで、顧客満足度や推奨意向を着実に向上させることができます。

NPSに関するよくある質問

NPS調査を検討・実施する際によくある質問とその回答をまとめました。

Q1. NPSスコアの平均はどれくらいですか?

NPSスコアの平均は業界や国によって大きく異なります。アメリカでは多くの業界でプラスのスコアが一般的ですが、日本では中心化傾向(控えめな評価をする文化)があるため、マイナス圏のスコアも珍しくありません。

重要なのは絶対値よりも、自社の過去のスコアとの推移や、同業他社とのベンチマーク比較です。自社のスコアが改善傾向にあれば、施策が効果を上げていると判断できます。

Q2. NPSとCS(顧客満足度)はどう使い分ければよいですか?

NPSとCS(顧客満足度)は、測定する内容と活用目的が異なります。

CSは「現在どの程度満足しているか」という現状の評価を測定するのに対し、NPSは「他者に推奨したいか」という将来の行動意向を測定します。満足していても推奨まではしない層(中立者)を特定できるのがNPSの特徴です。

使い分けとしては、サービスの即時的な改善点を把握したい場合はCS、長期的な顧客ロイヤリティや事業成長との相関を見たい場合はNPSが適しています。両方を併用することで、ユーザーとの関係性をより多角的に理解できます。

Q3. リレーショナル調査とトランザクション調査、どちらから始めるべきですか?

初めてNPS調査を実施する場合は、リレーショナル調査から始めることをおすすめします。

リレーショナル調査は、ブランド全体や企業全体に対する評価を定期的に測定するため、全体像を把握しやすく、長期的なトレンドを追うことができます。また、調査設計もシンプルで、実施のハードルが比較的低いです。

トランザクション調査は、購入直後やサポート対応直後など、特定の体験に対する評価を測定します。より詳細な改善ポイントが見つかりますが、調査のタイミングや対象者の選定が複雑になります。リレーショナル調査で全体の傾向をつかんだ後、特定の接点に焦点を当ててトランザクション調査を追加すると効果的です。

Q4. NPSが低い場合、まず何に取り組むべきですか?

NPSが低い場合は、批判者(0〜6点)の声を優先的に分析することから始めましょう。

まず、自由回答のコメントを分類し、不満の種類ごとに件数を集計します。「価格が高い」「サポート対応が遅い」「使いにくい」など、最も多く挙がっている課題を特定します。

次に、その課題の中で、比較的短期間で改善できるものから着手します。例えば、サポート対応の遅さが問題なら、体制強化や自動応答システムの導入を検討します。UI/UXの問題なら、オンボーディングの改善や操作ガイドの充実を図ります。

改善施策を実施した後は、再度NPS調査を行い、批判者の割合が減少しているかを確認します。このPDCAサイクルを継続的に回すことが重要です。

Q5. NPS調査結果を分析するにはどうしたらいいですか?

NPS調査結果の分析は、以下の3つのステップで進めると効果的です。

第一に、推奨者・中立者・批判者の割合を把握し、全体の構造を理解します。同じNPSスコアでも、内訳によって取るべきアクションは変わります。

第二に、セグメント別分析を実施します。年齢層、性別、購入頻度、利用サービスなど、さまざまな軸でNPSを分析することで、どのユーザー層が推奨者になりやすいか、批判者が多い層はどこかを特定できます。

第三に、自由回答のコメントをテキストマイニングや手動で分類し、スコアの背景にある理由を深掘りします。特に批判者のコメントには、具体的な改善のヒントが含まれています。これらの定量データと定性データを組み合わせて分析することで、実行可能な改善施策を導き出すことができます。

NPS調査を実施する際のポイント

NPS調査を行う際に以下のポイントを押さえることで、より有益な分析結果を得ることができます。

競合他社のスコアと比較する

ベンチマーク調査で、競合他社のNPSスコアを把握し、自社と比較してみましょう。自社の数値が高いように見えても、同業他社の平均より低ければ、改善策を練る必要があります。逆に平均を上回っていれば、強みをさらに伸ばす方法を検討できます。

定性的な方法も組み合わせる

定量的なNPSだけでなく、定性的な調査も組み合わせて「なぜその数値になったのか?」という背景を深掘りしましょう。読み解くためには自由回答やインタビューなどの定性調査が不可欠です。

アンケートに自由回答の設問を入れたり、合わせてインタビューなどを実施したりすることで、ユーザーが実際に感じている期待や不満を把握し、より具体的な施策に落とし込みやすくなります。

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精度の高い質問を設計する

NPS調査は「友人や知人にどの程度薦めたいと思うか?」という質問が中心になりますが、それ以外にも精度の高い質問をしっかり設計することで、「具体的に何が良かったか」「どこを改善してほしいか」などのユーザーの声を得ることができます。このような情報が実際の改善施策を考える上での大きなヒントとなるため、質問の設計は重要です。

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この記事を書いた人
ユニーリサーチ編集室
ユニーリサーチ編集室
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